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幻の海老

海老が大量に送られてきた 積み上げると自分の肩の高さにまでなった

一箱に25〜30匹が横たわっていたので、ざっと計算しても総勢400匹の海老が今目の前に鎮座していることとなる もう行商に出るレベルだ 

沖縄の親戚は時に度肝を抜く 想像の上をいくスケール感だ マンゴーが50個近く送られてきた夏もあった 期間限定で別の商売出来そう

そんなこんなで最初はそういうこともあろうと笑って海老を仕分けていたが、やっぱり400匹って異常だよな 数時間経っても腑に落ちず、沖縄に電話をいれた

それはもう大正解だった 誤発送だったらしい すぐさま送り返してチルドでとの指示を得た そりゃそうだろう

「ナターシャの家には4箱送るはずだったから、送り返す時に4箱抜いて送ってねー」

ガッテン了解 しかしだ その時点で張り切った家族が4箱もう人に配ってしまった後だった

つまり −4+4=0  

ちーん 手元には何も残らない計算だ

目の目に400匹の海老がいるのに、1匹も食せぬまま大量の海老たちは我々の目の前の通りすぎて行った

久米島へ行っていつの日か必ずや実食してみせようと固く誓った

それにしてもどうしてこんなコントのようなことが次々と起こるのだろう しみじみ感じ入るそんな師走 ナターシャ 


 

 


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