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これからはやりたい仕事しかしたくない

&Insight(and Insight株式会社)の戦略インサイトリサーチャー®が、毎月様々な”旬”テーマのテーマについて、インタビューを行い「Insight(インサイト)」=思考回路で重要な分岐点となる ”鍵” を掘り下げるインサイト分析企画。
第1回目は、女性のキャリアの中でも最近急増している「フリーランス」について。
調査時期:2023年11月
調査手法:1x1 デプスインタビュー
対象者:会社員時代を経て現在はフリーランスとして仕事をしており、その仕事の仕方への満足度が高い40代の女性(N=3)

第1回

40代女性のキャリア・インサイト 【フリーランス編】

and Insight株式会社 戦略インサイトリサーチャー® 窪谷衣里子

今回の”Insight”


今まで、好きな仕事もしてきた。バリキャリ女子に憧れて頑張ったときもあった。子供のためにキャリアを中断した私もいた。会社員として頑張れば頑張るほど自分がやりたくない仕事もやらなければならない。会社や上司と意見が合わなくて不本意なこともしなければならない。私の実力って本当にこの給料で見合っているのだろうか…
これまでたくさん会社のために、家族のために、周りの人のために頑張ってきたのだから、これからは私のやりたい仕事をやりたい時間に働いて自分の納得する金額を稼ぎたい。
       「これからは、やりたい仕事しかしたくない

調査レポート

1.フリーランスとは

そもそも、フリーランスの定義とは…

「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す」

出典: 「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
令和3年3月 内閣官房 公正取引委員会

今回は、個人事業主も含めてフリーランスという定義で考えます。

近年は自分のワークスタイルを確立したい、場所や時間を自由に選びたいという希望から、フリーランスの働き方を選ぶ人が増えています。
年齢は40代以上が約70%を占め、10年以上社会人としての経験をした上で、定義にもあるように「経験や知識、スキル」を元にフリーランスの仕事に舵を切る人が多いことが見受けられます。

出典:「フリーランス実態調査結果」令和2年5月 内閣官房 日本経済再生総合事務局

2.フリーランスという働き方について


WHO?ー フリーランスの働き方を選ぶ人
では、今回のインタビュー結果から得られたフリーランスの働き方を選び、その働き方に満足度が高い方の人物像はどのようなものでしょうか。

職業遍歴としては、自分自身で能動的に決めた仕事もあったり、生活環境の変化から受動的に職業を選ばざるを得ない経験もあり様々。
(例:結婚、出産などライフイベントの変化、居住地域を変えるためにその地域で働ける仕事を優先)

一方で、新しい仕事に就く・新しい習い事を始める、といった「新しいことに挑戦する」ことへのハードルが低く、興味関心が生じたことに対してすぐに知識を深めたいと行動を起こすタイプの人。

仕事の面においては、誰かの指示によって動くというよりも、もともと自分で決断し采配を振るうことにやりがいを感じるタイプ。
「ゼロベースから作り上げる」ことや「既存のものを分析し改善すること」に魅力を感じる仕事人間的な一面も見られました。


フリーランスの働き方を検討したきっかけ
現在フリーランスとして従事している職種については概ね二つのタイプに分かれました。
・会社員時代に経験した仕事の中から自分が得意とする分野を個人事業としてスライドした
・会社員時代とは異なる職種だが、フリーランスに移行する前から自分の好きなことや興味があることとして副業やボランティアをしていた

では、会社員からフリーランスに移行しようと思うきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

Q.どのようなことがきっかけで働き方を変えようと思ったのですか?
・上司との意見の違いから関係がうまくいかなくなってきた
・自分で決定権を持つことが出来なくなってきた
・決定権はあっても自分の考えと会社の考えにずれが生じ、自分が良いと思う行動をとることができなかった
・昇進するメリットを感じなくなっていた
・副業で会社員に近い収入を得られるようになった
・人とのつながりから新たな仕事を紹介され、チャレンジしたいと思った

仕事を全うしようとする責任感、仕事自体に対する思い入れが強い人が多く、その自分の思いに対して上司とのずれから会社員でいることの悩みが出てきました。加えて副業が本業と同等に近い収入割合を占めてくると、フリーランスという新たな働き方に変えようと考えるきっかけになっているようです。


