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発達障害のある就活生が就活で苦労しないために伝えたいこと

ここにたどり着いた方は、様々な事情を抱えている学生が多いと思います。
来年から就職活動を迎えるけど、どう就職先を選ぶべきか分からない。
GWを過ぎても、まだ内定先が見つかっていない。
あるいは、既に社会人として働いている方もいるかもしれません。

この記事では、僭越ながら僕が社会人として16年働いてきた経験から社会人の目線で、筆をしたためました。

伝えたいこととしては、①どういう人物を面接官は採用したいのか ②社会人になるまで準備したいこと になり、社会人が普段どんな目線で働いているかを解説します。

この記事は、正直生易しいことは述べていません。
時には、僕を耳の痛い話をするオッサンと敬遠する瞬間もあるでしょう。
しかし、どうかここは最後まで辛抱して読んでください。
一度立ち止まって見て、皆様が自分の力で志望の会社に内定がもらえる一助となれば、嬉しいです。


①どういう人間を採用したいか、面接官の立場になって考える

1.「コイツと一緒に働きたいか?」

エントリーシートであれ、履歴書であれ、面接であれ、結論は会社にとって「自分と一緒に働きたいと思ってもらえるか」が全てです。

会社は、サークルのような仲良しこよしの集まりではありません。
働くことで、利益と生産性を得る場所です。
更に言えばあなた自身、会社は選べても人は選ぶことができません。
タイプの合わない人、10人いれば必ず1人は出くわします。
社内文書一つ出すにしても、表現がどうだとか字体がどうだとか、正直どうでも良いことに重箱の隅をつつき、非難を浴びせることで承認欲求を得たい残念な人もいます(実際相手する時もあります)。
友達付き合いとは違う「表面上のやり取り」で接しなければいけない時も、訪れます。

あなたの周りの働いている人に、聞いてみてください。
「お父さん、大人の対応って何?」って。
たいてい「我慢」とか「忍耐」とかって返ってきますから(笑)
そうなんです、地道に耐えながらも自分の望むことを実現したくて、多くの社会人は働いています。
僕の同僚も、良く言っています。
「言いたい気持ちは分かるけどね、でも私たちは大人だから穏便に済ましてお互い傷つかないために、先に謝るのよ」って。
自分が悪くなくても、部や課の人間として非があれば代表して謝るなんて1週間に1度は必ず訪れます。

そう、これでは大人であってもストレスですよね?
大人だって学生時代は、あなたと同じことを考えていました。
僕がそうでしたから(笑)
どうせ1日の半分を仕事に費やすなら、お互い気持ちよく過ごしたいのが人間の性なんです。

だから意にそぐわないことに出くわしても、ポジティブに対応できる人が周りから慕われ、敬われるのです。
嫌でしょう?文化祭のバンド演奏で観客満員御礼を目指すという目標がある中、メンバー1人だけ演奏せずにいつも楽器を磨いている人がいたら。
会社に置き換えたら、大掃除頑張りましょうと言って周りが机磨きに勤しんでいる傍ら、喫煙室でずっと暇を持て余しているようなものです。
働いている方なら「何を今さら」と思うかもしれませんが、社会は信用なくして責任のある人間と評価されないのです。

人の役に立ちたい。
互いにストレスを抱えることなく、気持ちよく働きたい。
チームで成果物を出したい。

そうした理由から「コイツと一緒に働きたいか?」と思ってもらえるかが重要になるのです。
言いかえれば、BOSSのCMの宇宙人ジョーンズが言うように「この世は誰かの仕事でできている」とも表現できるでしょう。


2.「人物重視」の裏に隠された会社のホンネを理解する

「我々は、学歴よりも人物を重視します。」
今では多くの会社が、この言葉を謳い文句に学生に自社をアピールしています。
しかし結論、これは半分正しくて半分は嘘です。

なぜなら、人柄が良い人は高学歴の方が多いという傾向を、人事は熟知しているからです。

例えば、Aという会社は誰もが知る超大手会社です。
今年は、50人採用枠を取ると宣伝しています。
応募者は、10000人集まりました。
さあ、ここからどう50人に絞りましょうか?
一次の適性検査で、一気に500人絞ってみます。
そして、絞り出した500人は十中八九、高学歴です。

