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イラつきで苦悩し続けた男のアンガーマネジメント

「仕事中にイライラしないようにするにはどうしたらいいだろうか?」
と、同僚に突然聞かれた。
彼の話では、仕事で不公平感を感じるとイライラしてしまい、イラつきを外に出してしまうようだ。

考えた末に、こう答えた。
「まずはイライラしている自分にすぐに気づくことからでは?」


チームワークが求められる=不公平感

宿泊業をはじめとするサービス業。
責任の所在が明確な、一人で完結するお仕事とは勝手が違う。
チームワークが求められる仕事は特に、不公平感がでやすいかもしれない。

予約段階での不手際でご立腹のお客様から当たられてしまったり。
(僕のせいじゃないのにぃーー!)
客室清掃の際、人数の多いお部屋で大変なお部屋の担当になったり。
(これ、時間内におわんないよ!誰もヘルプしてくれないの!?)

「なんで僕だけが…」
と後ろ向きな考えが、ぐるぐるぐるぐる頭の中を渦巻く。
ひどい時はイライラが募り、
「自分だけ辛い仕事に当てられているじゃないか!」
なんて被害妄想になることも…

そんな経験は何度かある。
彼のいうことはとても共感できた。


妻にイラついてしまうことに自己嫌悪していた

怒り。
まるで嵐のようだ。
急にやってきて、あたり一面をめちゃくちゃにして去っていく。
嵐が去った後、荒れ果てた光景に茫然自失と立ち尽くす。

僕は妻との間で何度も同じ嵐に見舞われた。
自分の思い通りにことが進まないとき、
「なんで!?」
と怒りをあらわにしてしまう。

ただ、間違えただけだ。
冷静になれば、そこに理由なんてないのだ。
しかも、恥ずかしいことに普段、自分も同じようなことをしている。
(冷静になってから気づく…)
でも、嵐がきた瞬間はそんな理性はどこか遠くに吹き飛んでしまっている。

妻に嫌な思いをたくさんさせてきた。
妻の心の奥底からは
『もう限界だ』
と悲鳴が上がっていた。
(このままではまずい)
どんな犠牲を払ってでも解決したいと思った僕は、瞑想を始めた。

瞑想に出会ってから17年経った。
日課として根付いていくとともに、嵐がいつの間にか強風へと変わっていくのが分かった。
もちろんまだ強風に持ってかれてしまうことはある。
けれども、次第に強風もそよ風へと変わっていくだろう。
そんな手応えを僕は感じている。


瞑想から学んだイライラしないコツ

瞑想で学んだことを言語で説明するのはとっても難しい。
しかし、誤解を恐れずに一言で説明するならば、

反応しない

これに尽きる。

思い通りにいかない時。
不公平感を感じた時。
人からの悪意を感じた時。
どんな時でも反応しない。

嵐が来たら、嵐を感じる。
嵐に吹き飛ばされて、大切な何かを失うかもしれない。
そんな不安も一旦脇においておいて、嵐をただただ感じてみる。
嵐は僕らにコントロールできない。
だから、ただじっと嵐が去るのを待つ。

それができれば苦労しないよ、と言われればそれまでかもしれない。
でも、これが全ての本質であると僕は17年間の修行で学んだ。

特定の期間、10日間指導を受ける瞑想修行のコース。
過去に5度経験してきた。
朝から晩まで反応しない訓練を行う。

ただ座り続ける。
すると、足や膝が痛くなる。
背中がとっても痒くなる。
しかし、そこに反応しない。

痛いと反応するのではなく、痛みがある。
痒いと反応するのではなく、痒みがある。
そう気づき、ただ観察し続ける。

すると、いつしか気づくことになる。
感覚はいずれ消えていくことに。
不思議なものだ。
足がもぎれるほどの痛みも、数分したら全くなくなっていく。

物事は全て移り変わっていく=永遠なものなどない

これを頭で理解するのではなく、身体で理解し、肚に落とす。
そんな修行だった。

だから、反応しないことが被害を最小限に抑える1番の対処法だと理解した。


反応しないために今からできること

さて、話を最初に戻そう。

イライラしてしまうことを悩んでいたら、まず最初にイライラしている自分になるべく早く気づくのが大切だということ。

僕らが天に向かって、
「嵐よ、来ないでおくれ!」
と願ったところで嵐は問答無用にやってくる。
イライラをなくすことはとても難しい。
だからこそ、嵐がやってきたときは、すぐさま気づく。

その1番の練習は瞑想をお勧めしたいところだが、しっかりとした訓練が必要なのでなかなか難しい。
まず誰でもすぐに取り組めそうなのは、自分との会話を心がけることだ。

今、自分が何を感じているのか、何を思っているのか、をアウトプットする。
一般的には書くのがいいと言われる。
私は毎日、ジャーナリングという手法で自分の思いをノートに書きなぐっている。
ただただアウトプットするだけなのに、
「自分ってこんなこと思っているんだ!」
と新鮮な発見があるのは興味深い。

書くのが難しければ、心の中で呟けばいい。

「あ、今、嫌な気持ちになった。」
「これ、楽しいな。」
「とってもおいしい、幸せだ。」
みたいに、自分の感覚や感情を。
一人の時なら、言葉に出してみよう。

前にも書いたことだけど、食事がおすすめ。
食事の時はスマホやテレビを一旦脇に置いておく。
今何を食べていて、
舌ではどんな感触があって、
自分がどう感じているのか、
実況中継してみよう。
今まで以上に食事のありがたみを感じて、幸福感がアップする。

このように自分とのコミュニケーションを取ろうとすると、自分とうまく付き合えるようになる。

とてつもない嵐が来たとしても、
「あ、イライラしてる!めちゃくちゃムカつく。
なんで俺だけが…ってそんなふうに思っているんだね。
でもこの思いもいずれ消えるんだよな。
だからとりあえず、その思いをただただ感じていよう。
数分すれば気にならなくなるさ。」

嵐を感じている自分と協力し合いながら、なんとか嵐をやり過ごす回数が少しづつ増えていくことだろう。

以上、普段とは違うテーマで綴ってみました。
これは、イラつきで心の底から苦悩し、10年以上もがいてきた僕のアンガーマネジメント。

参考になれば幸いです。






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