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日めくりアルバムチャレンジ

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平日のアウトプットに。レビューと言うよりも思い出や好きを語ってます。
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記事一覧

日めくりアルバムチャレンジ #19 『Up the Bracket』

The Libertines 『Up the Bracket』正直言って、LIVEでこんな下手くそな演奏を観たのははじめてだった。いや、演奏とかメロディとかすべてを凌駕してしまうような”なにか”がそこにあったような気がする。ロックンロールの初期衝動のすべてがそこにあった。  04年の来日はピートがいなかったため、完全な形でのバンドを見れたのは03年が最初で最後という貴重なSHOWだった。 とにかくフロントのピートも、カールもギターが素人でもわかる下手くそさだったせいで、

日めくりアルバムチャレンジ #18 『Xtrmntr』

Primal Scream 『Xtrmntr』  90年代のUKロックバンドの中で、不動の四天王となっていたのがOasis、Blur、Radiohead、そしてこのPrimal Screamだ。  名盤『Screamadelica』はマッドチェスター的なサイケ、代表曲の「Rocks」はロックンロール、そしてこのアルバムはバンドの中ではテクノやエレクトロニカ的アプローチが爆発した快作と、このバンドはいまいち実態が掴みづらいバンドだと思ってて、挙げ句にはメンバーが何人いるの

日めくりアルバムチャレンジ #17 『Terror Twilight』

Pavement 『Terror Twilight』そろそろこのタイトルにも飽きが来て、#20ぐらいまで行けたらタイトル自体を再考したいと考えてる。チャレンジってなんか変だよね。  専門学校か文京区か忘れてしまったんだけどこのアルバムに出会ったのは図書館だったと思う。当時はディスクユニオンの中古コーナーの洋楽ロックをA-Zまでチェックして聴いたことがあるようなバンドのCDを探していたり、とにかくなんでも吸収しようというパワーが凄かったし、時間もあった。 いまとなっては、

日めくりアルバムチャレンジ #16 『The Man Who』

Travis 『The Man Who』 バンドの2ndアルバムで「Writing To Reach You」という魔曲(?)を収録した作品。この曲がまんまOasisの「Wonderwall」じゃないかなど話題にもなったけど、自分に取ってはただ知るきっかけを作ってくれたにすぎない。 このアルバムは全て良い曲で構成されているので、正直先に上げた曲がパクりかどうかは、どうでもいいと思ってる。重要なのはアルバムのクオリティだからだ。  きっかけはそんなAKBが好きだからSK

日めくりアルバムチャレンジ #15 『Urban Hymns』

The Verve 『Urban Hymns』  昔はCDショップが当たり前のように音楽を探す場所だったから、ジャケットを見て興味を持つ、帯を見て買うというのを普通にやっていた気がする。 97年のOasisの3rdアルバム『Be Here Now』以降、よりバンドのファンになっていた自分としては、「オアシスみたいな、バンドはいねぇがぁー」ともっともっと求めていた。そんな時に出会ったのがこのThe Verveだ。 帯には、「Oasisのリアム・ギャラガーが連続して30回以

日めくりアルバムチャレンジ #14 『Bankrupt!』

Phoenix『Bankrupt!』  最初にPhoenixを知ったのは実は結構遅くて、どちらかというとバンドの特徴であるポップさ控えめで、ロック色が強い『It's Never Been Like That』だったから、フランスのストロークスみたいな感じ?とあんまり印象に残っていなかった。 このアルバムの一曲目「Entertainment」を聴いて一発でヤラれてしまったわけだけど、その後コーチェラでトリを務めたりとバンドの立ち位置を全く理解していなかったことに気づき、巻

日めくりアルバムチャレンジ #13 『Demon Days』

Gorillaz 『Demon Days』  デーモンのプロジェクトということは認識されながらも(まぁ、声がそのものだったし)、一応覆面バンドとしてスクリーンの後ろで演奏するスタイルを取っていた。 活動初期時に来日した、2001年のsonicmaniaでのLIVEは、どうしてもGorillazだけは一瞬だけでも見たくて、仕事をなんとか抜け出して大きく映し出されたヌードルの映像を思い出す。 いまはむしろ奏者が、完全に前に出るスタイルになっているから初期スタイルのパフォーマ

