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失敗する事業承継

私は仕事柄、多くの経営者の方々や従業員の皆様にお会いします。事業承継が課題の会社もかなりあります。事業承継が課題となるのは素晴らしい会社とも言えます。通常の会社は事業承継する前にダメになっているからです。
事業承継は親子間承継が多いと思われます。ここがさらに難しくします。親が子を思う心に勝る心なしとも言います。従業員から社長になるケースとの大きな違いがここにあります。また、子は親を超えたいとの考えも常にあります。私が見てきた失敗のケースをご紹介します。


社長の長所と短所の差が業績です。
これを仮に数値化すると、例えば、社長の長所を8、短所を3とします。その場合、差額としての5が業績となります。
このような状況で会社を引き継いだ子供はどう思うかです。
親子間の問題もありますが、失敗するケースは親の短所3を是正することに注力することです。そうすると親の短所の部分が減り、業績も上がるだろうと子供は推定しますが、実は短所が減っても子供の自分の社長としての長所(最初は2くらいであることが多いです)が示せない限り業績は悪化します。

根本的に会社は経営者の長所で伸びるものです。当たり前のことですがここが経営の肝ではないでしょうか。過去の偉大な経営者もいろいろな短所を言われていますがその長所は驚異的です。そこに横たわるのは人間関係を大事にするという当たり前の事から成り立っているのが共通です。大きなことを達成するには小さなことを大事にするという習慣が必要です。スティーブ・ジョブズも小さなことをとても大切にしていました。人間関係を大事にする経営は古い。大きな需要を掘り起こすのだという経営者はほぼ失敗です。空理空論にすぎないからです。
そして、空理空論経営者はそれを注意する人を回りにおかない。耳障りのいい人を回りに置く。現実を見ようとしない。時代が悪いと言い始めて、会社をつぶしていきます。しかし、本人は親の悪いところは是正していると自信を持っています。経営は怖いものです。
トップが変わるだけですぐに会社は変わってしまいます。子供は自分なりの長所を伸ばすために耳の痛い意見に身を傾け長所を伸ばさないといけません。


後継者の皆さん。どう思いますか?

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