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【映画感想】ロブスター

邦画っぽい設定のヨーロッパ産SF恋愛映画。

ディストピア系奇抜設定(独身者はパートナーを獲得できなければ自ら選んだ動物に変えられ森に放たれる)、ちょっとわざとらしいシュールなディストピア演出も逃げた先がやっぱりディストピアみたいな展開も、邦画的。だけどもビジュアルや小ネタ、エロティック恋愛要素はヨーロッパ的という、なんだか不思議な感覚の作品。

見終わって、思い返すとじわじわ面白く、設定を活かしきっていないところに創造力が働いてしまって、印象に残る。
ロブスターってのがイイ。動物に変えられるならロブスターになりたいってなんじゃそりゃと思うけど、意外に作中では「まぁまぁいいやん」って認識されてるのが面白かったり、主人公(コリン・ファレル)の顔はどうみても動物園系哺乳類なのにロブスターになりたい人だと思って見てると思い出し笑い的に面白い。エンディングも同じく。
それでもって、タイトルもロブスターなんだから、なんかズルいよね。人を愛するとは?社会のルールとは?という深いテーマを、本当にやりたかったのかどうなのか。
普遍的なものを新しくシニカルに表現するだけのために、あの奇抜設定だったのか?それとも、設定に盛り上がっちゃってなんかどうでも良くなったのか?実はそもそもユーモアなのか?

作品自体が発するサイコパスな香りに、意外にじわじわ考察が盛り上がる良作でした。

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