トップのベース9種まとめ
今日も今日とて柔術は楽しい。今日はベースの話。パスやスイープやサブミッションのまとめや一覧はけっこう見ますが以外とベースのまとめは少ないので書いてみました。点数はアンディ基準ですので異論はあるかと思いますがご容赦を。。。
スタンドベース(立ちベース)1〜4
・足揃ってる立ちベース
→足取られるし後ろにも前にもあおられやすい。
・足前後の立ちベース
→機動力があるが、組手争いにやや両手を使いづらい
・上体が上がっている
→機動力が高くステップできるが組手争いできない、足を触られる
・上体が下がっている
→組手がとれる。腰が引けてステップ踏めず機動力が落ちるが、足に触られにくい
1.スタンドベース(足前後、上体高い)
☆☆☆
蹴り上げを警戒するMMAの人が多いベース。ステップが踏める。全ベースの中で最も機動力が高い。組手を作らないので相手を固定できずこれだけでパスをするのは難しい。ノーギだとバンバン左右にステップ踏めるが、ギだとどこかでギ持たれてつかまってしまうことが多い。戦略としてはこのベースで左右にステップしたり、ノースサウスに回ったりして相手にリテンションさせて疲れさせる、そのままパスできたらする。できなくとも角度のついた状況からいい組手を取って別のパスへ行く(ルースパス)
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柔術教則レビュー「ルースパスシステム」 岩本健汰|柔術哲学(アンディ) (note.com)
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2.スタンドベース(足前後、上体低い)
☆☆☆☆☆
スタンドベースならこの形がベストだと思う。前足と前手の肘と膝をくっつけるのが大事。その手で相手の順襟を取れると強い。機動力があって、防御もできるし攻撃もできる。足を触られてデラヒーバやリバデラに入られるが、肘と膝くっつけて重心落としておけば大丈夫。前足のスネと前手の釣り手でプレッシャーをかけながら、クロスニー、スマッシュ、片足かつぎ、ロングステップ、など多彩なパスが狙える。
ややフィジカルを求められる部分がある。背筋と瞬発力があった方が向いてる
3.スタンドベース(足そろう、上体高い)
☆
はっきり言ってクソベース。両足に触られるし、組手もできないし、ディフェンスもオフェンスもできない。やられるがまま。
スパイダーを解除するときやクローズドの解除で立つときに一時的にこの体勢になることはあるかも
4.スタンドベース(足そろう、上体低い)
☆☆
白帯がやりがち。上体低いのでやや機動力が落ちる、足は触られにくい。組手は両手を使えるが足を組手に使えない。腰が引けてて前に煽られやすく三角やオモなどに入られやすい。足を前後にするスタンドベースほどの機動力もなく、そんきょベースほどの安定感と組手の強さもない中途半端なガード。
足を触られないベースなのでトレアナ特化型のベースとして使うならあり。このベースで両足をグリップできていれば足に触れさせずにトレアナで一気にパスできる。(トレアナは足を触られるとできない)、相手より先に足をしっかり持てたら有効なベースになる。また、相手が寝ていてどこもグリップしていない猪木アリ状態でも有効(先に足をとれることが多いので)
シッティングからちゃんと組手争いをしてくる相手には厳しい。手2本対手足4本の組手争いをしないといけないので組手争いに負けていいガードを作られることが多い。
別のベースでガード解除してから両足もってこのベースを取るか、いきなり両足をとるか、といった感じでトレアナにつなげていく。
5.蹲踞ベース
☆☆☆☆☆
個人的に一番好き。防御力に優れている。重心が低く、デラフックやリバデラフックもスパイダーも入りづらい。相手との間に膝が入っているのでそれを使って、防御もできるし、いい組手を作ってアタックにも行ける。膝を組手争いに参加させられる。スタンドベースほど早くアタックにはいけないが、組手争いに強いのでいい形を作ってからアタックできる。
