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【インタビュー】多くの女性の「悔しさ」を自身も経験。以来、「女性の働くを応援する」が加速。〜ワーク・ライフ・インテグレーションへの道#03〜

こんにちは。新型コロナ発生以前から「職住近接」を実現している「&donutsプロジェクト」の広報担当、松下です。

自粛中、在宅勤務を経験した&donuts。その後、長引くコロナの影響による変化の時代に適応すべく、オフィス勤務をベースとした「メンバーシップ」と在宅などリモートワークをベースとした「ジョブ」の2つのワークスタイルから各自の価値観に応じて期ごとに選択できる制度を8月1日から適用しています。

メンバーのワーク・ライフ・インテグレーションを取り上げるこちらのマガジン記事。今回は、&donutsプロジェクトの人事制度改革やイノベーター・ジャパンの採用業務を担当しながら、&donutsのマネージャー業を見習い中(取材当時)の青木美砂さん(通称:みさちゃん)のストーリーをご紹介します。人事・マネージャー候補としてワークスタイル選択制の導入へのサポートを行った立場から、この制度の意義にも迫ってみたいと思います。


松下:みさちゃんにはこれまで、イベント登壇やメディア取材の中で働き方について話していただきましたが、発言で印象に残っているのが「悔しい思いをした」というものでした。&donutsと出会うまで、どのような「悔しい」経験があったのでしょうか?

結婚・出産後の求職で経験した「悔しさ」

青木:私は元々都内に住み、正社員として働いていたのですが、結婚で退社し、その後住み始めた茅ヶ崎市から、派遣社員として都内に通っていました。その間は、人事部門やマーケティング部門など、多岐にわたる未経験の仕事に挑戦してみました。でも「派遣さん」と呼ばれ、業務が最後まで終わっていなくても時間になると「帰っていいよ」と言われる。物足りなさを感じ、私は、「私でないとできない」と感じられる仕事がしたいのだと気がつきました。

出産を機に、地元で求職活動を始めたのですが、子育て世帯が多い地域であるはずなのに、それまでの経験を活かしながら子育てと両立できる、柔軟性のある仕事の求人がほとんどなかったのです。面接で「子どもがいる」と伝えると露骨に嫌な顔をされたこともあります。

松下:結婚・出産を経て、希望通りの仕事や働き方ができなくなったのですね。結婚前はどんなお仕事をされていたのですか?

青木:旅行会社での、海外出張や駐在のための業務渡航サポートを経て、転職支援会社でキャリアコンサルタントとして転職先を斡旋する仕事をしていました。リーマン・ショックで雇用市場が変化したことから、グループ会社の再就職支援会社に異動となり、早期退職など離職を余儀なくされた方々の再就職を支援する業務に就きました。当時は男性に混じり、若い女性も多く、同性で年代の近い私が彼女たちの対応を担当することが多かったのです。

松下:再就職の支援ですか。難しそうなお仕事ですね。

青木:そうですね。ご本人が前向きに求職する転職支援とは違い、再就職の支援では、まず後ろ向きになってしまったお気持ちをリセットすることから始めなければなりません。「また就職をしよう」という気持ちを取り戻してもらった上で、その方のキャリアの棚卸しなどを行い、これまでと違う業界やお仕事で、どんなことができそうか、一緒に探っていくのです。

松下:女性たちの再就職市場の現場はどのようなものだったのですか?

再就職を目指す女性たちの厳しい現状

青木:比較的、支援に苦戦することが多かったと思います。男性ですと、それほど時間をかけずに再就職先を見つける方もいたのですが、女性の場合、なかなか思うようなところが見つからないことがありました。いわゆるM字カーブ(女性の労働力率を示すカーブ)のカーブが低下する年代である、結婚・出産などのライフステージにある女性たちです。

実際に結婚・出産による家庭や子育てとの両立など、プライベートで制限がある場合が多く、働きたいけれどご自身が踏み出せなかったり、例えば、旦那さんから「今は妊活に集中したら?」と言われるなど、家族の理解が得られないというケースもありました。また、当時は、時短勤務やリモートワークなど働き方の多様化が今ほど浸透もしていませんでした。

