5分で学ぶバンクシー -前編-
今や日本でも圧倒的な知名度を誇るようになったとはいえ、いまだに謎に包まれたバンクシー。このシリーズでは2回にわたってバンクシーを徹底的に解説いたします!
バンクシーとはざっくりいうと、、?
バンクシーはイギリス出身で匿名で活動するアーティスト。2018年にオークションでの落札直後に作品がシュレッダー裁断されるという事件で話題をさらいました。
画像引用元:https://www.forbes.com/?sh=4c4ddbf2254c
2019年に東京都港区の防潮堤にバンクシーの作品と思われるネズミの絵が発見され、騒動になったのも記憶に新しいのではないでしょうか?2020年からは、アーティスト本人未公認ではありますが、横浜や大阪、東京、名古屋、福岡など主要都市で大規模なバンクシー展「天才か反逆者か」が開催されています。
政治的メッセージを含む作品が多く、世界各地にゲリラ的に出没して作品を残しているバンクシー。高額で売買される現代アートの世界には一貫して批判的な態度を取っているものの、皮肉なことに近年バンクシーの作品価格は急騰しています。
どんな作品を作っている?
バンクシーがこれまで最も多く描いたグラフィティのモチーフとして有名なのが、「ネズミ」。
2019年1月、東京都港区の日の出駅付近の防潮堤で見つかり、小池都知事がTwitterで投稿して話題になったのもネズミが傘をさしている作品です。
バンクシーは1999年頃にイギリスのブリストルからロンドンに拠点を移し、この頃からネズミの作品を街中に大量に残しています。ネズミは都市から排斥された人々(ホームレスや移民、難民など)を象徴しているといわれ、また人目を忍んで夜の街でグラフィティを描くバンクシー自身でもあるとされています。
これらを描く際に使われているのは「ステンシル」という手法です。段ボールなどを切り抜いた型紙をあらかじめ準備し、描きたい場所に持って行って上からスプレー缶で絵の具を吹きかけるという方法で、短時間で描けるのが特徴です。当初はスプレー缶でその場で描いていましたが、描くのに時間がかかり警察に捕まるのを避けるために「ステンシル」を使うようになったとされます。
バンクシーはステンシルを使うようになったきっかけとして、こんな言葉を残しています。
"18歳のとき、僕は一晩かけて列車の側面に銀色のでかいバブル文字で「LATE AGAIN」とペイントしようとしていた。そこに鉄道警察が現れたので、僕は茂みの棘で傷だらけになりながら逃げた。(中略)線路にいる警官の声に聞き耳をたてながら思ったんだー描く時間を半分にするか、全部諦めるか、どちらかにしないと。燃料タンクの底につけられたステンシルで描かれたプレートをじっと眺めているときだった。この方法をパクったら、文字の高さを90センチにできると気づいたんだ。"
—―Wall and Piece、バンクシー、パルコ、2012年
バンクシーとは何者?
バンクシーは匿名を通していますが、正体については諸説あり、イギリス・ブリストル出身のロビン・カニンガムとの説が現時点では有力とされています。第二の候補としては、やはりブリストル出身の人気バンド、マッシヴ・アタックのメンバー、ロバート・デル・ナジャ(通称3D)であるというものです。実際3Dはグラフィティ活動をしていたこともあり、バンクシーとマッシヴ・アタックの政治的な立場も近いとされます。このようにバンクシーの素顔について憶測が飛び交うものの、近年はバンクシーは取材を制限しており、正体については依然として不明です。
そんななかバンクシーの素顔に迫った一人の写真家・現代アーティストがいます。スコットランド出身のJames Pfaffです。Jamesは2000年代前半にロンドンでバンクシーと出会い、スナップ写真的な作品から正式なポートレートまで撮り続けました。
バンクシーと親交を持ち、ポートレート写真を撮り続けている
スコットランド出身アーティスト James Pfaff
匿名を貫くバンクシーに極限まで近づいた、衝撃的な写真作品です。
その他にもJamesによるバンクシーの写真作品6作品のうち3作品を、明日12:00よりアート作品のセレクトストア「YOUANDART」で販売開始いたします!
