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2020年に聴いた最高のアルバムたち<洋楽>

どーも。
ベストアルバムの時期だけ登場する人です。

 2020年は自宅にいることが増えて、音楽を聴くことが増えた人も多いと思いますが、アーティストたちも影響を受けずに入られないようなパンデミックの中で、リモートといういつもと異なる環境の中で新しい作風にチャレンジできたのかもしれません。

そんな時勢の中ではやはりパーティアルバムは評価しづらく、自省的な作品が多いように思えます。

 その中で、軒並み絶賛されているのが8年振りに新作をリリースしたFiona Apple。他にもPhoebe BridgersやWaxahatcheeなど女性シンガーソングライターの作品が多く見られました。

生のLIVEは軒並み中止になってしまいましたが、配信が主流になったことで、これまで見ることがなかったアーティストのLIVEに触れた人もいたんじゃないでしょうか。なぜならそんなわたしは、乃木坂を初めてみることができたから。

来年に向けて、今年もお世話になったアルバムたちがよりたくさんの人に届きますように。
気になるアーティストがいたら、ぜひ再生してみてください。

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🏆ベストアルバム10選🏆


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The 1975 『仮定形に関する注釈』

上半期のまとめでも語ったが、ごちゃまぜのアルバムになったこともあり各メディアの評価としては過去作に比べると低いようだ(あのNMEですら43位!)。
ただアルバムが発売される度にポップバンドとして盤石ながら、実験的にチャレンジする姿勢は、完全に息をしていないように見えるロックシーンの中で唯一希望といってもいい輝きを見せてくれる。このアルバムは一見、方向性が迷子に思えるが一旦コンセプトから離れて、いまの気分を好きに混ぜ込んだバンドの屋上からの主張であり、ファンの期待に答えつつも悩みながら自己を追求していく姿勢を感じさせてくれるのではないか。
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Kelly Lee Owens『Inner Song』

2017年に発表されたデビューアルバムが同じく私的ベストに入っていたが、この3年越しの作品もランクイン。良さはそのままにドリームポップ感が薄れ、少しビートの効いたひやり冷たいけど、ふわっとした浮遊感あるエレクトロニカが特徴的になっている。またアルバム一曲目はRadioheadの『In Rainbows』に収められている「WeirdFishes/Arpeggi」のカバーだそうで、ファンでも全然気づかなかったから聴き直しちゃったよ。
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Oneohtrix Point Never『Magic Oneohtrix Point Never』

The WeekendやMoses Sumneyだけでなく、映画音楽などの製作を行う現代の鬼才音楽プロデューサーであるダニエル・ロパティンのソロプロジェクト。名称の起源であるラジオ局にちなんで朝起きてから深夜までラジオを聴く体験をコンセプト化したものになっている。
FMのノイズや自己啓発の言葉が壊れたようにループするコラージュ世界は、癒やされるのか壊されるのか…。合間に挟まされる電子化されたボーカル曲は、ラジオ中盤に流れるポップ音楽をイメージしたものとのことだが、これがダフトパンクが奏でるヒーリングミュージック並にキャッチーで参るわ。 
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Moses Sumney 『Græ』

自制が求められる世界では比較的、内省な作品が評価される傾向にあると先に語ったが、その中でも世界観が親しい作品ということもあり、Perfume Geniusと並んで今年を代表する作品になったと思う。オーウェン パレットやジェイムス ブレイクがクラシックを活かすように、彼もまたルーツになるソウルやゴスペルをベッドルームという自分の世界に取り込む。今回はそこからさらに広い世界に出て、より自己表現を開放するような壮大さを見せてくれる。
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Taylor Swift『Folklore』

