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固定概念を外すススメ

ハリウッド俳優が実在の人を演じるときに、演技以前に容姿を似せることについて書いた。そして、日本の俳優のほとんどは容姿を似せることをしないことも書いた。

僕はそれを日本の俳優の傲慢だと思っている。実在の人を演じるにあたって、その人に似せることは必要最低限のことで、その上に演技があると思うからだ。それをせずに演技力だけでカバーしようとするのは、演技に対して努力を怠っていると思う。

そのことについて、想定通りの反論をもらった。容姿を似せなくても、その人を表現するのが演技力だと。

まさにこれこそ固定概念だ。ハリウッド俳優が日本の俳優より演技力がないのだろうか。彼らが日本の俳優より演技について不真面目なのだろうか。

それは違うだろう。ハリウッド俳優が日本の俳優より演技力が上だとは言わないが、知名度、収入、影響力、あらゆる面でハリウッド俳優が日本の俳優を凌駕していることは否定できない。

そんな彼らでさえ、容姿を似せることに注意を払うということを言いたかったわけで、容姿は似てなくても本人のように思わせるのが本物の演技力だなんて傲慢だし、それこそが日本の演劇界の固定概念だと思う。

こういう固定概念を嫌ったのが、画家の岡本太郎だ。絵画とはこうあるべきだという日本の固定概念を嫌って、世界に出て行った。日本に戻ってからもそういう固定概念に抵抗し続けた。

固定概念は人間の幅を狭める。ましてやクリエイターは固定概念を恥じなくてはいけない。



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