座りベースと立ちベースの中間。座りベースの長所(重心の低さと安定感と相手との間に足があるので防御力高い)と立ちベースの長所(機動力)のいいとこどり。
フィジカルもそこまで必要ない。股関節と膝が固かったり、そんきょの姿勢をとるのがつらい人は難しいかも。慣れてないと左右前後のあおりに弱く疲れやすい。相手の体でバランスを取れるようになるとバランスがよくなってスタミナ消費も少ない。
前提として相手が引くプルガード(片袖片襟やスパイダーなど)をしている状態で使う、相手がノーグリップであったらこれを使う必要はない。そのまま足を持って走ればいい。
蹲踞ベースの詳細はこちら。この教則はマジでおすすめ、
柔術教則レビュー「橋本知之 蹲踞(そんきょ)ベースシステム」|柔術哲学(アンディ) (note.com)
座りベース6〜9
・基本的に座る形はよくない。一時的にバランスをとったり、相手のアタックを止めたり、グリップカットしたりするときに使用することもあるが、解除できたらすぐに立つのが基本。スタミナの消費が少ない。
6.立膝(正座)ベース
☆
マスター世代白帯が一番やりがちなベース。個人的にはこのベースを取ったら負けだと思っている。相手との間に足がないのでクローズドに入れられる、機動力はない、組手争いに足も使えないのでいいガード作られる、前のあおりに弱い、サブミッションもスイープも狙われる。
あまりメリットは少ないが重量級や背筋と腕力がある人が三角のカウンターかつぎを狙うならアリ。あとハーフまでいけたらこのベースは有効。足を抜かせたりもぐられるのを防げる。
7.片膝立ち(コンバット)ベース
☆☆☆
ディフェンシブなガードとして悪くない。立てた膝が堤防(ブロック)になってサブミッションをブロックできる。膝でクローズドにも入りづらい。デメリットは機動力が低く、横の崩しに弱い。襟を簡単にとらせないこと、デラフックされないように尻とかかとくっつけること、脇を閉めること、後ろ重心になること、あたりが大事。攻め方としては、組手争いをしていいところを持てたら立つか、膝で内から足を割っていく(クロス二ーでも正面の足でもどちらでも)
8.肘をつく四つん這いベース
☆☆☆
超ディフェンシブだが、ノーグリップの状態から攻める時にこれを取るのは意外と悪くない。これだけではパスはできないが、足を取るまでのベースとしてはアリ。相手は襟も足も取れないし、レッスルアップもできない。アームドラッグも肘がマットついてるのでできない。立ってバックに回ってくるのは警戒しないといけないが、座ってる相手が立つよりもこちらが四つん這いから立つ方が早い。
組み手としてはこちらも襟は取れないので、とにかく相手の足を取る。こちらの手の位置が低いので相手も手でこちらの手をブロックするのが大変。足取ったら立ってトレアナなどに切り替える。これだけでは攻め手にならないが足を持つまでのベースとしては悪くない。
9.体育座りべース
☆☆
三角などのサブミッションのディフェンスやガッツリ入られたラッソやスパイダーの解除の時に一時的に使うことはある。解除したらすぐ立つのが基本。このベースは相手が立ったらそれでスイープ成立なのでトップのベースとしてあまり有効ではない。
足関やベリンボロに自信があって「上下が別れたダブルガードの形のトップ側」でこのベースをとって攻めるのは100%ナシとは言わないがこれは、「相手は立ったら2P、こちらは立ってもノーポイントの不利な形」なので積極的に作る形ではない。「試合時間残り少なくてなんとか展開を作らないといけない場面でパスがどうしてもできない」のようなシーンならやることもあるかも。
まとめ
満点のベースは存在しません。機動力が高くなれば安定感は落ちて、安定感が高くなれば機動力が落ちます。それぞれのベースの特徴を理解して自分に合うものをメインに使いつつ、シチュエーションによってベストのベースを使い分けていくと強いトップができると思います。
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