学歴でふるいをかけられた?
残念ながら、ある意味本当のことです。
しかし、それ以上に高学歴の方は問題解決能力に長けているという事実があります。
受験で既に正しい論理的思考力と読解力を以って入学し、学生時代も目標達成に向けて計画して実行していることを、彼らは無意識のうちにやっています。
おごり高ぶることなく自分を律するために、彼らは自分に誇りを持ちつつも、相手に対しては謙遜して自分は下だ、他人から学ぶべき立場であることをわきまえています。
「実るほど頭が下がる稲穂かな」。
だから最終面接の頃になって高学歴が集まってくるのも、自然の摂理なのです。

手っ取り早くニュースや流行を追っかけるために、スマホやTVに頼っていませんか?
確かに手っ取り早い方法ですが、それは断片的な「知識」でしか情報を得ることができません。
なぜなら、詳しく調べようともせずその時得てした情報で、満足しているから。
深く理解するためには、一つでも多くの著作から、知識を得て自分で知恵を得る。
昔も今も、自分を成長させるツールは、活字で書かれた紙の本。
賢い学生は、そのことを人から言われなくても自分から進んで読書して、知性を磨くことで常に己をアップデートしています。

故に、人として出来ている学生は高学歴が多く「人物重視」と謳っているとは言え、会社は未だに学歴を重んじているのです。


3.あなたが積み上げた功績、会社に活かせなければ宝の持ち腐れ

いくら学歴や実績が素晴らしくとも、それが会社の成長に活かせると面接官に思わせなければ、内定には近づきません。

なぜなら、会社は未だ取り組んだことのない課題に取り組むことで他社と差別化し、新しいサービスを提供することで利益や生産性を得る場所だからです。
利益や生産性を得られるようなスキルがなければ、用無しです。

言うまでもなく、学生の本分は勉強です。
きちんと優秀な成績を収め、学内で表彰される人物は面接でのウケも良いです。
しかし、これはあなたを見るための「入り口」でしかありません。

学内優秀成績者で表彰された。
スポーツ大会で1位を取った。
確かに、立派なアピールポイントです。
しかし、それをどう仕事に生かそうとしてますか?
あなたの功績によって、会社にどのような利益や生産性が期待できると考えていますか?

社会人は「頭は良くても賢くなかったら使えない」ことを、誰しも理解しています。
つまり、得てして来た経験が仕事に結び付くような話し方ができなければ、ただの自慢話で埋もれてしまいます。
例えば、こんなことが言える学生だったら、会社は採用したい気になるでしょう。

面接官「学生時代に打ち込んだことは、何ですか?」

学生「はい、学生時代、私は外国からの知見を広げて社会のことをもっと良く知るために、英語を頑張りました。毎日通学の行き帰りの電車では、スマホに吹き込んだ海外のニュースをひたすらリスニング・口パクすることで寸暇も惜しまず、合格するために1点でも多く近づく工夫をしました。
結果、英語スクールにも通わず独学で1年の期間でTOEIC830点を取得し、今では海外へ行くとき通訳なしで一人で旅行できるようになりました。
この経験から、御社でも時間を無駄にすることなくパフォーマンスを発揮することが可能なほか、海外との取引でも外国人相手に商談を進め、新規契約に結び付ける橋渡しとして貢献できます。」

僕は、学生時代「勉強ができて真面目であれば、社会で認められる」と思い込んでいました。
もっと言えば、会社を偏差値でランク付けしていました。
僭越ながら実際、大学4年生の時学内優秀で奨学金を取得し、内々定懇親会の時言われてもないのに表彰状を提出したこともあったくらいです。
痛い子でしたね(笑)
当日の提出物は、卒業見込証明書だけで良かったのに。
会社は「良かったですね、おめでとうございます」とつれない返事。
当然でしょう。
恐らく「コイツは自分を鼻にかけるヤツだ」と要注意人物としてマークされていたと思います(だから社会人3年目から自主退職を促されるように目を付けられましたが)。

結論、いくらあなたが何かに秀でても、その能力を会社に活かせなければ意味がありません。
繰り返しになりますが、知性を磨くことが社会貢献に結びつくのです。


②社会人になるまでに、準備したいこと

1.やりたいことと、できることを整理する

自分にとって強みと弱みを判断するため、やりたいこととできることを整理するのは、重要です。

なぜなら、長い人生の中であなたの進路・将来の目標など社会で働くうえでは、自分のキャリアについて選択を迫られる機会が何度もあるからです。
そのような選択の際に必要となるのが、自分の考え方や価値観の傾向です。

