見出し画像

【インタビュー】会社設立半年を迎えて、今思うこと。

合同会社&ante(アンドアンテ)は、人と組織の可能性が広がる場を共につくる会社です。会社を設立して半年のタイミングで、起ち上げメンバーの大滝さんと原田さんに話を訊きました。
設立して約半年が経った今、どんなことを感じているのか、様々な角度で聴いてみたので、ぜひご覧ください。聞き手は、&anteインターン生の歩美がつとめます。

聞き手:榎本歩美


「会社を作ることは、家族を作ることに近い」

ーーはじめの質問です。&anteを立ち上げてから半年が経ちました。設立時と比べて、&anteに対するお二人の思いに変化はありましたか?

(大滝文一/以下、文一)会社を設立してから、会社に対する見方が変わったなと思います。具体的には、会社員として仕事をしていた時と、自分で会社をやってる「自分の意識差」みたいなのが出てきてるなと。例えば、会社を持続させるには、お金がちゃんと回ってなきゃいけない。

もちろん会社員の時も「給料の2倍稼がなきゃいけないぞ」とか上司に言われたけど、今は支払う側ともらう側の両方だから、自分で利益を作る大変さをすごく実感したっていうか・・・・・・。

本当に2倍ぐらい稼がないと、会社潰れちゃうんだなとか。でも今回融資をいただくことができて、長期的な目線で、会社に対する目線が半年前とは変わったね。

ーー経営者としての目線を意識するようになったということでしょうか?

(文一)いわゆる「経営」っていうほど、大きい規模のことはまだやっていないんだけど、それでも目線は変わったなって思う。個人事業の時は自分だけの心配だったけど、会社はメンバーと一緒に運営しているから自分ひとりだけのものじゃないっていうところも、感覚が変わった感じはあるね。

(原田優香/以下、優香)私も文ちゃんも個人事業主を経験しているから、その点から変わったことでいうと「仲間ができた」っていうところかな。もちろん個人事業主の時も仲間はいたし、ぶんちゃんものんちゃん(もう1人の&anteメンバー)も個人事業主時代に一緒に仕事をしていたけど、今は共に決断をして会社を作ったメンバーだから、圧倒的にコミュニケーションの量も増えたし、色々な意味でぶつかることも増えた。「会社は家族経営」って聞いたことがあるんだけど、まさにそうだなって思う。まさに「家族を作る」ことと結構近いなと。そういう部分での心の変化としては、揺れ動くこともやっぱり増えたし、喜怒哀楽も増えたんだけど、総じて私は豊かだなというか、今は自分の人生これがいいなあって思ってる。ポジティブな変化だなって。

ーー半年前、今の事業を始める前に理想としていたことや、それらの事業を通した気づきや考えの変化などはありますか?

(文一)全ての事業に共通しているのは、「対話を通して、より持続可能な世界をつくる」ということ。本当に、まだ小さな事業なので大海に小石を投げる感じなんだけどさ。だけど、方向性としては間違ってないことをやり続けているなっていう感覚はあるよ。それでも現実世界って思った以上に大変で、難しい。だから時には対話の無力さみたいなものを実感したりとか、対話だけじゃ解決しないよね?って言われることもあるんだけど、自分たちの大事にしたいことはなんとかブレずに耐えてきた感じはあるかな。

対話とファシリテーションを結びつけ探究する連続講座

ーー無力さを感じたり悩みながらも、当初からの思いを軸に、対話を通した事業をいくつも実現されているんですね。

(文一)そうだね。あとは、この半年間でメンバーにいろんな動きがあって。僕は大学院を終えてスウェーデンから日本に帰ってきて、その間にゆかっちは大学院が始まって、のんちゃんはカナダに行ったし、立ち上げてからもそれぞれに動きがあったから、そんな中でも本当によく力を合わせてやってきたなと思う。

(優香)本当だよね。事業を通した気づきで言うと、一から事業を作るって思ってる以上に大変だけど、大変以上に得られるものが本当に多いということ。生まれたての事業に対して「いいね」って言ってくれる人たちがいて、私たち以外にも&anteを好きでいてくれる人たちがたくさんいて、その人たちのおかげで成り立ってるなあと本当に思う。私たちが作った会社なんだけど、それ以上に私たちだけのものではなくて、関わってくれている人たちみんなのものだなあって感じるようになったのも、時間が経って気づきとして得たものかな。

ーー個人事業主であり、&anteメンバーでもあり、大学院生でもあるといったとても忙しい環境で、様々な事業を実現されていることが本当にすごいなぁと……そのような企画を通して、その思いに共感し、自分を変えたいと思っている方たちと共に&anteを動かしているという風に感じました。

(文一)本当に、苦労はしてるね(笑)。仕事も大学院もやることが多いから、どうしても手からこぼれていくんだよね。ただ、ゆかっちも言っているけど、自分で決めてやっているから、やりたくないことを強制的にやらされてる感じはあんまりない。いい意味で自由で、自分で考えて目標を持ってやっているから。

ーーやっぱり、メンバーがいることの心強さはありますか?食いついていられるのも、みんなでやっているから頑張れるというような。

(文一)僕自身はあるね。だいぶ助けられてる。今、同じような環境で大学院に通っていて、悩みとかも共有したり、お互いの大変さとかも想像できる。やっぱり自分だけだとこんなに色々なことができないなと感じる。一緒にやるから遠くにいけるっていう感覚はあるな。

(優香)本当に、一人だったら挫けていると思う。チームワークの機能としてリマインドしあえる部分もそうだけど、精神的な支えにもなってくれてるなって思う。私はこれまで1人で抱え込みがちだったんだけど、大変になる前にヘルプを出せるようになった。何があっても「私たちなら大丈夫」って思える感覚がすごく大事だなって思ってて。そういう安心感や楽観さは、私は常に持ってるかな。

ーー楽観的ということも、とても大事ですよね。

(優香)実際、大変なこともあったけど、今日の今日まで何とかなってきてるから・・・・・。まだまだ会社として足りないことは多いけど、この忙しない状態でここまでやれてるなっていうのが同時にあるから、そっちの方に着目したい。

「仲間と一緒に、自分や世界にとって大切なことを考える時間を作る」

ーー&anteがそれぞれの事業で目指していることやビジョンはどういうものですか?

