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自分による自分のためのデスクづくり(準備編)

皆様こんにちは。初めてのnoteへの投稿になります。デスクを作ったら良い感じにできたので、記録も兼ねて記事にしていきたいと思います。なお、仕上がりはこんなイメージです↓

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一度に書くと長くなりますので、この準備編のあと、下記2編に続きます。

デスクづくりの動機

忌々しい新型ウィルスの蔓延により、年度始から在宅中心の勤務体系となり細々と就労環境を整えてきました。ただ、在宅での仕事がどれだけ続くかイマイチ読めない状況でしたので、デスクのような大掛かりなものは後回しにしていました。

おそらく、同じような境遇のデスクワーカーの方は多数いらっしゃるはずで、身の回りにも簡易的な折りたたみテーブルやカウンターを仕事場としている人をチラホラと見かけます。私も同様、過去に使っていた80センチ四方のダイニングテーブルを仕事場としていました。

しかしながら、コロナウイルスがなかなか収束せず在宅勤務が継続されるであろうというネガティブ寄りな動機と、これからの時代は自宅で仕事をするのもメジャーになってくるであろうというポジティブな動機から、仕事用のデスクを求めることにしました。

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買うか?作るか?

当然ですが、デスクを手に入れるのであれば、多くの人が完成品を購入すると思います。実際、デスクを作るのはハードルが高そうですし、実際のところそれほど安上がりでもありません。

しかし、最高の満足感と高揚感を味わいながら仕事ができるというポテンシャルを持っているのは間違いなく自作デスクでしょう。なぜなら、自分が感じる不満点を全て解消したデスクが作れるからです。しかも、自分で作るから大変に愛着が湧きますし、ちょっと傷が入ってしまっても思い出として消化できます。

もちろんデスクを作るのには時間も労力も掛かります。デスクを自作するとIKEAやニトリのコスパの良さがよく分かります。したがって、時間や労力が掛かったとしても、ちょっと頑張ってみよう!という気持ちがお有りでしたら自作をおすすめしますし、そうでないならば完成品の購入をおすすめします。希望のサイズ・デザインのものが見つかれば、完成品を買うという選択も全然アリだと思います。

この記事では、デスク作りの感動を多くの人に味わってもらえるよう、私が歩んだプロセスをできるだけ分かりやすく書いていこうと思います。

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デスクのサイズ

Google検索で「デスク 自作」と調べると、先駆者のブログがたくさん見つかります。デザインもサイズもさまざまで、住環境や個々のこだわりの多様さが伺えます。noteでは以下のお二方の記事が大変参考になりました。

しかし、こうして調べごとをしているとワケが分からなくなってきます。一体どれくらいのサイズが自分に合っているのだろうか?大きすぎて邪魔になるのも嫌ですし、小さすぎて仕事にならないのも都合がよくありません。私自身、サイズ決めで1ヶ月ほど費やしてしまいました。

ひとつアドバイスとして言えることは、あるサイズを模した環境でしばらく作業をしてみるということです。冒頭にも書いた通り、私はデスクを自作する前は80cm四方のダイニングテーブルを作業場として使っていました。これに80cm×50cmの折りたたみテーブルを組み合わせ、実質幅130cm、奥行き80cmの空間を作り、そこで感覚を試してみました。私は結果としてこれと同じサイズのデスクを作ることにしましたが、もし手狭に感じるようであれば左右に10cmずつ余裕を持たせる…など実際の感覚に照らし合わせて完成形をイメージすることができると思います。

よくあるサイズの完成品デスクは奥行きが50~60cmですが、24インチ程度の液晶ディスプレイとキーボードを使うのであれば、少し狭く感じると思います。特に肘掛けがついていない椅子を使う場合、肘の支点を机に置くはずですから、より窮屈に感じるはずです。

このように、デスク周辺の環境によっても適切なサイズは変わってきます。ゆえに、「よくあるサイズだからそれにする」ではなく、自分が最も心地よく感じるサイズを追求することが重要だと考えます。せっかく自作するのですから。

デスク周りの環境については富士通社の公式サイトにある「パソコンを使うときの姿勢」が参考になります。

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出典:富士通株式会社

デスクのデザイン

つまらないことを言ってしまいますが、デスクを自作することに限って言えば、シンプルなデザインのほうが失敗がありません。これは完成してからの使い勝手の話というよりは、加工時のミスが起きにくいという意味です。また、木材屋さんの加工サービスを利用すれば一度もノコギリを握ることなくデスクを完成させることができます。失敗を避けたいのであれば、失敗する機会を減らすことが一番です。

