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戦場のピアニスト


【ざっくりあらすじ】
ウワディク「ナチス怖いピアノ弾きたい缶詰め開かない」


【感想】
2002年公開以降何度観たかわからないほど大大大好きな作品。
15歳で初めてこの映画を観た時に感じたホロコーストの恐怖と悲しみの衝撃は今でも褪せずに脳裏に焼きついています。
たしかコレがきっかけで放課後の図書室で1人アウシュビッツの写真集をコソコソ見るようになったな。
まずなによりこの作品、シュピルマンが体験した実話だという事。

そしてロマンポランスキー監督自身も迫害を受け生き残ったポーランド系ユダヤ人である事で
他の反戦映画にはない実体験に基づいた本当の光と闇が緻密に描かれている。


今もなおナチスが行なってきた非道はドキュメンタリーなどで頻繁にみるし私自身もナチス最悪とか思うのですが
戦場のピアニストはあまりそういうメッセージが含まれていないんですよ。
というのも話の中で冒頭からひたすらにナチス軍がユダヤ人を虐殺して町も破壊しまくって散々な事態になっているのですが
その時点では個人的な心理描写は細かく描かれていなくて
車窓から見える景色のように
出来事がただ淡々と流れていくような構成。
そして中盤に入ってからウワディクと彼を助けたナチス軍将校の人間模様が見えてくるんです。


ウワディクに食料と上着を渡した敵は
ナチスの軍人という社会的立場によって使命を果たさなければならなかった1人の妻子ある男性であって
絶対悪ではないと思わせるようなシーンが随所にあり
この映画の原作を書いたシュピルマンとポランスキー監督のメッセージとして
迫害の標的にされながらも何故このような描き方をしたのかに本来の意味があると感じます。
もちろんナチスが行なった行為は決して許されるものではないけど
戦争は善悪二元論では判断しがたい問題で
後世に語り継がれていく中で私達は何を学ぶべきかを問いかけられているような気がしました。



あとね、この映画音楽もほんっとに最高で
ウワディクがガレキまみれの家で祖国を思ってショパンを奏でるシーンとかほんっとに美しくて悲しくて胸が締め付けられるというか張り裂けるというか締まるんだか張るんだかどっちかわからなくなるよ
オリジナルトラックもすごく良い…

そしてこの映画はエイドリアンブロディ の素晴らしい演技あってこそでした…
エイドリアンブロディ、あまりにもこの映画で頑張りすぎちゃって撮影後鬱っぽくなったから
その後キングコングとかプレデターズとか
荷が軽い映画だけ出たわ…って言ってて
キングコングとプレデターズに謝れって思ったよ…

#戦場のピアニスト
#thepianist

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