日めくりアルバムチャレンジ #12 『Bon Iver』

Bon Iver / 『Bon Iver』  ここ近年のNo.1アーティストなんじゃないかと思ってるジャスティン・バーノンことBon Iver(通称ボンちゃん)。  Bon Iver名義で出したアルバムは、シンプルなフォークアルバムからより壮大な世界観を魅せてくれる出世作となったこのアルバムを経て、エレクトロニカに昇華されていったのだが、4枚すべてが名盤というクオリティの安定っぷり。 アコースティックではしっかり聴かせる、バンドオーケストラのような壮大なランドスケープ

日めくりアルバムチャレンジ #11 『Nu-Clear Sounds 』

Ash /『Nu-Clear Sounds』このアルバムを聴くと、昔の自宅の部屋でひとりゲームをやっているのを思い出す。 聴きながらしていたから、記憶が結びついているんだろう。  どちらかというと、UKのパワーポップバンドとしてそのキャッチーさがバンドの特徴なのだが、不思議なことにBlur同様ポップアルバムでなく、少し陰鬱になった作品でその存在を知ることになった。 いままで振り返ってみても当時の自分、「どんだけ暗いの好きだったんだよ。」と思い笑ってしまうけど、周りに昔

日めくりアルバムチャレンジ #10 『Swing Lo Magellan』

Dirty Projectors / 『Swing Lo Magellan』 James Blakeと並んでここ最近のファイバリットバンドであるブルックリンのインディーロックバンドDirty Projectors。まぁバンドというより、もはやソロプロジェクトなのかもしれないが。 前作があまりに名盤すぎて、このアルバムは過小評価されているようだけど、このバンドをフェイバリットって明確に言えるようになったのはこのアルバムのおかげだったりする。  そんな僕ももちろん彼らを知っ

日めくりアルバムチャレンジ #9 『Blur』

Blur / 『Blur』 Oasisから洋楽の世界に飛び込んだ僕は、彼らの存在を知りつつもなんか聴く気になれていなかった。その頃はとにかくダークな雰囲気で、しっかりロックしている音が好きだったから、そのポップさが受け入れづらかったのかもしれないし、自分はOasis派とか思ってたのかもしれない。 そんな先入観は、ふと流れた「Beetlebum」のビデオを見て、打ち砕かれることになるのだが、それがいまにも続くBlur生活のはじまりであった。  不思議なことに、自分にとって

日めくりアルバムチャレンジ #8 『Agaetis Byrjun』

Sigur Ros / 『Agaetis Byrjun』多くの人が「キモっ」て思うよね。このジャケ。 でも白線の上をバランスを取りながら歩くように、その気持ち悪いと美しいと思う感情はせめぎ合い、すぐどちらかに崩れてしまうような危うさなのかもしれない。  Sigur Rosというバンドはこの2枚目のアルバムの時に、Radioheadの前座、日本語のように聴こえる曲、ユニークな歌声、ギターをバイオリンの弓で弾くエトセトラエトセトラ...と。売れる要素がたくさん絡み合って登

日めくりアルバムチャレンジ #7 『Rock Action』

Mogwai『Rock Action』ポストロックってなんかカッコいい響きだよねぇ。 とか思ってた時代がぼくにもありました。  そんな「ポストロックとは何ぞや?」と思っていた頃に最初に聴いたのがこのMogwai。昔はアナログにCDをdigるしかなかったからよく図書館を利用していたんだけど、そこで見つけた「EP+6」を何故かたまたま手に取ったのがはじまり。 いままでずっとJ-popで育ったから、やっぱり歌ものが一番しっくり来るんだけど、ほぼ歌なしというインストゥルメンタ

日めくりアルバムチャレンジ #6 『Relationship Of Command』

At The Drive-IN『Relationship Of Command』 内省的なUK Rockばかり聴いてきた僕だが、年齢が大人に近づくに連れいままで苦手だったUSのラウド系の音楽も受け入れることができるようになっていた。 Brit Popムーブメントが終わりを迎える中、USではミクスチャーが大きなトレンドになっていて、Limp BizkitやKORN、Linkin Parkなどさすがにマリリン・マンソンは無理だったが、中学や高校のときに感じていたこととは異な