とはいえ、せっかく自作するデスクの天板がただの板っ切れでは、あまりにも面白みがありません。ここでおすすめなのは、先述したように木材屋さんの加工サービスを利用し、その範囲内で自分らしさを表現する方法です。これならば失敗も避けられますし、時間も労力も掛かりません。当然ながら、若干の加工費は掛かってしまいますが。詳しくは次節で説明します。

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天板のオーダー

先駆者の方々のブログを参考にすると、多くの人がマルトクショップという木材屋さんで天板をオーダーしているようです。長いものには巻かれろ、ということでこちらのショップでオーダーしてみることにしました。

デスクの天板をオーダーする場合、「無垢材フリーカット」か「集成材フリーカット」から選択することになります。端的に言うと、無垢材は高価で、集成材の方が安価です。両者の違いは板材を作るのにどれだけ手が入っているか、という点にあります。マルトクショップ「もくもく通信」の「無垢材と集成材の違い」に分かりやすい説明があります。

私は最初から集成材を選択するつもりでいましたので、ここでは特に迷いませんでした。というのも、材が安価ということもあるのですが、一般的に集成材の方が無垢材よりも反りづらいと言われているからです。実際手元に届く個体がどうなるかは経過観察をしてみないと分かりませんが、そう言われている以上、信じてみることにします。なお、反りについてはマルトクさんの「木材の反り(ソリ)はなぜ起こる」が詳しいです。

さて、次に木の種類を選ぶことになります。マルトクさんでは集成材ですと十数種類の扱いがあります。これだけ多いと迷ってしまいますね。私はせっかく自作するのだから、ちょっと派手なくらいが良いのではと考えアカシアにしました。この材は最近になって国内でも取り扱いが増えてきたもののようで、高級銘木のウォールナットの代わりとして使われることもあるんだそうです。安いのに高価な木みたいだなんて、なんだか得した気分です。最近人気のアカシア材なんて記事が書かれるほどなので、マルトクさんでも売れているんでしょうか。

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前置きが長くなりました。
いよいよオーダーに入ります。

結論から言うと私は以下の構成にしました。

アカシア(節・白太有り) 集成材(積層材)フリーカット 四角形
030*0800*1300mm
◆面[A]:糸面 + 磨き
◆面[B]:糸面 + 磨き
◆面[C]:B面 + 磨き
◆面[D]:糸面 + 磨き
◆反り止め:無し
◆四角形穴[1] 貫通 x1:500mm,x2:800mm,y1:0mm,y2:10mm 角突き:無し
◆斜めカットA x:10mm,y:10mm
◆斜めカットB x:10mm,y:10mm
用途:三方向使用

サイズは先述した通り幅130cm、奥行き80cmにしています。オーダーの際はミリ指定のためケタ間違いに注意が必要です。

板の厚みは3cmにしました。2.5cmと悩んだのですが、次節で紹介するデスク脚とのビジュアル的なバランスや、ドリルで穴あけするときの余裕を鑑みた結果この結論に至りました。当然ながら、厚みが増すほど板は重くなりますし単価も上がります。

次に面取り加工についてです。デスクを使うときは基本的に壁付けして使うことを想定していましたので、手前の面以外(面A,B,D)は最小限の加工としました。「糸面」とは角を気持ち落とす程度の面取りで、「磨き」とはカットした面を滑らかに仕上げ磨きすることを指します。正直言ってしまうと、糸面と磨き程度であれば紙ヤスリさえあれば自前でもできてしまうのですが、少額の加工費で済みますのでお願いしてしまった方がラクです。

マルトクさんではちょっと凝った面取り加工もしてくれます。種類についてはこちらに分かりやすくまとまっています。私は手前の面である面Cについては、B面という加工をしてもらうことにしました。斜め加工の中でもバランスが良く、板の厚み感がいい具合に残るのではと考えたからです。隣の机と一部被ってしまいましたが、実物は下の写真のような仕上がりです。

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ここからはケーブル避けのための加工になります。まず、液晶モニターの電源ケーブルやオーディオインタフェースからの配線を通すために幅30cm、奥行き1cmの切り欠きを指定しました。ケーブル避けには丸穴加工をする場合も多いと思いますが、複数本のケーブルが一極集中してしまうのは取り回しが悪くなりそうですし、天板上の有効面積が減ってしまうと考え、今回は切り欠きにしました。切り欠きは穴あけ加工の数値を工夫することでオーダーできるのですが、少し分かりにくいので指定間違いには注意しましょう。なお「角突き」とは四角形に穴あけ・切り欠きした際の角を直角にする加工のことです。私は特にこだわりがありませんでしたので角突きは無しにしました。このため、角が丸まっています。

