教則レビュー ダースならまずこれを見ろ!「杉本孝 ダースチョークアタック」(全文無料)
今日も今日とて柔術は楽しい。今日は教則レビュー。
1.選手の紹介
まず最初に杉本先生の紹介。これを読む方はご存知の方も多いと思いますが改めて。
33歳から柔術をはじめて黒帯になり42歳で脱サラして柔術のジムをオープンするというユニークな経歴。大会でも多数の結果を残し道着のみならずグラップリングでも活躍されておりプロ興業にも多数参加。柔らかい体による鉄壁のガードワーク、ラペラガード、三角絞め、足関、などをはじめとしたた多彩なテクニックを持つ。
個人のラジオ配信アプリstandfmも人気で多くのファンがいる。あらゆる投稿者の悩みを片っ端から回答している。
2.内容紹介 (フローチャート)
ダースチョークの基本の極め方、ディフェンスの仕方、多数のエントリーを学べます。まさに、ダースチョークのスターターキットです。YouTubeもいいですが、体系的にまとまっていません。ダースチョークの基本を一通り学ぶにはこの教則がオススメです。
1チャプター3分前後で合計約20分とコンパクトにまとまっていて見やすい。「教則動画を買ったはいいけど長くて途中で挫折してしまった」という方にもありがたいです。
そして説明が簡潔で分かりやすいです。大事なポイントはしっかり伝えつつ冗長にはならない。説明中ほとんど噛んでなくて流暢。
字幕がありがたいです。みやすい。音声が出せない電車やカフェでも見れます。字幕の編集、大変だっただろうなあ。。。杉本先生めちゃくちゃ忙しいのに。
あと安いです。2500円。(記事の最後のクーポン使うと2000円!)初心者にも手が出しやすい金額です。ありがたい。
「YouTubeで見たらいろんなテクがタダやん」という意見もあるのですが、質の良い情報を得るためにお金を払うのは個人的にとてもコスパが良いと思います。強い人で必要以上にケチな人はいません。ここではあまり深掘りしませんが、有料の教則の方が全体的に質が高いのとパッケージとしてまとまっているので体系的に技術を理解することができます。
3.本教則のダースチョークのコンセプト・哲学
自分が読んで感じたコンセプト・哲学はこちら。
「パワーでなく形で取るサブミッション」
本教則を見るまでダースチョークは形は知っていたものの、自分の柔術に取り入れてこなかったです。なんとなく難しそうなのと、「腕力・パワーでとる技」というイメージがあったからです。でも本教則を見てそのイメージが変わりました。
チャプター1で説明しているダースの極め方のディティールが本当に勉強になります。それは腕力で強引に絞め上げるものではなく、自分の体重を使って効率よく絞めるものでした。逆をいえばしっかり形を作らなければパワーがあっても極まりません。
これを意識したところ打ち込みでも実際のスパーでもそんなにパワーを使うことなくタップをとることができました。(もちろん多少は力も使いますが)
4.ダースチョークのメリット
4-1 サブミッションとして強力
ノーギでもMMAでも決まり手としてよく名前が上がります。道着でも少ないですが有効です。形を作れば腕力に頼らずとも体重でプレッシャーをかけてフィニッシュできる強力な技です。
4-2 抑え込み、相手のスタミナを削る手段として有効
サイドでずっと固まっているとストーリングの反則を取られてしまいます。しかしダースはサブミッションなのでずっと同じ形でも基本的に反則を取られません。
そしてただのサイドコントロールよりもプレッシャーがきついので相手のスタミナを奪うことができます。こちらは形を作って体重をかけているだけで相手は必死に耐えてる状況なのでとても効率がいいです。
