日経WOMAN

「日経WOMAN」が好きである。20代の頃から年に数回買って読んでいる。私は「上昇志向のバリキャリ」ではなく、「賢く両立のワーママ」でもなく、「丁寧な暮らしを満喫するシングル」でもない。どれでもない地方在住の30代独身会社員女性だ。この年末年始、人生に絶望した。しかし生きていくことをやめるわけにもいかず、とりあえず出勤しお土産のお菓子を配り、帰りに本屋に寄った。まぁ本屋に寄れている時点でもうある程度回復しているのだが、それでも目に入る本や雑誌の多くが私を拒絶していて参った。でも「日経WOMAN」は大丈夫なことに気づいた。「日経WOMAN」は絶対に私を拒絶しないと確信できた。「日経WOMAN」は貯蓄のある人、ない人、結婚している人、していない人、元気な人、そうでない人、おしゃれな人、そうでない人、孤独な人、そうでない人、そのいずれをも拒絶しない。「日経WOMAN」創刊の理念はあずかり知らないが、おそらく紙面制作の軸として、現代社会を生きる女性を我々は絶対に傷つけまい、伴走者たれ、というマインドが根付いているのではないだろうか。もしこの文章を「日経WOMAN」の編集部の方がご覧になっていたらこれが正解かどうかこっそり教えていただきたい。帰宅してからパラパラとページをめくった。今のところ私は大丈夫である。

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