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OZ.

チョウトンボが追い抜いてゆく
誘われるように歩みを止めずにいると
目の前の雲は夏の濃さを残して過ぎてゆく
ドロシーは今頃家に帰り着いたろうか
まあるいかたちして土を焼き
かわいた土埃となって地球を円に
クルーネックシャツがゆっくりと滲む
木陰の猫は夢から出たくないから
気づかないふりをする
演じたまま見つめて目の裏を観る
『またあした』と訳なく言えると
かえって少しだけ寂しくなる
おんなじ19時が今日はよる
何度も何度でもがアナザーデイ
それがみらい

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