商社でバリバリ働いて、お金を稼ぎたい。
人事コンサルタントとしてお客さんの悩みを解決して、信用されたい。

色んなやりたいことが、あると思います。
しかし、それは「できる」とは違います。

実際やりたいことをしても、一人で動くことはできません。
上司がいて、同僚がいて、部下がいて、色んな立場の方がいて会社は成り立っています。
また、やりたいことがあってもそれが本当に自分に「できる」のか?
見極めをしないと、内定が出たとしても入社してから苦労することになります。

過去、学生時代に「話下手だから、営業に入って話し上手になりたい」と言う当事者さんがいました。
しかし、臨機応変な対応やマルチタスクの困難から結局長続きせず、鬱で寝込んでしまいました。
その後社会復帰できるまで、3年かかったということです(本人曰く、現在は身の丈に合って障害者枠の事務に転職し、安定就労を続けているそうです)。

この事例で言いたかったことは、安易に理想を追いかけて就職活動を行ってはリスクを伴うということです。

僕は今でも、定期的に会社でやりたいことと、そのために自分にできることの棚卸を行っています。
なぜなら、他の方と比べたらどう頑張っても出来ないことでハンデを背負っている分、知らずにできない部分に手を付けてしまうことでコンディション低下を招き会社と自分に損を被りたくないからです。

以上から、やりたいこととできることを整理する必要があります。
社会で人と関わりがある以上、自己分析は一生付き合うことなのです。


2.組織と自分のスウィートスポットを見つける

スウィートスポットとは、あなた自身の目標と組織のビジョンの共通点を指します。
そして、スウィートスポットを見つけることは、会社と自分が良い相性で居続けるために必要な作業になります。

なぜなら、組織は事業を達成するために緻密に計画を立て、段階を経てビジョンを立つという使命があるからです。
それが出来なければ会社はつぶれ、あなたが路頭に迷うリスクだってあります。

さて、スウィートスポットの見つけ方を紹介しましょう。
まず、会社案内を見て以下の3点を見つけます。

A:組織の存在理由とは?
B:組織のゴールとは?
C:組織がゴールに向かうための手段とは?

次に、これらを自分に当てはめてみます。

A:自分の存在理由とは?
B:自分のゴールとは?
C:自分がゴールに向かうための手段とは?

ここまで来ましたら、あなた自身の目標と組織のビジョンの共通点を探します。
その際、次の問いを念頭に置いてみます。

・自分の存在理由とつながる、組織における自分の存在理由とは?
・自分のゴールとつながる組織における自分のゴールとは?
・組織における、自分のゴールに向かう手段とは?

この答えを見つけることで、スウィートスポットが発見できます。
そしてあなたが出した答えは志望動機を書くだけでなく、自己分析にもつながります。

もし考えに考え抜いて1週間経ってもスウィートスポットが見つからなかったら、その会社はあなたとのご縁がないと諦めて次に切り替えた方が良いでしょう。
一つの会社だけに絞るほど時間はないですし、万が一本命で受けた結果落ちてしまった時の心理的ショックも考えると、現実的とは言えないでしょう。

以上から、スウィートスポットを見つける作業が大事になるのです。
僕でさえ、会社との誤解齟齬が起きないよう、毎年会社で目標設定を行う上で見直しているくらいですから。


まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
以上、①どういう人物を面接官は採用したいのか ②社会人になるまで準備したいこと について説明しました。

社会は、きれいごとだけでは生きていけません。
多くの社会人は、それを分かった上で働いています。
なぜなら、人は人それぞれの正しさを持っており、一人が正しいと思っても他の人からしたら間違いということが時として起きるからです。

なので、①で相手の真意を汲み取る重要性、②であなた自身がつぶされないための身の守り方を解説しました。

残念ながら、この世は人の「好き嫌い」で動いています。
会社も、友達関係も、ご近所さんとの付き合いも。

僕は学生さんに、一つの会社に定年までしがみつく必要はないし、時機が来たら転職する選択肢もあって良いと思ってます。
実際僕は今まで3回転職しましたし、僕の会社ではステップアップを目指して転職する中間管理職もゴロゴロいてます。

だからといって、手は抜かないでくださいね。
人に揉まれる中で自分を見つめ直すことで、自分をアップデートできるのです。

この記事を参考に、あなたの就職活動が実りあるものになるよう、願っております。


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