実はテイラーのアルバムをちゃんと聴いたのはこの作品が初めて。もともとカントリー歌手からいまや女性シンガーとしてはポップス界の女王といってもいいきらびやかな存在の彼女が、この作品はジャケやタイトルからもわかるように大衆感を取り除いた幻想的でフォークなコンセプト・アルバムになっている。
ポップスとインディー界の頂点タッグに、界隈が”ざわざわ”したボンちゃんことジャスティン バーノンの参加楽曲『Exite』は、多くの小煩いヲタクファン(自分も)も惹きつけたと思うが、それをしっかり納得させてしまうアルバムだと思う。よくよく調べてみると、多くの楽曲をThe Nationalのアーロン・デスナーが手掛けていることもあり、道理でロックファンの耳に馴染むわけだ。
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Porriage Radio『Every Bad』

イギリス・ブライトン出身のフロントウーマンDana Margolinを中心とした4人組。ポスト・パンクやアート・ロックというジャンル付けはあまり意味の無いように思えるが、けだるく美しくもあるがどこか退廃的なオルタナティブなロックを鳴らす。
ノイジーなギターとは裏腹に淡々と歌うダナは、クランベリーズなどにも影響を受けていると言うから面白い。
M-10「Circling」のけだるくも、どんどん感情的に語られる「悪いことはない、すべて大丈夫」と暗示のように繰り返される言葉は、家で独りモニタに向かい淡々と作業する自分の心情に共感するような叫びだ。
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Gorillaz『Song Machine』

「Song Machine」と題し、アーティストコラボの楽曲を段階的にリリースしたプロジェクト。もともとアニメバンドということもあって、バックグランドを調べるとどのアルバムも彼らなり(2Dたち)の開発経緯があるから面白いんだけど、本作品はどの曲もエピソード仕立てになっているようだ。
もともとゴリラズ自体、デーモンがHIP-HOPに傾倒したプロジェクトだと思うが、今回はロック勢のゲストがかなり多く、発表されるたびに「マジかよ😱」って言ってた。
『Humanz』然りゲストが多い作品はパーティーアルバムになるみたいで聴いていて、シンプルに楽しい。たぶん今日から#いい感じbeatifuldayを使いたくなるよ。 

ゲスト:Beck、エルトン ジョン、ロバート スミス(The Cure)、ピーター フック(New Order)、Slowtai、CHAI、St.Vincent
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Yves Tumor 『Haven to A Tourtured Mind』

Moses Sumneyが内に向かうなら、ショーンボウイが表現するYves Tumorは、ベースミュージックを匠にアレンジしつつも、グラマラスで破壊的。比較的ロックやソウルに近寄ったとはいえ、このジャンルレスな作風はブラック・ミュージック的プログレとでも言おうか。
ライブ映像を見ると、もはやムード歌謡のようなグラムロックスタイルを魅せていて、視覚的なところも含めて、ぜひフェスで体感したいアーティストのひとりだ。
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Perfume Genius 『Set My Heart On Fire Immediately』

痛々しいほど繊細でミニマルなピアノバラッドを引き語っていたマイク・ハドレアスのキャリア最高作とも言える本作。「解放」をテーマに、クラシック音楽を用いたチェンバー・ロックや、アメリカのルーツ音楽を紐解いていったが、影響を受けつつも「自分のような人間は、ソウルや教会音楽には含まれていなかった」と語る彼は、自身の体験を元にそんな疎外された人たちも含まれた新たなポピュラー音楽を作り出した。
痛みも悲しみも感動も、アウトプットとして作品に変換することができるというのはアーティストの強みだが、何気なく生きる僕らもそこから学ぶことがきっとあるはずだ。
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Beabadooobee『Fake It Flowers』

フィリピン生まれロンドン育ちのビー・クリスティによるソロ・プロジェクトで、<ビーバドゥービー>と読むのだがいつも忘れてしまう。BBC Soundsノミネートだったり、The 1975のサポート・アクトをしたりという肩書はさておき、ティーンエイジャーの不安定さを捉えZ世代に支持されているとの事だが、僕には1.5周回って30歳代に刺さるようなアンニュイでいて、甘くポップなあの頃のギター・ロックに聴こえるから不思議。彼女を聴いているとふと高校生の頃に聴いていた、青い森のあのバンドを思い出すんだよね。
声、メロディ、楽曲すべてが日本人に琴線に触れると思うから、広くみんなにオススメしたい作品です。
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🐭🐭🐭

