Aki Yukino

ピアノを弾いてます。ピアノ講師。

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私にとっての母

私の母はすでに亡くなっている。 私は今28歳。私の人生の半分は、母がいない生活だった。 母は統合失調症だった。 私が小学3年生の頃から、幻聴が聞こえたり、様子がおかしかった。 母は私たち家族と一緒に過ごすどころか、食べ物もまともに食べていなかった。 車に乗るなり、誰かが見てる。隠れて!と言い出すこともあった。 学校から帰ってくると、台所から包丁が消えていたこともあった。 家族全員で母の機嫌を伺う生活だった。 私は子供のころ、いつも下を向いて歩いていた記憶しかない。

    • ショパンの舟歌

      これは私が日々向き合っている舟歌という曲の、私が解釈した物語です。 ある程度ショパンの伝記などに基づいてはいるつもりですが、私の主観も強く出ているかと思いますので、ご了承の上でお読みください。 舟歌は1845年の11月に書かれた作品。 7年連れ添った恋人、ジョルジュ・サンドとの別れ際であり、ショパンの亡くなる3年前、健康状態がどんどん悪くなっている時期に書かれた作品。 ショパンの、ジョルジュとヴェネツィアへ行きたいという気持ちが表現されている。 だからこそ、ショパンの幻

      • 見知らぬミシルさん

        前回の記事で書いた、母の記憶について発信できたのは 私の推し、インフルエンサーで著者、電話相談をやってらっしゃる見知らぬミシルさんのおかげだ。 あの記事を書いたきっかけは、ミシルさんに私の母の記憶を共有したいと思ったことだ。 もうこの記憶を1人で抱える気がなかったこと、 そしてミシルさんなら受け取ってくれると思ったからだ。 カバー写真は以前、電話相談を受けた際に、期間限定でくださったデジタルメモだ。 またぜひ復活してほしいなという気持ちも込めて。 彼の文章と感性がとて

        • 新しい曲に触れる時

          新しい曲に取り組む時、 それが好きな曲なら尚更、 例えるなら、好きな人について徐々に知っていくような高揚感を感じる。 私は初見が得意ではない、 そのため新しい曲に取り組む時、ある程度の時間がないと仕上がらない。 でもそれは、なかなか振り向いてくれない異性を落としていく過程に似ているのではないだろうか。 だから弾きたかった曲を弾く時、自分の指からこの音、この響きが鳴っているんだ! ということにときめきを感じる。 でもマンネリ化したカップルと一緒で、 気づけばそのときめ

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        私にとっての母

          音楽で食べていくということ

          これが初めての投稿となる。 普段あまり表には出さないものの、思考が強いタイプなので、 思っていることを書く場所が欲しいと思い、書いてみることとした。 普段の仕事はピアノの先生、時々人前で演奏もしている。 要するに、音楽で食べていっている。 音楽は食べていくのが難しいと言われているし、 実際この道を選んだ自分でも確かにそうだと思っている。 良くも悪くも自分の技術と経験によって評価されるからだ。 私に技術があるのかどうかはさておき、 その上で、楽器が弾ければどんな人間性で

          音楽で食べていくということ