コロナ禍からのサバイバル2

4月中旬から始めた飲食店向けのテイクアウトと食中毒に関する注意喚起キャンペーン(ボランティア活動)は1ヶ月間の特設サイト執筆を経て、ひとまず終結させた。情報は充分に網羅した。世情は変化するだろうが、あとは公的機関や大手メディアに委ねて大丈夫と予見できるところまで達したと判断した。まだ関連のメディア取材は続いているし、リファレンスとしてサイトは9月末日まで公開を継続する。テイクアウトのノウハウは当面のあいだニーズがあると考えられるからだ。

さまざまな立場の方にテイクアウト調理の注意点を記した無料配布のチラシをネットで全国に配布していただいたうえに、食中毒のリスクに気づいたテレビに新聞社、通信社、雑誌社までメディアの記者様に取り上げていただき、感謝あるのみだ。自分がもともとは専門誌メディアの人だったことを思えば不思議でもあり、インタビューを受けている自分は起業して別の世界にきたのだなと妙に実感する出来事でもあった。

コロナ禍のさなかに当社もいて、しかしボランティアをするということは可笑しなものではあるが、是非を深く論じるつもりはない。ご縁あってできることをしたまでだ。始める際にはいろんな覚悟をした。メディアに出たら年齢を聞かれるとか、そういう些末なことも含めて。執筆した内容に対してあれこれ取り沙汰されたり、食品衛生コンサルタント(できそうな気もするが)でも食品衛生指導員でもないのにあなたがなぜと言われたりするのではないかと、身を案じてくれた人もいた。しかし前職の看板が効いたのか、ほとんどそのような物言いがつかなかったことにも感謝している。信じてくれてありがとう、である。

中食について書いたことが正しいか、責任が持てるかという「謙虚な畏れ」と「批評を受ける覚悟」は、中食の雑誌をつくった11年前にすでに経験済みだから、できたのだと思う。オールドメディア人の気質で、書くことの哲学を表に出て語るのは今までしなかった。しかし、今回はここに記しておこうと思う。noteには出版に携わる人が多いそうだから、のちに誰かメディアの人が「書く技術によって」ボランティアをしたいと思った時に、思い出してくれたらいい。「知見をシェアすることで誰かを助けられるならすぐにしなさい、書いて世に出すという畏れに向きあえるのは、書くプロだけだから」。

わたしもまだ、書くプロはやめたわけじゃないのである。

ボランティアを終わらせて、さて、野菜を売らなければ。そして本を作らなければ。しなければならないことがたくさんある。



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