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小倉あん
2021年2月20日 00:20
恋をしなさいと父は言った。君はますます輝いて傷ついた心の痛みも君を輝かせる。恋なんてしなくていいよと母は言った。恋をしたらお前はお前でなくなるお前はどんどん傷ついてそして誰かをどんどん傷つける。西向きの埃っぽい部屋で冬の陽に当たりながらコーヒーを煎れる父を見る震える白い指から香りが立ち登る。けたたましい声鵯が窓ガラスの母の影を横切る庭に向けられた母の鋭い目は
2021年9月8日 13:12
9月4日(土)夏の暑さを冷ます涼しい雨が降っている。一瞬 カーッと晴れ蝉が一斉に鳴き出した。行ってしまう夏に必死にしがみついているみたいだ9月5日(日)小刻みに揺れながら猫がまばたき信号を送って来たゴハン ゴハン ゴハン私はちょっと意地悪して解読出来ないふりをしたゴハン ゴハン ゴハンこのあと私の左足に傷三つ出来ました猫をじらしてはいけません。9月6日(月)茶色に