(文一)共通している想いとしては、流れの早い時間軸の中でふと生き方や人生そのものを考えるために立ち止まったりとかすることが、そもそも許容されにくい世の中だと思っていて。そこをあえて考えるために、立ち止まる機会にもなったらいいと思うね。「本当に何が大事なんだっけ」っていうことを考えられるような事業を作っている自負はある。黙っていれば人生の中でやらなきゃいけないように見えることばっかりが増えている中で、あえて時間を作って、仲間と一緒に「自分にとって、この世界にとって本当に何が大切なのか」ということに意識を向ける機会を作りたい。

(優香)はっきりとこれ!と言い切れるものを探している感覚がまだある。文ちゃんが言っている「立ち止まることの大切さ」は、共通認識で私も大事だなと思っている。でも、果たして本当にこれが&anteとして目指すゴールなのか?って言われるとまだ何かある気もするし、まだ見つけられてない気もするから、見つけていくために仲間と共に深めて行きたい。いろんな事業をゼロからイチで作ってみたりとか、ちょっとずつ実現したい世界を目指しているところかな。

ーー参加された人達からのフィードバックなど、参考になった意見や印象に残っている言葉などはありますか。講座や合宿に参加される方は、&anteに興味を持って、自分を少しでも変えたい気持ちや、何か生活に取り入れたいというような思いを持ってる人が多いと思うのですが。

(優香)「シゴトを考える日」という事業をやり始めたのが個人事業主時代からなんだけど、プログラムに参加してくれたメンバーが、今では会社のパートナー的な立ち位置に入ってくれたんだよね。プログラムの参加者が会社のパートナーになるって、私はこの事業を本当にやってよかったなって思ったから、印象に残っている。単純にサービスを提供する側とされる側っていう関係だとその関係性は生まれなかったなと思っていて。今後も0→1の事業ももちろん創っていきたいんだけど、周りの人たちをどう巻き込もうかとか、誰を一緒に仲間にしていくか?という視点は忘れずに、場をつくっていきたい。

(文一)そうだね。ゆかっちが言ってくれたような、「共にある」ことを大事にしたいなと思ってて。事業としてやるとどうしてもお金を頂いている以上、サービスの対価として良いものを提供したいっていう気持ちが前提の上だけど、提供する側とされる側みたいな関係性になっちゃうとそれ以上先のところには行けない感じがあって。みんなそれぞれ自分の人生の中でいろんなことを経験した上で、悩んだり、自分の目指すところに行きたい、何か生きる上で大切なもやもやを抱えた人が多いから。やっぱり、お客さんより目指す先が同じ方向性を向いている仲間っていう感じで捉えたい。

ーー私は大学院で人類学を研究しているのですが、調査をするにあたって、調査対象である人たちやモノと一緒にやってみて何が生まれるのか、その過程で共に成長する感覚というのを大切にしているので、お二人の思いにとても共感しました。これから多くの人を巻き込みながら、共によりよい生き方のヒントを学んでいく事業がどんどん生み出されていくのがとても楽しみです。

「仲間を大切にしながら、確実に前に進んでいきたい」

ーー最後に、会社設立半年を踏まえて、今後の方向性や大切にしたいことを教えてください。

(文一)今のんちゃん(共同で会社を立ち上げたメンバー)は海外にいるけど、この3人でできることは限られてる。だんだんと協力してくれる仲間が増えてきていて、その仲間を大事にしながらできることをもっと広げていきたいし、一緒に確実に歩いていきたい。続けることを大事にしているから、そこは頑張っているけど、いい意味でより目指したいことがあれば方向転換しちゃってもいいと思うし。みんなで臨機応変に対応しながらやっていきたいなと思う。

(優香)私たち&anteのやっていることに共感してくれる人が多ければ多いほど波紋が広がりやすくなるなと思ってて。自分たちが良いと思ってることをちゃんと広げるために仲間を増やしたいし、そのためにも売り上げを立てないといけないと思うし、何のために会社を大きくするのか、というところは仲間とすり合わせをしつつ、今やっていることを信じて前に進めていくことをまずは大切にしたい。あとは、&anteの三つの行動指針「違和感を愛でる・愛と勇気を持って触れる・問いは尊い」を改めて常に胸に持っていたい。この行動指針が私たちが大切にしていることを充分表してくれていると思うから。

ーー会社・メンバー・仲間、それぞれの関係に対して、会社を立ち上げてから半年が経った現在のお二人の素直な思いを伺うことができました。
忙しく不安に思うことも多い毎日ですが、自分や周りにとって大切なことを考える時間がもっと生み出されていくことと思います。
これからの新たな出会いによって、&anteの輪が広まっていくことがとても楽しみです!

最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも色々な情報を発信していきますので、ぜひフォローをお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?