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【映画感想】サスペリア

タイトルだけ知っていた1977年の伝説的ホラー作品。
タイトルに引っ張られて、サスペンスだと思って観始めたら、オープニング前のタイトルからビクッとさせられ(でもカッコイイ)、あれよあれよと猟奇的オカルトホラーの世界へ。

結論としては、めっちゃ面白かったです!
ホラー映画が得意なわけではないですが、時代ならではのチープさも手伝って怖さはあまり感じず、映画としてのフィクションエンタメの熱量に圧倒され、公開当時の1977年の人たち同様「すごいものを観た!」と素直に思える作品でした。

ビジュアル演出の過剰さは訳が分からないと言われればそれまでかもしれませんが、あの赤・緑・青の照明、色彩の強すぎるモダンな建築と衣装、世界観にピッタリの麗しいキャストたち(バレエ学校というチョイスもすごい)、なにかと量の多い小道具演出(雨も激しすぎ)、そして美しい意味ありげな画面構成、すべてが折り重なって作り出されるここではないどこか。昨今の異世界ブームを軽く超越するほどの異世界感。
そして、さらに圧巻は音楽。存在感がありすぎて凄い。なんならちょっと邪魔だよ!そっち盛り上がりすぎ!っていうぐらい音出してくるし、コーラスしてくる。で、怖い。けどクセになる。

ビジュアルと音楽、エンタメとして隙なしなのです。

でも、ストーリーはもともとイタリア猟奇ホラーで活躍していた監督が、オカルトというニュージャンルのステージを得てしまってやりたい放題やりました!って感じ。オカルトなら魔術的になにをやってもOK!じゃないのに、もうなにもやってもOK!にぶっちぎってるのが、いい。観客にもそう思わせてくれるのが、いい。

そう、だからどうしたんだというものではないのです。
主人公と一緒に、楳図かずおが描く驚いてる女の子みたいな顔で画面を見ていればよろしいのです。

で、こういう感覚って何かに似ていると思ったら、ドリフターズの8時だよ!全員集合!の生放送の舞台。ちゃんとしたコントのセットを毎回違う会場で作ってオチでは壊れたり倒れたり大変なことになっちゃうけど、来週もまたやる、その熱量。そのエンタメに対する熱が似ているのかも。やりたい放題な輝きとか。

そして、物語を締める最後のあの微笑み。最高。

エンタメとはなんたるかが分かるかもしれないサスペリア。機会があればぜひ観てみてください!

#映画感想文 #サスペリア #ホラー  #ネタバレ


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