お見逃しなく!
なぜバンクシーはここまで匿名を通し続けているのでしょうか?
その理由の1つは、グラフィティという行為は多くの国で犯罪、あるいは非合法と考えられているからです。公共物に何かを描くことは禁止されていますが、そもそも都市景観などの公共物は誰のものか、という問題提起もあるでしょう。既存の芸術(作者が明確で、美術館に展示され、ギャラリーで売買される)に対抗し、誰もが描き鑑賞することができるように、アートを広く開放するという意味合いもあるとされています。
"チーム・バンクシー"の存在
バンクシーは当初は1人でグラフィティ活動を行なっていたが、プロジェクトの大型化に伴い、「チーム・バンクシー」とも呼ぶべき複数のスタッフが関わっているとされています。最初に重要な役割を果たしたのはスティーヴ・ラザリデス。1997年頃から共に行動し、広報からマネジメントまで幅広く引き受けていたとされます。2003年には共同でPOW(Pictures on Walls)という会社を設立し、バンクシーのシルクスクリーン作品を販売していました。しかし2007年には2人の協力関係は終了し、以後はホリー・クッシングという女性がバンクシーのマネージャーを担当しているとされます。
作品制作は基本的にはバンクシー1人で行なっているといわれています。例外は立体造形物を作るときで、例えばチャーリー・ベッカー(ファッション雑誌からナイキまで様々な領域で活躍するデザイナー)は協力者として名を連ねています。
真贋鑑定機関「ペストコントロール」
バンクシーは2008年に自身の作品の販売や真贋鑑定を行い、かつ外部からの様々な問い合わせに応じる機関「ペストコントロール」を設立しました。
知名度が高まってきた2005年頃から贋作販売が横行したため、罪のないコレクターが騙されて高額な偽物をつかませられないように設立したとされています。ちなみに”ペストコントロール”は英語で、害獣を駆除する組織という意味を指します。
いかがでしたでしょうか?
「5分で学ぶバンクシー」シリーズ前編では、バンクシーとは誰なのか?ということについて解説致しました。
後編ではバンクシーが世界的に有名になった経緯を解説し、アートマーケットの観点からもバンクシーを紐解いていく予定です!
【Banksy Weeks】開催中!
ANDARTでは【Banksy Weeks】と題した「ANDART」と「YOUANDART」の合同キャンペーンを開催中です。
第1弾
3月6日 正午12:00「YOUANDART」バンクシー関連作品期間限定発売
第2弾
3月7日 (日) 正午12:00「ANDART」オーナー間売買開放・バンクシー《Sale Ends (v.2)》
キャンペーン第2弾では、ANDARTで初めて取り扱ったバンクシー作品である《Sale Ends (v.2)》のオーナー間売買を開放します!バンクシーのアメリカでの人気に火をつけた個展のために制作され、ギャラリーPOWの閉店に際し最後のリリースとなった幻の作品です。
第3弾
3月13日 (土) 正午12:00「YOUANDART」バンクシー関連作品期間限定発売
キャンペーン第3弾では、バンクシーのオフィシャルポートレートとして知られる作品Monkey Mask Session シリーズの作品を販売します。コマ送りの動きとなっている作品《Banksy Monkey Mask Session Enlarged Contact Sheet AP》は作家保存版の貴重なアーティストプルーフとなります。
第4弾
3月14日 (日) 正午12:00「ANDART」オーナー間売買開放・バンクシー《Jack and Jill (Police Kids)》
キャンペーン第4弾では、《Jack and Jill (Police Kids)》のオーナー間売買を開放いたします。こちらはANDARTでの販売開始後7分で売り切れた大人気作品です。鮮やかなスカイブルーから感じられる爽やかさの対局にあるブラックユーモアが効いており、解釈を受け手に委ねるバンクシーらしい風刺作品です。
第5弾
3月20, 21日 (土・日) 「ANDART」ピカソ・バンクシー展示イベント開始日に発表がございます。
内容は当日まで非公開とさせていただきます、、!お楽しみに!
ANDARTとは?
ANDARTのサービスについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧下さい!
ここまで読了いただきありがとうございました!次回もお楽しみに!