スタートアップ経営者の老後資金づくり
先日、お客様からのご紹介でスタートアップ経営者のFP相談をお受けしました。
僕と同じ30代の方で、ご家族構成は奥さんと2歳の娘さん。
ご相談内容は教育資金と保険についてでしたが、まずは一緒に中長期的なマネープランをイメージしていただきました。
そこで老後資金についての考え方を伺ったところ、
「まだ起業して間もないし、老後のお金がどうとかは考えていません。事業がうまくいけば、ゆくゆくはイグジットして大金が入るかもしれないし。ぐらいに考えてます(笑)」
とのこと。
この考え方、スタートアップ経営者に“あるある”です(笑)
確かに、創業初期には経営者として時間もお金もすべてのリソースをつぎ込んでいるでしょうし、だいぶ先の老後のことなんて考える暇もないし興味もない。という方が多いと思います。
僕も一応経営者(といえるレベルか分かりませんが)なので、お気持ちはよ~く分かります。
それゆえ、こういったケースでは老後資金づくりを強く勧めることはありません。
ただ、老後資金は「誰であっても将来的に必要となるお金」ですから、本当は何らかの形で少しずつでも準備をしておくべきです。
そこで、スタートアップ経営者の方には「別のモチベーション」で老後資金づくりを始めることをお勧めしています。
それは何かと言うと、ズバリ! 節税 です。
特にお勧めしたいのは、iDeCo/イデコ(個人型確定拠出年金)と小規模企業共済。
共に国が用意している「老後資金づくりを税制面から応援してもらえる制度」で、コツコツと掛け金を払って老後資金を積み立てながら、掛け金の全額が所得控除になります。
それぞれ限度額が決まっていて、iDeCoは最大で月々23,000円(社会保険に加入している経営者の場合)、小規模企業共済は月々70,000円です。
年額にするとiDeCoは276,000円、小規模企業共済は840,000円になりますから、けっこう大きな金額ですね。
仮に役員報酬の課税水準が所得税率20%+住民税率10%の経営者であれば、iDeCoで年間82,800円・小規模企業共済で年間252,000円の節税ですから、経営者個人にとってはかなり効果がある節税策と言えます。
iDeCoは原則60歳まで引出し不可、小規模企業共済は法人解散・役員退任等の理由がない限り65歳までに解約すると目減りする(20年以上継続していれば目減りしません)という、
両方ともに「引出し制限」がある点には要注意。
でもそれがむしろ、「無理やり老後資金を貯めていく」ことになるわけで、強制力があるという意味ではメリットとも言えるのですよ。
「節税目的」だったとしても、結果として老後資金の積み立てができる!
ということで、老後資金づくりにあまり興味がないスタートアップ経営者にもぜひオススメしたいと思います。
iDeCoについては僕の会社のHP上で細かく解説していますので、こちらをご参考ください。
小規模企業共済は法人の従業員数など細かい「加入要件」があるので、運営母体である中小機構のHPを確認した上で加入を検討してくださいね。
今後も、経営者やフリーランスの方が賢く資産形成をするためのヒントをお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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