メイク・イット・ベラー
当たり前なのだが、衝撃的な瞬間というものはいつも突然訪れる。そして、その時の自分が無防備かつ無知であればある程、その衝撃は鮮明に記憶されるものである。
僕は12歳の頃初めてビートルズを聴いた時の衝撃が忘れられない。古い音楽だとは何となく知っていたものの、当時の自分にとっては他のどんな音楽よりも新しくかっこよかった。(しかもそんな音楽が僕の生まれる30年以上も前から存在していたなんて!) 特に "Lady Madonna" がお気に入りで毎朝聴いてから登校していた。
そうして段々とビートルズの音楽を深掘りするようになり、何気なく"Hey Jude" を聴いている時だった。
Hey Jude, don't make it bad. Take a sad song and make it better...
文面じゃ分からないが、ポール・マッカートニーがこの歌詞のbetterの部分をベラーと歌っているのに気が付いた。なぜベターでは無くベラーなのか。(学校の英語の先生だってベターって発音していたのに) 調べても答えに辿り付かず、毎日気になって仕方なかった。けれど、答えを探すよりも当時の僕は割り切ってこう思った。
何故だか理由は分からないが、ベラーって言ってる方がなんかカッコいいじゃないか!
そんな単純な理由から僕はビートルズの真似をして英語を覚えた。"We can work it out" からはrの発音を学び "Yellow Submarine" からは5W1Hを学び "Love me do" からはdoの使い方を学び "Eight days a week" からは恋愛観を学び、"Help" からは歳を取る事を学び、"Something" からは失恋を学び、"All you need is love" からは... (段々話が逸れていってる...)
つまり僕はビートルズから英語を学び、留学なんて行かずして発音のプロフェッショナルとなった。そして、英語はただの入り口であって僕はビートルズから人生を学んだってことで、"Hey Jude" が俺の人生をMake it betterするきっかけってなわけだ。そういう突然訪れるきっかけを自ら爆発させれば冒険は始まる。
何でもそうだが、本当に大事な事は税金で暮らしている公務員なんかから何一つ学べない。僕は身体ひとつで地を這ってシャウトしながら生きてきたロックスターから生き方を学んだ。
The Beatles、Pink Floyd、The Doors、The Who、Oasis、Queen、The Kinks、Elvis Presley...
生き様を物語る様々なサウンドが僕の魂を揺さぶり未来へと突き動かす。
さあ、冒険しよう。まずはミシシッピー川を下るところから。
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