ベストソング

Dead Celebrities / Easy Life
Hell N Back / Baker
Running Red Lights / The Avalanchies
Dionne / The Japaese House
Modern Loneliness / Lauv

今年激押ししていたUK・レスター出身の5人組<Easy Life>は結局アルバムを発表せず、来日も無くなり話題にはならなかったが今年もっとも聴いたアーティスト(Spotify調べ)だった。
その影響で似たアーティストと出会うことにもなったんだけど、中でも<Baker>はかなりオススメ。ロンドン出身のソロシンガーで、グライム・スカ・パンクだけでなくまるでBloc Partyの声で、Jamie Tのような軽快なインディー世界を聴かせてくれる。

12月に4年振りの作品をリリースした<The Avalanches>は持ち前のポップさにゲストのリヴァース・クオモの切なボーカルも乗り、これまた耳から離れないような一曲。
去年アルバムをリリースした<The Japanese House>はEP『Chewing Cotton Wool』からこれまたボンちゃんとのコラボ曲をPick UPした。ボンちゃんほんと強いわ!
上半期記事でも紹介した<Lauv>は、いまいち知名度が掴めないんだけど、純粋な超良い曲のバラード。日本でいうと嵐とかに提供している作曲家がそのまま表舞台に出てきた感じ?アーティスティックにアイドルソング(インディポップ)をやるって新感覚。



おまけ:超偏愛盤

最後に、ベストアルバムには含めづらいようなちょっと癖のある作品をどうしても紹介しておきたかったので、簡単にまとめました。

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Nick Cave 『Idiot Prayer(Nick Cave Alone at Alexandra Palace)』

ロックダウン中の6月にロンドンのアレクサンドラ・パレスで行われたピアノ・ソロ・パフォーマンスを配信・音源化した作品。個人的にアコースティックやピアノだけで語られるシンプルなアレンジが大好きで、ニックの歌も聴く側がつい複雑に捉えがちだけど、シンプルに聴くとこんなに良い曲なんだ。と改めて体験させてくれた。
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The Microphones『Microphones in 2020』

元々マウント・イアリ名義で活動するフィル・エルヴラムが、突如初期に使用していたThe Microphones名義で発表したアルバム。1曲全44分といつまで立っても僕は最初のギターループから逃れられません…。ちなみにしっかりMVもあるので、ぜひ見てみてほしい。


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James Blake『Covers』

ジェイムス ブレイクは元々カバー曲で注目されたということもあって、これまでカバーされた曲はどれも素晴らしいのだが、まさかここに来てインスタライブでも披露していたカバー作品をリリースしてくれやがった!この野郎(歓喜)。EPとしてまとめられた全6曲はビリー アイリッシュ、フランクオーシャン、ジョイ・ディヴィジョンなど。全然、徳永英明みたいにもっとカバー作品作ってもいいんやで
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まとめプレイリスト

👷後で追加予定👷


🐮🐮🐮

以上で、「2020年の最高のアルバム」の紹介を終わります。少しでも参考になれば嬉しいです。最後に過去記事も興味があったら、ぜひ覗いてみてください。

 去年ありがたいことに、下記の記事をnoteに取り上げていただいたおかげで沢山のひとに見てもらうことができました。

いままで誰も見ていないだろうなと思いながら書いていたので、「今年も頑張ろう!」と珍しく意欲的だったのですが、別ではじめたYoutubeの方に時間をかけすぎて遅くなってしまいました。比重が難しい。

それでは!ここまでお読みいただきありがとうございました。

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