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ペルソナの話の続き

前回のエントリの続きになります。

大河で「ペルソナ」という手法を取ったことに問題があるとすれば、ターゲットされていない人にとっては「面白くない」ものであることでしょう。しかもかなり激しく面白くないはず。

ここは理解されにくいらしく、「ターゲットされていなくてもいいけど、ドラマが面白くないのはなんとかならないのか」という風に感じる人も多いようなのですが、そうではないのです。面白く感じられないのはターゲットされていないからなのです。

今やそれくらいコンテンツ制作者は想定したターゲットにリーチする、ということを重視する。

多くの人向けに作って残念ながら誰にも受けなかった、ではなく、一般に受けなかったが少数の熱いファンを獲得したという状態を目指します。その方がコンテンツ制作者として望ましいから。

逆にいうと、このコンテンツ飽和時代、ほとんど全ての人が何かしら・誰かしらにターゲットされ、自分を選んで欲しいとアピールされることに慣れてしまっているので、そうではない文脈のものに触れた時の拒否反応が激しくなっています。自分ではなかなか気がつけないのですけど。

今年の問題は、「既存の大河視聴者がほぼターゲット外に置かれたこと」ではなく、

「日曜夜八時にテレビの前に座ることが習慣です」という人たちに「偶然」以上の確率でコンテンツが届いてしまうにもかかわらず、このターゲット外の既存視聴者という人々に向けての視聴設計がされていないこと、していたとしても残念ながら脇が甘かった。

…ことではないかなあとわたしは思います。

普通サービスやプロダクトでしたらターゲット外にまではリーチしないんですけど、シリーズに固定ファンがいるということが裏目に出てしまいましたね。特にTwitterランドでは。

まあしかし、どういうドラマをどのような層に向けて作るかは提供者の裁量ですし、どういうペルソナを設定して、どういう人たちをターゲットしなくても、別に間違いというわけでなし。

新規市場を開拓しようという「試み」ですから、どんな結果であれ、数値的なものが出てくるのをすごく楽しみにしています。

何かしらの形で発表があるといいなあ。

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