4-3 いろんな状況で使える、エントリーしやすい、自分の柔術に取り入れやすい
本教則でもたくさん紹介していますが、トップからだと、サイド、ハーフ、レッグピン、下からだとアームドラッグ、ほかにはガブリからも狙えます。いろんな状況からフィニッシュを狙えるのは大きな利点です。相手に警戒させる技が一個増えるだけで有利に試合を進められます。
特異的な場面でしか使わない技だと、自分の柔術スタイルに取り入れるのは難しいですが、ダースはあらゆる場面から狙えるので自分の柔術に取り入れやすいです。だれでもその日の練習で一回はハーフやサイドやガブリの場面はなるでしょう。
(例えばベリンボロはダブルガードの形を作ったところからスタートすることが多いです。そもそも、ダブルガードを作るのが難しいため、ベリンボロを自分の柔術にすぐ取り入れるのは難しいです。ベリンボロがダメってわけではなくていい技なんですよ、でもすぐ取り入れるのは難しいです)
4-4 パスとの併用
ダースチョークのプレッシャーがあると相手の手のフレームが弱まったり、背中をマットにつけさせやすくなります。パスとダースチョークを組み合わせて使いたいですね。フロントチョークもパスと合わせて使えますが、フロントは失敗するとポジションを失ってしまうリスクがあります。
4-5 ポジションを失わない
ポジションを失わないトップからのサブミッションは試合を有利に進められます。先に書いた「4-2 抑え込み」「4-4 トップからのパス」と内容が重複しますが、ダースはトップポジションのまま極められるのでリスクが低く試合を支配(ゲームコントロール)できます。MMA選手にとってもこれは大きな利点だと思います。
三角絞めや腕十字やフロントチョークは失敗すると自分が下になってポジションを失って逆襲を受ける可能性があります(トップのまま極める形もありますが)。
ちなみに肩固めなども同様の利点がありますね。
向いている人・オススメの人・有効な相手
・腕が長い人は向いています。
・ノーギをやる人には特に有効です(後述)
・ポイントゲームよりフィニッシュを狙いたい人、極めが強い人
・トップからのサブミッションのバリエーションを増やしたい、サイドからの攻め手に欠けると感じている人
・ハーフのトップや下からの飛び道具的な技を一つ欲しい人
・積極的に動いてくる相手に有効
→タックルをアグレッシブに仕掛けてくる相手に対して、ガブリからこれを狙えます
→固まってくる相手よりも、サイドやハーフで横を向いて動いてくる相手には入りやすいです。
5.ダースチョークの考察 ノーギでしか使えないのか?
道着アリの試合でダースチョークが極まっているのをみるのは少ないです。確かにノーギの方が取りやすいです。
ノーギの方がダースが取りやすい理由
①道着がないので極めやすい
フロントチョーク、肩固め、アナコンダチョークなどもそうですが、道着があるとすき間ができやすい、袖を引っ張られて深く手を入れづらい、といった理由で極めづらくなります。自分は普段道着メインで練習しているのでたまにノーギでフロントや肩固めをやるとめちゃくちゃやりやすいです。ダースでもそれは同様です。
②タックル→ガブリの攻防、ハーフの攻防、アームドラッグの攻防が多い
片袖片襟やスパイダーやラッソやラペラなどのガードがないため、ノーギはハーフガードの攻防が多いです。また、タックルも道着よりも使う機会が多いです。足関を警戒して正座ベースを取る人が多いためバタフライガードになることも道着より多く、そこからのアームドラッグもやる機会が増えます。
全体的に道着の攻防よりもダースを狙える場面が多いと感じます。
では道着でのダースは使えないのか?