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もう一点ケーブル避けの加工を指定しました。天板奥側の左右の角を1cmずつ落とすという加工です。これは前任のダイニングテーブルからヒントを得たのですが、この些細な加工がステレオスピーカーの配線を通すのに丁度よいのです。デスクを壁付けする方はぜひ検討してみてください。

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オーダーの内容は以上です。この内容で18,860円+送料3,300円でした。サイズを一定範囲内に収めると送料が抑えられるのですが、送料のために自分が望むサイズを諦めるのはバカバカしいので送料については目を瞑ることにしました。

マルトクさんでは見積もり→正式注文というステップを踏むことになります。私の場合、見積もりから到着まで26日掛かりました。この期間が大変に待ち遠しかったので、内容が決まったら迅速にオーダーすることをおすすめします。

デスク脚・その他資材の調達

天板のオーダーが一段落したら、パーツ集めに着手します。このタイミングで買い揃えたのは以下の4点です。

・デスク脚
・鬼目ナット×16
・ケーブルトレー / 固定用ビス
・ブライワックス

まずデスク脚ですが、エイ・アイ・エスという会社の所謂インダストリアルデザイン風のものを採用しました。先述したお二方のnoteを参考にしたというのもありますし、実際のところカッコよくて良い製品だと思います。また、4本脚のものと比較して穴あけの位置決めが簡単そうというのと、使用時のグラつきが起きにくそうというのも選定理由に入っています。私の場合、天板の奥行きが80cmありますのでハイタイプ口型の幅広のものを使いました。X型なんかもおしゃれですね。

次に、天板と脚を接合するために使う「鬼目ナット」です。これは初めて聞く方もいらっしゃると思います。鬼目ナットは天板の裏面に埋め込み、ボルトを受け止めるために使います。

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先に紹介したテーブルキッツの脚には固定用のボルトが付属しており、このボルトがそのまま使える鬼目ナットを採用しました。写真でいうとM6はボルト径を示し、20mmはナットの長さ(=深さ)を示します。今回は板厚3cm(30mm)の天板を使用しますので、1cmの余裕があります。本当は16mmの鬼目ナットが良かったのですが、ホームセンターに扱いがありませんでした。鬼目ナットは意外と売っている場所が少ない感じがします。

ちなみに、鬼目ナットには「つば付き」「つば無し」があります。つば付きのものは鬼目ナットが必要以上に木材に入り込むのを防ぐ機能があります。しかし、埋め込みが不十分である場合、脚と干渉することもあるようですので、私はつば無しを選びました。ここは好みの問題でしょう。

ケーブルトレー(ケーブルオーガナイザ)はデスクづくりに必須のアイテムではありませんが、私はデスク下をスッキリさせたかったので取り付けることにしました。これは天板の裏面に取り付けて電源タップや電源アダプタを収納しておくためのものです。

私はイーサプライという会社のケーブルトレーにしました。サイズによって取り付け方が異なるようで、42cm幅のものはカゴと取付部品が一体となっており、90cm/120cm幅のものはパーツで分かれています。90cm/120cm幅のほうが取り付けやすい形をしていますので、希望するサイズに合えば大きめのほうをおすすめします。

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なお、このケーブルトレーには取り付け用のビスが付属しませんので、適当なものを購入します。私はM4×20mmのタッピングねじにしました。取扱説明書に推奨サイズの記載がありますが、あまり長いビスを入れるのも精神衛生上良くないと思い短めにしました。ビス頭の取り付け部材側が平面になっているものでないと仕上がりが格好悪くなりますので注意しましょう。

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最後に天板の塗料です。それなりに高いお金を出して天板を購入しているので、塗装で失敗したくはありません。そのため、今回は手軽で失敗の少ないワックス系の塗料を使うことにしました。その中でも定番中の定番とされているのがブライワックスというもののようです。色見本はこちらを参考にして、渋めの「ジャコビアン」というカラーにしました。結果を言うと、この色にして正解でした。アカシア集成材のランダムな木目によく合います。このあたり、詳しくは塗装編で書きたいと思います。

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長くなりましたが、準備編はこれで以上となります。次は塗装の工程について書いていきたいと思います。

この記事がデスクを作ろうとしている方にとって少しでも助けになることを願っています。

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