変な顎1
これは、ある顎である。
あなたはこの顎の異常さがわかるだろうか。
おそらく、一見しただけではごくありふれた顎に見えるだろう。
しかし、注意深くすみずみまで見ると、顎中そこかしこに奇妙な違和感が存在することに気づく。
その違和感が重なり、やがて一つの事実に結びつく。
それはあまりに恐ろしく、決して信じたくない事実である。
1.序章
九月某日、知人のYさんから
「相談したいことがある」という連絡が来た。
Yさんとは数年前に仕事で知り合い、今では年に数回食事をする関係になった。
Yさんは豊富な経験を持つ一流の外科医だ。
彼は最近、フリーランスの医師となった。U-NEXTでドクターXを見ていたこともあり「案外いけるんじゃないか」と思ったらしい。
彼の案件探しは難航しているようだったが、ついにその患者が見つかったらしい。
それがこれだ。
唇の下に謎の空間がある。
およそ人間の構造ではありえない。
患者本人に聞いてもよくわからないという。
Yさんは手術をするだけなので不都合はないが、なんとなく気味が悪いので私に相談しようと思ったらしい。
Yさんによると「アネサキってそういうの詳しいでしょ?」とのことだ。
アネサキをなんだと思ってるのか。
しかし、偶然にも私の知り合いにKさんというスピリチュアルに傾倒した陰謀論者のBBAがいる。
私も「謎の空間」というオカルトチックな話に少し興味を持ったので、Kさんに相談してみることにした。
2.Kさんの推理
Kさんには前もって顎画像のデータを送り、電話で話を聞くことにした。
以下、Kさんとの会話を記載する。
アネサキ:Kさん、お久しぶりです。お時間とっていただいてありがとうございます。
Kさん:アネサキじゃーーーーーん!!。ところで送ってもらった顎だけど…
まともじゃーーーーーーーーーーーーーーん!!
ガチャ!!!!
ツーツーツー…
会話終わり
電話はこれで終わってしまった。元から天理教という新興宗教を狂信するアブない人物ではあったが、ここまでだっただろうか?
Kさんと患者には何かしらの関係があるのではないだろうか?
この通話、何かが変
そう思った私は、個人でこの患者(今後の記事ではAと呼称する)、Kさんの調査を開始した。
記事冒頭で"信じたくない事実"と述べたが、それはAとKさんの関係を指す。その関係に私がたどり着いた際、私は驚愕した。
次の記事ではその捜査過程について報告したいと思う。
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