そんなことはないです。その理由を上げていきます。
①道着だと使い手が少なく、警戒されていないので入りやすい
ダースチョークに限らず、他の人があまりやっていない技はブルーオーシャン的なカンジで有効です。警戒されていないので入りやすいしディフェンスを知らないことも多いです。白青レベルだと特にそうだと思います。
②しっかりセットアップすれば道着アリでも有効
腕をしっかり入れるまでは道着はやりづらいですが、入ってしまえば道着の摩擦があるので逆に逃げづらいように感じました。形に入ってしまえばそこからは自分の体重を使ってじっくりフィニッシュできるので道着でもタップが取れます。
特に「6.サイドポジションからのダースチョーク」は道着でもめちゃくちゃ使えます。
6.相性のいいテクニック・合わせて覚えたい技
・アナコンダチョーク
ボーナストラックにも入っています。ダースチョークの親戚のような技です。アナコンダからダースへの切り替えもできます。ダースとセットで覚えたいですね。
・ハーフガードパス
前述の「4-4 パスとの併用」の通り。
・クロスカラー(対角の襟)からの絞め
→教則では紹介されてないですが、首に巻いた手で自分の二頭筋をつかんでダースに行くのもいいですが、首に巻いた手で襟を取るとそこから突っ込み絞めや十字絞めを狙えます。腕を流したコムロックみたいな形ですがこれがけっこう強力です。
7.使ってみた感想
・何度も書いてますが、腕力に頼らずタップが取れるようになりました。本教則のディティールは必見です。
・こちらも何度も書いてますが、抑え込みやスタミナを削る手段として使いやすいです。
ダースの形で体重を使うと全然こちらの握力やスタミナを消費しないのでラクです。相手がだんだん疲れてきたところで仕留めるようにすると省エネ一本が取れます。
・脇が固い相手に対するアタックとして便利です。サイドで相手の脇が固い時、腕十字やマウントテイクが取れなくても首が空いていてダースを狙えます。
8.テクニック解説
01.ダースチョークの基本の極め方
これだけで買う価値アリ。このディティールを意識してしっかりと形を作ればだれでもダースチョークを取れるようになると思います。(キッズと大人レベルの体格差がなければ)このチャプターは何回も見直しました。
2.ダースチョークされた時の対応
意外と知らないディフェンス。勢いで解除してる人が多いと思うのでしっかり言語化されてるのは勉強になります。また、ディフェンスを知れば、自分がアタックするときに相手にやらせたくないことが分かるので結果的にダースの極め力も上がります。
3.アームドラッグからのダースチョーク
下からのダースチョーク。「下から極める時は腕力を使うもの」と思ってましたがそうではなかったです。下からのダースでも相手の体重をかけさせることで効率的にプレッシャーをかけられます。
4.ハーフガードされた状態からのダースチョーク
相手の手のフレームの外し方と体の角度が参考になります。強引に手を突っ込んでもなかなか取れなかったのですが、これを使うといい形になりました。
5.レッグピンパスからのダースチョーク
ルオトロ兄弟が得意なレッグピン。これは初見殺しの必殺技というか、まず警戒してない技だと思うので道場で試したいですね。対角のリストコントロールが参考になります。
6.サイドポジションからのダースチョーク
個人的に一番好きな技です。相手の腕を流すディティールが分かりやすくてスパーでめちゃくちゃ使っています。これを狙うと相手の脇が甘くなるのでそうなったら脇差しから腕十字やキムラロックに切り替えたりもできます。
7.ボーナストラック アナコンダチョーク
ダースの親戚的な。ガブリからのアタックはダースとアナコンダセットで覚えたいです。腕を内に絞る手の使い方が勉強になります。
9.まとめ
だいぶ長くなってしまいました。。。教則の解説というよりもダースチョークの魅力をひたすら語る記事みたいになってしまいましたが、ダースチョークをこれから学びたい人にとってこの教則は本当におすすめなのでぜひ!
最後に 杉本先生のコメント
コメントいただけました!ありがとうございます!
「グラップリングにチャレンジしていきたい方はヒールフックやフットロック等足関節はもちろん、ギロチンやダースチョーク等上半身(首)へのサブミッションは必須だと思います。 その中でダースチョークはギロチンに比べると馴染みが無いかもしれません。ここ最近だとクレベル選手がRIZINで一本勝ちしたのを観た方もいるかもしれません。 トップ、ボトム様々なポジションからアタック出来る万能なサブミッションです。 私の教則動画は2〜3分を目安に字幕もついており初心者の方にも気軽に観てもらえるように制作致しました。 グラップリングだけでなく柔術でも勿論極めきる事が出来ます。是非所属ジムで極めまくって下さい」
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