ミスしないわけがないじゃん、人間だもの。

 私は今までいろいろな仕事をしてきた。悪く言えば長く勤めることができない。よく言えば出会い別れと初めての連続。まぁ、世の中では悪く言われるほうが多いけれど、自分の都合で辞めるというよりは、辞めざるを得ない状況に陥ることのほうが多いので、私の人生はこれからもそんなものなんだろうと思っている。そんな職歴を持っていても、幸い、人との繋がりや縁があって仕事に就けなくて困ったことは無かった気がする。

 そんなことはさておき。いろいろな職場を見てきて、たいていどこの職場でも誰かのミスに対して異常なまでに執着する人がいる。間違ってはいけない仕事なんて多々ある。間違ってもいい仕事のほうが圧倒的に少ないと思うのだけど、意外にもミスに対する考え方がちょっと間違っている職場が多いと思う。

 例えば何かのミスが発覚したとする。その時に、誰がやったのか、どうしてミスしたのかを問い質すのはどこでも同じだけど、問題はその先。

 よくありがちなのは、次は同じことが無いように気をつけさせるという考え方。そのために、ミスに対する責任を取らせる(罰則を与える)とか、チェックリストを作って管理させるとか……要はミスした人だけを改善させようとするもの。これでも結果として、ミスは減るかもしれない。でもゼロにはならないだろう。なぜか。だって、人は誰しも完璧ではないから。

 テストで100点を取り続ける人を、私は見たことがない。そんな人もいるかもしれないけれど、組織全体の誰しもが満点を取り続けるなんて、ありえないと私は思う。でも、それを求めている職場は本当に多い。ミスが発生したら問題になるとわかっていながらも、誰かが気をつけることだけでなんとかしようとすることが、なんだか変だなぁと思う。ミスを問題になる前に防ぐことができない環境に問題があると思うけれど、そこから見直すということは本当に少ない。

 それはなぜかというと、ミスする人が悪い、ミスが悪い、という固定概念が強いからではないかと思う。だから、人間は誰でもミスをするかもしれないという前提で物事を考えられない。

 考え方を変えれば、実は個人で100点を取り続けるよりも、組織全体で100点を取り続けるほうが簡単なはず。みんなで答え合わせをすればいいからだ。それでも人は間違うことがあるのだから、そういった間違いを減らすために新しい機材を投入したり、人員配置を考えたりして改善を図る必要があると思う。

 人件費等のコスト面の問題や、その環境によって様々な問題があるし、中には他人を蹴落としても100点を取り続けたいと思う人もいる。結局のところ、それが人間だもん、しょうがないじゃん?ってことかもしれない。

 それが分かっているから、ミスそのものが大問題になる職種は人工知能やシステムに変わっていくんだろうなあと思う。それはそれで良いことであって、人とAIどちらが良いのか?と論議するまでのことでもないと思う。

 そのうち間違うことができない仕事は、どんどんAIに変わっていく。人は人にしかできない仕事をするようになっていく。それは時代の移り変わりで、進化とも呼べると思う。

 AIに任せられることは任せて、人間は人間にしかできないことをやればいい。今の仕事がなくなるかもしれないと不安になるよりも、ミスを問い質されることのない、自分にしかできないことを選べばいいと思う。

 そんなわけで、今日はこちらの動画を紹介させていただきます。私はソロバンではなく電卓を使う。そういうことだと思う。


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