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いたみのめもり

誰かの何かで感じることが
どれくらいの痛みかは
数値では推し量ることが出来なくて
ましてや大量出血をするように
可視化することも出来はしない

それが一体どうしたと言うのだろう

それを誰かに見せつけて
私はこんなにも可哀想だとか
私は弱いから守ってほしいだとか
ましてやお馴染みの承認欲を
満たそうとすることは考えたりはしない

それで一体誰かにどんな迷惑をかけたろう

自分の傾向を自覚しておくことで
人混みは苦手だからあの街には
行かないようにしよう
と考えることと同じように
自分自身の境界線を定めて

自分の特性を自覚しておくことで
人よりたくさんはお酒が飲めないから
ここまで飲んだらやめておこうね
と考えることと同じように
自分自身の許容量を知り

自分自身が誰かに搾取されたり
濾過装置にされてしまったり
くだらないマウント争いのなかで
世の中を訳の分からない物差しで
きられるところから
自分の身を守るために
わかりやすくなまえをつけて
いるだけなのではないだろうか

意識していないと分からなくなることは
とてもとても多いんだと思う

誰かに分かってもらいたいとか
かまわれたいだとか
そんな風には思わない

むしろ、そんなに簡単に
誰かの何かを分かるわけはないと
思っているから
私はきっと誰かのことを深く理解
出来るようなほどにつながっても
『分かってる』と口には出来ないし
その反対に誰かに
『私がいちばんあなたのことを
理解してるから』と言われても
言われた方が余計にそのひとを疑ってしまう

そんなに簡単に分かってるだなんて
言えないし、言われたくないの

分かりたい、分かり合いたいと思う
気持ちがずっと続く方がね、きっと
お互いのことを大事に出来ると思うから

痛みや生きづらさは本人しか分からない

他の誰かからみたらかすり傷のように
見えても本人にはとても痛く感じる
ことがある

可視化されて、それがたとえば
『ダメージ4ポイント』と表示されても
すごくすごく痛いのかもしれない

『ダメージ4ポイント』も分かりやすく
火の攻撃のような近い人間関係のなかで
ひとりでに感じる疎外感と
氷の攻撃のような匿名性のあることばに
自分ごとに感じる敏感さとで
中身を見た時に、同じひとが受けるものでも
平気なものも苦手なものもある

きっとそれこそが特性で傾向

ああ、毎日毎日どうしてこんなに
ずっと苦しくて痛いのだろう
と途方に暮れて生きていても
そんなのは庇護欲で感じたり
言ったりはしない

どうしてもこころが叫ぶように
ことばにしたくなる時があるから
食いしばっても口の隙間から
漏れてしまう息のようなこと

それはどうかゆるして欲しい
それくらいは言っても良いかな
誰かに迷惑はかけないようにするから
そんな想いだよ

それでもこういう特性や傾向を
批判したり揶揄されるとなると
どこにも救いがなくなるのではないかなあ
私だけでなく、他の同じ傾向のひとも

それこそ、批判したり揶揄してるひとも
跳ね返ってきてしまった時に
きっと辛いと思うけどなあ

私は出産の経験がないから
どれくらいの痛みや大変さがあるか
分からないです

私と同じ傾向、特性のひとも
どれくらいの痛みや大変さがあるか
分からないです

それを数値で表されて
擬似体験のように痛みを与えられても
きっと本当のところは分からない
かもしれない
でも私は出来るだけ分かりたいと思う
私は出来るだけ同じくらい分かりたいと思う
あれこれ偉そうに批判したり評してみせるより
分からないなりに分かりたいと思う

痛みも苦しみも喜びもぜんぶ
感じ方はひとによって違う

痛みも苦しみも喜びもぜんぶ
感じた瞬間の前後があって
重畳的なものを経て
感じる大きさも違う

何がニセモノで
何がホンモノで
私はニセモノなのか
それともホンモノなのか

大事なのはそこじゃないような気がする

見えないものをも見ようとすること
分からないことをどこまで追っても
分からないことを前提に
それでも分かりたいと思うこと
分かろうとすることの方が
意味があって、大切なことなんじゃないか
私はそう思っているなあ

私がそれを出来ているかは
分からないし
私はそれを出来ていないような
気がするから
何だかいつも哀しいし
自分のことが嫌になって
自分のことを破壊しようとする
細胞みたいなものが出て
それでも抗おうとするし
せめて自分くらいは自分の理解者に
ならないといけないような気もする

そんなにあれこれ
ホンモノとかニセモノとか
選別しなくてもいいと思うんだ

じゃないと私は私のことも
周りのこともぜんぶがぜんぶ
異分子に見えてしまって
何を見ても苦しくなって
いちばんの平穏はこれか、と
こたえを差し出してしまいそうだよ


哀し蒼/あいしあお、を読み返して感じた
あとがき、のようなもの

たんなるにっき(その33)

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