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心理学 7件法

"心理学の世界では様々な研究を行っていますが、その手法として統計分析を使うことが良くあります。

何かしらのテーマについて仮説を立てた場合、それを説明するために様々な調査を行い、統計的な検定によってその確からしさを示すというのが心理学の一般的な研究法の一つです。

その手法の一つに質問紙法と呼ばれるものがあるのですが、7件法と呼ばれる手法はこの質問紙法の中で採用されることがあるものの一つです。

質問紙法というと少し難しく感じられますが、一般的にはアンケートとして示されることになるでしょう。様々な質問に対して回答をするという種類のアンケートは様々な分野で実施されていますが、心理学でも一つの調査法として確立しています。

その際の回答方法の一つが7件法ですが、これは回答が7種類あるということを意味しています。例えば最もシンプルなものは「はい」と「いいえ」のいずれかで回答可能な2件法です。これに「どちらでもない」を加えると3件法になるという仕組みです。

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7件法では「はい」と「いいえ」に当たる回答を3段階に分けているものであると言えます。より細かく分析をすることが出来ることから7件法を採用する研究は昔から良く行われました。

7件法であれば得られたデータは連続変数としてみなすことが出来るという考え方から、積極的に使われていた時期もありますが、最近ではあまり用いられてはいません。7件法の様にあまりに数が多い場合には選択肢ごとの等間隔性が保証できないなどの新しい問題が指摘されるようになり、最近の研究では3件法から5件法のものも少なくありません。

心理学は統計的検定によって違いを証明することの多い学問であり、その研究法についても統計学の変遷の影響を受けるものとなっています。かつては第一選択であったような手法が現在では慎重に扱われることもあるということが、心理学における現在の7件法の存在からも感じることが出来ます。"

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