フジイ

フリーライター 千葉南房総の海辺にて、映画や小説、音楽などのエンタメカルチャーを愛して…

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フリーライター 千葉南房総の海辺にて、映画や小説、音楽などのエンタメカルチャーを愛しています。 ふと入った喫茶店で隣のテーブルから聞こえてくるような、とりとめのない話題を書いていきます。

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noteはじめました

1979年、瀬戸内生まれ。 令和の楽しいツールnoteにあこがれながらも若者文化への気恥ずかしさが残るお年頃で、ずいぶん遅くなりましたが、40代もぞろ目を迎えるこの年にはじめてみます。 色んな意味でのびのびと、楽しいカルチャーが花開いては散ったり散らなかったりした昭和を生き、平成でメジャーを愛せないこじらせサブカル女子心を育て愛し、令和にアマプラとSpotifyの恩恵をありがたく享受する40代。自分だけが楽しいタイトルをnoteにつけて偏ったカルチャー愛を自分で語りたい40

    • 【映画感想】M(1931)

      なんとなくで観た作品ですが、約100年前からこちらに問いかけてくる人間の真理に思わず唸る名作!素晴らしい!30年代ドイツのまっすぐな感情が眩しくもありました。 モノクロの良さを生かしたリアルな陰影と色がついているかのようなアクセント的美術&衣装、今でも新鮮な画面構成、無声映画の名残を感じるカクカクした編集も逆に洒落て感じられ、キャラを立てすぎない登場人物の渋さも良く、ビジュアル最高で見飽きない。 ストーリーはサイコパスサスペンスかと思いきや、社会構造や人権を世に問うという社

      • 【映画感想】十二人の怒れる男(1957)

        密室劇の傑作。 説明的でないセリフから情景があぶり出てくるカタルシス。ジャストアイディアな現場感。 50年代アメリカの偏見いっぱいだけど筋は通すチャーミングなおじさんたちのベタなキャラ設定もくすぐる。 ラストのスッとした粋な演出も素晴らしい。 映画好きな方は機会があればぜひ。

        • 【映画感想】市子(2023)

          日本の闇を生きる謎の女子を巡るサスペンス。 どこかで見たことありそうななさそうな薄暗く生々しいサスペンスなストーリーに、俳優陣の等身大で若々しい熱量、キャラにあったビジュアルがいかにも邦画的で良かった。派手さが無いのも全体として好印象。 あと、夏のシーンが多くて、日本の夏の湿度高い暑さを、こんなに暑かったらダメになっちゃうことあるかもね…な薄幸演出に使っていて良い質感だった。サスペンス感あるし。 傾国の美女的無邪気さとドロリとダークな哀しみを演じた杉咲花が素晴らしいし、令

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          【映画感想】聖なる鹿殺し(2018)

          ヨルゴス・ランティモス監督とコリンファレルの不穏系タッグ二作目。 ロブスターよりもメンタルやられる系サイコサスペンス。 コリンファレルの不穏感やば。ロブスターは不穏さに加え不条理ファニーみたいな感じがあったけど、今回はストレートにモラハラお父さん。 それに負けない家族の釣り合いの取れた不穏さ、そして謎の青年・バリー・コーガンの不快な狂気の名演技。 良く考えたら結局なんやねんアレ!どゆこと?ってなるんだけども、それ以上のドロドロモヤモヤバイオレンスの力技がすごすぎて疲れちゃ

          【映画感想】聖なる鹿殺し(2018)

          【映画感想】時計じかけのオレンジ(1972)

          サブカルの必修科目とも言われるこの作品をやっと視聴。 サイケデリックでレトロフューチャーなビジュアルの良さはさすがのキューブリック。 自宅がオシャレ過ぎて最高…! 主人公アレックスのビジュアルも100点!チームの制服?はちょっとついていけないけど、それ以外の私服似合いすぎ。スーツカッコイイ。そりゃナンパ成功するよね。 お母さん&最後の病院の精神科医マダムもキュートだし、作家のダンディ&マッチョくんもセンスいい。 ちょっと使ってみたくなるナッドサッド語(独自の単語)は響きの良

          【映画感想】時計じかけのオレンジ(1972)

          【映画感想】ブラックレイン(1989)

          ブレードランナーの流れで視聴。 もっとマフィアのどっかん超抗争みたいなイメージ(多分アウトレイジと混ざっている(笑)ポスターがオマージュだから?)だったのだけど、意外に冷静な80年代ヤクザと対決する日本警察男子ミーツアメリカンコップのバディもの。 80年代ヤクザのオラオラな仁義感や警察組織の堅苦しさ、逆に当時でもちょっと古いくらいのアメリカンな刑事のラフ感をデフォルメしながらも、日本人への問題提起的な部分もあり、海外からの当時の日本への目線が面白い。タイトルのブラックレイ

          【映画感想】ブラックレイン(1989)

          【映画感想】ドクター・スリープ

          名作・シャイニングの続編。 ドッキリホラー要素があるので避けてましたが、今日は行ける気がする…!と頑張って視聴。 私が思ってたシャイニングの続編じゃなかった(笑) 前半はリアルサイキック対決(これぞシャイニング!なんだとは思うけども)のアクションバンバン、後半は古のオーバールックホテル再訪もわざわざ出した割になんか…思い出は思い出のままが良かった的な…。映像となるとどうしてもキューブリック的な美しさを求めてしまうので、なんか違う感が…ね…。懐かしのキャラ集合も、ちょっと中途

