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私、バスケ部のマネージャーしてたんです

最近、様々な人と出会うことが多くて、自分の生い立ちを話す機会が増えた。


そのため、自分が忘れていたことを思い出してきた。

そう言えば、マネージャーなんてしてたな。

なんて、振り返っていた。


学生時代は、常に頭を回転させていた。

今日は、これとこれがあって、、、この作業の合間にこっちの作業をして、、、

そうやって、学校の授業が終わった瞬間、私のマネージャータイムは始まった。

そして、部活が始まりひと段落すると、魂が抜けたようにぼーっと体育座りをしていた。

始まりと終わりが激しく管理されているあの頃は、ある意味全てにメリハリがあり、自分を追い詰めていた。

学校、バイト、部活。


遊ぶ時間なんてほとんどなかった。でも、その方が何も考えなくて楽だった。

きっと一生懸命走っているようで、逃げていたのかな。

私を追ってくる何かから、一生懸命に逃げるように。

暗闇に飲み込まれないように、一生懸命、一生懸命、走っていた。

あの頃。


それはきっと、親のことから逃げていたのだと、今ならなんとなく分かる。

会いたくなくて、忙しさで全てを埋めて、忙しい私を演じていたし、実際に忙しくしていた。

そんな事も考えてなかった私は、マネージャー業に勤しんでいた。

運動部のマネージャーだった私は、毎日のように体育館にダッシュしていた。

レポートを部活が始まる前に終わらせて、体育館に行き、練習の準備をする。

ボトルを用意して、氷をクーラーボックスに入れ、2階に上がる。


そこには、のんびりとストレッチをしている部員に会う。

挨拶をして周り、自分の定位置に着く。

タイマーを用意し、ボトルに水を入れたら、準備完了だ。

ほとんど1人が多かったような部活は、いつも気の抜けない緊張感が、そこにはあった。


そして、しばらくすると、ダムダム、とバスケットボールをつく音が始まる。

ああ、もうすぐ始まるのだな、そんな事を思いながら、少しぼんやりしている。


そして、ぼんやりしていたらいつも始まって、ぼーっとしていると、練習メニューが変わり、終わりに近づいていくのだ。

週末は、練習試合の準備だったり、試合の準備で大忙しな日々だった。

タイマーに映し出される、

1分という、

1秒という、

時間が刻まれていくなかで、

試合が激化していく様は、ジェットコースターに乗っているような

アクション映画を観ているような

そんなハラハラ感を感じた。


部員のコンディションもなんとなく分かる私には、その日のチームの状態がすぐに分かる。

それも私にとっては、とてもやりがいのある事だった。


勝負というものは、どんなに頑張っても時間、という制限があり、頑張っても報われない時がある。

そんな事を一生懸命教えてくれた、そんな一瞬だった。


私は、そうそうにやめてしまったけれど、それでもあの記憶は強く残り、体育館の高い天井と、眩しいほどの電気と、汗臭い匂いと、キュキュとなる床の音を忘れないと思う。

一瞬のようで、長かったあの時間を振り返るには、この1ページでは足りないくらいだ。

部員にとって、いい思い出のあるマネージャーでは無いと思う。

それでも、私にとっては、大切な大切なそんな時間だったことに変わりはない。


あの頃に自分に何か声を掛けるとすれば、人に頼って欲しい。

そうすれば、もっと、馴染めたのかもしれない。

たくさんの思い出と、後悔を秘めた、そんな過去。

私、バスケ部のマネージャーしてたんです。

胸を張って言えないけれど、頑張ったことに変わりはない。

そんな思い出。

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