フリーランスに移行する際不安だった点
フリーランスとしての働き方を選ばれるときに、不安な点は「収入が減ることへの不安」ではないでしょうか。

Q.収入面の不安を解消した理由は何だと思いますか?
・フリーランスの仕事がうまくいかなくなったとしても、資格があるため資格を活用した仕事に就くことができる(未婚/子供なし)
・会社員時代と同等の収入を、副業で見込めるようになったから(既婚/子供あり・未婚/子供なし)
・フリーランスとしての収入の軸が2つ以上あるから(既婚/子供あり・未婚/子供なし)

会社に所属している間に、副業やボランティアとして現在の仕事につながる内容を実際に稼働し始め、会社員時代と同等以上の収入を得られるようになったとき、フリーランスに移行する決め手となっていました。

現在のお仕事について
現在フリーランスとして働き、満足されている方の経緯は、下記のような結果でした。

Q.現在のお仕事を得た経緯を教えてください
・会社員時代に使ったスキルがそのまま現在の仕事につながっている
・前職のつながりから声をかけられるようになった
・業務のスキルアップのために通ったセミナーで学んだ内容に興味を持ち、学びを継続した。学んだ内容をボランティアで続けて行くうちに声がかかることが増え、報酬を得ることができるようになった
・学生時代から得意だったこと、人から頼まれたこと(例:英語が得意だから教えて欲しい)を会社員時代でも副業として継続し続けることで現在の仕事につながった
・周りの人から今までの自分の職業経験とは全く異なった、新たな仕事の声掛けをもらった際、興味があったため一歩踏み出したことで新たな仕事に出会うことができた

自分が「得意なこと・できること」「周りの人から頼まれること」が結果としてが、自分の好きなことであり、それらの仕事に自覚的になり、インプット、アウトプットを継続させることが現在の仕事につながる要素になっていました。

フリーランスとしての満足度
現在のフリーランスとしての満足度は100点満点中、平均78点
この点数になった理由としては下記の様になりました。

満足点 
・自分で自由に仕事を選べること
・時間の使い方をコントロールできること
・自分の得意な分野で社会に貢献できること
・やりたくない仕事をやらなくて済む (会社員時代は自分がやりたくない仕 
 事もやらなければならなかった)

不安・不満点
・格安オンライン講義、Youtubeなどの無料動画コンテンツの台頭といった、激化する市場環境に適応できるかどうか
・毎月一定の収入がないため、特に賃貸契約などで不利になることがある
・コンスタントに仕事が入らない時、仕事が入らないことで社会から取り残されるのではないかという精神的不安を感じる

仕事の選択や時間の自由がある反面、安定した収入への不安、競合が台頭してきて自分の価値が埋もれてしまい仕事が無くなるという不安がありました。

フリーランスの働き方を実現するために必要だと思うこと
現在フリーランスとして活躍されている皆さんに「フリーランスの働き方ができる人」とはどんな人かお伺いしたところ、下記のような意見があがりました。

Q.フリーランスの働き方ができる人とはどんな人だと思いますか
・自分の得意なスキルを継続してきた人
・今持っているスキルと新たなスキルを掛け合わせることが出来る人
・新しい知識を得ることに興味がある人
・自分で自分に責任をとれる人
・リスクが起こった場合を想定しておける人
・経済的不安を解消できる手段がある人
・与えられた仕事だったとしても、自ら考え自らの意思で行動し自分の経験値として語れる人

3.まとめ

自分で働き方を選択し、自由度が高いことが最大の魅力であるフリーランスですが、収入のばらつきや仕事が無くなる不安は常にあり、その不安をいかに副業やボランティアをする中で事前に小さくしておくかがフリーランスとしての働き方を選択できるポイントでした。
フリーランスであることに満足している皆さんは共通して学生時代や新卒入社時から興味を持ってきたことを現在の仕事に活かしている方が多いのも特徴。現在自分の仕事に悩んでいる方は学生時代や入社後に興味があったこと、得意だったことを振り返ってみるのも仕事選びのヒントになるのかもしれません。
また、現状維持にとどまらず、常に興味ある分野での新しい知識をインプットさせ、アウトプットできるようにすることで自分の仕事の軸を増やしていこうとしている姿勢も全員に共通してしました。
自分がいいな、と思った「気持ちの変化」を大事に、その興味に対して一歩踏み出す行動することで、新たな気づきや知識を得ることができる。そうすると新たな人とのつながりができ、仕事につながる可能性があることを教えてくれた結果でした。

インサイト
「これからはやりたい仕事しか、したくない」

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