          【映画感想】ドクター・スリープ

          【映画感想】ブレードランナー(1982) ファイナルカット(2007)

          近未来SFの不朽の名作。 強力ワカモト(今の若者は知らないでしょう)の大型ビジョンで激推しされ、ネオンが輝き怪しげな屋台が並ぶサイバーアジアンなロサンゼルス。降り続く酸性雨でけぶる街。賞金稼ぎが狙うのは人間と見まごうばかりのアンドロイド。謎のゴシック美女との禁断のロマンス…。 80年代SFのハードボイルドと近未来感がこれでもかと詰め込まれています。しかもテーマは生命とは…なガチテーマ。 これは不朽の名作でしょう! 未見の方はぜひ。

          【映画感想】ブレードランナー(1982) ファイナルカット(2007)

          今日でnoteをはじめて1年が経ちました! 日記的なものは苦手ですが、意外に楽しく書けていて嬉しい気持ち。

          今日でnoteをはじめて1年が経ちました! 日記的なものは苦手ですが、意外に楽しく書けていて嬉しい気持ち。

          【映画感想】シェイプ・オブ・ウォーター(2017)

          ギレルモ・デル・トロの心意気がたっぷりつまったロマンスファンタジー。 デル・トロ監督のオタクなロマンス妄想が大爆発で、これはオタク気質な私はキュンキュン…。陰キャの大胆で不器用なピュアピュア人外ロマンス…いいよね…! 60年代アメリカの不穏な暗さと古き良きカルチャー感(映画館の二階に住むという圧倒的アカデミックメルヘン…)にプラスした近未来感をこだわりの美しい画角と青緑のフィルター照明をはじめとした色の演出(サスペリア的?)で盛り上げる唯一無二の孤独に閉じた世界観。 年齢

          【映画感想】シェイプ・オブ・ウォーター(2017)

          これから観たいアマプラビデオ6月公開作品 ・アヒルと鴨のコインロッカー ・フィッシュストーリー

          これから観たいアマプラビデオ6月公開作品 ・アヒルと鴨のコインロッカー ・フィッシュストーリー

          【映画感想】キングスマン:ゴールデン・サークル(2017)

          英国紳士だけどハチャメチャエンタメなキングスマン続編。 もうね、エンタメのためならなんとやら。後日談的くすぐりを入れてきたと思ったら、すぐ焼け野原展開。そして舞台はカントリーロードを通って自由の国アメリカへ。英国紳士と対照的なアメリカンカウボーイの設定はおもしろく、ハルベリーがめっちゃかわいいし、エルトンジョンかわいい。 前回同様、ご都合的クラシック展開とハチャメチャエンタメ至上主義でグイグイ走り抜ける2時間。だが犬とマーリンは大事にしてほしかったよね。。。

          【映画感想】キングスマン:ゴールデン・サークル(2017)

          【映画感想】MEN 同じ顔の男たち(2022)

          しまった…結構ビックリグロ系ホラーだったよ~(涙)と薄目になりながら、なんとか視聴。 なにはともあれ、不穏な美しさは期待以上に美しく瑞々しくて素晴らしかった!あんなことがないなら、行ってみたい(笑) 全体的にメタファーいっぱいすぎて、邦題でネタバレしているにも関わらず、村の男たちが同じ顔なのに気が付かなかった…。いつ同じ顔の男が出て来るのかなーと待ってたんだけども(笑) 私的には、映画内はほぼ主人公のフィルターを通したビジュアルという解釈なので、「ちょっとイラつく顔だけど

          【映画感想】MEN 同じ顔の男たち(2022)

          【映画感想】シャイロックの子供たち(2023)

          タイトルと阿部サダヲに惹かれて視聴。 日曜劇場やん…と思ったらホントに池井戸潤原作でした。 日曜劇場らしく(笑)準主役プレイヤー達が続々登場。濃い味に濃い味をぶつけてきて絵面が渋滞気味だけども、ストーリーの過剰なリアリティにはちょうど良かったかも。分からなくはないけど、銀行マンってこんなんだっけね…?(笑)あんなに病んじゃうの?(忍成くんは良かった…) 多分、池井戸潤的要素は少な目?(くわしくないのですが) 邦画らしい匂わせエンディングも、タイトルの回収も(最初の劇団はど

          【映画感想】シャイロックの子供たち(2023)

          【映画感想】サイコ2(1983)

          ヒッチコックの名作「サイコ」の22年ぶり(といっても80年代)の続編。名作の続編でしかも監督はヒッチコックじゃない、となったらあんまり見る気がしないですよね、ぶっちゃけ。 ただ、映画好きの知人がオススメしてくれて、半信半疑で視聴。 結果、めっちゃ面白かった!盛り上がったー!名作続編の高いハードルを越えている! 確かに、前作は60年代モノクロの雰囲気と急展開サイコパスで金字塔を打ち立ててますが、その前作へのリスペクトたっぷりの2も良い! ストーリーは前作とつながっていて(冒頭

          【映画感想】サイコ2(1983)