大手企業に務めておられた方など、経験、スキル、人物も申し分のない女性ばかりでしたが、プライベートに制限がある中で次に進めず、なかなか思うようなところがない。せっかくチャレンジしたいと本人が思っていても、融通が利く仕事がない。その状況を目の当たりにして、「なんでこんなに優秀な人たちが輝けないのか」と、人材が活用されない社会に悔しさや苛立ちを覚えました。

そんな独身時代の再就職支援の仕事を通して感じた多くの女性たちの悔しさを、結婚・出産をきっかけに自分自身が身を持って経験することになりました。「あの時悩んでいた女性たちと同じだ」と思いました。

松下:結婚・出産後のみさちゃんの理想の働き方はどのようなものでしたか?

理想の働き方が叶った&donutsで次に目指すこと

青木:まず第一は子どもの近くで働くことです。子育てするなら自然の多い場所がいいと思っていましたので、ここ茅ヶ崎で仕事を見つけたかった。一方で、いろいろな仕事を派遣や時短勤務でトライしてみた結果、もう一度、これまでやってきたこと、特にキャリア支援の経験を活かせる仕事をしたい!という思いも強くなっていました。私自身が自分のキャリアを活かして堂々と働く姿を子どもに見せたかったのです。

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▲子どもを連れて来られるオフィス

松下:&donutsでその両方が叶ったということですね。今後、何を目指していきたいですか?

青木:経験を活かしながら、新しいことにも挑戦できるのが&donutsの良いところだと思っています。担当している本社の採用業務や&donutsメンバーのサポートでキャリアコンサルタントの経験を活かしながら、新しいチャレンジとしては、人事制度の側面から、またはマネージャーとして、メンバーの働く環境をより整えていきたいですし、人材育成にも興味があります。

そして、&donutsのような働き方ができる企業が郊外にも増え、社会がより良く変わることを願っています。働くことに関して悩んでいる女性には、私の体験からも、探せばチャンスがあるということを伝えたいです。

松下:&donutsではワークススタイルが選択制になりました。これについてどう評価していますか?

青木:選択肢が広がったことはよかったと思いますが、課題もあります。リモートワークがベースのジョブスタイルの導入によって、全国からの採用が可能になり、&donutsの和に加わる人が増えることでしょう。距離にかかわらず、平等に必要な情報が届くよう環境整備をしていかなければならないと思います。また新しく入ったメンバーがスムーズに組織に馴染めるよう、完全リモートでのOn-boarding体制を整える必要もあります。

メンバーシップスタイルを選択したメンバーを中心としたプロジェクト活動について、このコロナ禍で何ができるのかどう推進していくかも今後、考えていかなければなりません。

松下:最後に、みさちゃん個人の夢や目標を教えてください。

青木:旅行会社で海外業務渡航サポートをしていた時から、誰かの「働くを応援する」が私のキャリアのキーワードだなと感じています。第一線で頑張る人のお手伝いをするのが喜びなんです。女性の悔しさに共感した今は、「女性の働くを応援する」を意識して、前向きに頑張ろうとする女性たちのキャリアのお手伝いを、私の経験を活かしながら様々な形で続けていきたいです。

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▲メンバーとの1on1面談の風景

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みさちゃんのキャリアは一貫して、誰かの「働くを応援する」であり、結婚・出産期の女性の「悔しさ」を自身も経験してからは、「女性の働くを応援する」が加速していったという印象を持ちました。

みんなが、好きな土地で、子育てをしながら働けるように。それは、M字カーブの谷間を作らない社会にすること。

「人材が活用されていない」という社会課題を解決するプラットフォームの1つである&dontusプロジェクトに参加することで、メンバーの「働く」を応援しながら、課題を解決し社会を変える一翼を担っていこうとするみさちゃん。「結婚してママになっても、仕事で自分らしく輝く」のが彼女のワーク・ライフ・インテグレーションではないかなと思いました。

あなたの人生で一貫しているテーマはありますか?ライフステージが変わっても自分の核となるテーマがあれば、みさちゃんが&donutsにたどり着いたように、問題に打ち克つヒントが現れるかもしれません。

次回もお楽しみに…


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