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わかり合えないなら、わかり合いたい。


わかり合いたい、という気持ちはどこから来るのだろうか。

国籍、年齢、性別、いろんな【ちがい】はあるけれど、視野をぐんと広げてみればそれらが世界をつくっているわけだし、同じ地球に住んでいる、ということなんだと思う。

反対に、わかり合えない、という気持ちはどこから来るのだろうか。

国籍、年齢、性別、いろんな【ちがい】が受け入れられない、ということかもしれないし、ひどい戦いによる悲しい何かがあって、その気持ちが報われない、ということかもしれない。


家に帰ると、TVには『ドリーム』という映画が映し出されていた。NASAの宇宙計画を支えた知られざるヒロインたちを描いた、実話に基づくストーリーである。

1961年、アメリカはソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。NASAのラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに欠かせない“計算”を行う優秀な黒人女性たちのグループがあった。そのひとり、天才的な数学者キャサリンは宇宙特別研究本部のメンバーに配属されるが、そこは白人男性ばかりの職場で劣悪な環境だった。仲の良い同僚で、管理職への昇進を願うドロシー、エンジニアを目指すメアリーも、理不尽な障害にキャリアアップを阻まれていた。それでも仕事と家庭を両立させ夢を追い続けた3人は、国家的な一大プロジェクトに貢献するため自らの手で新たな扉を開いていくのだった……。

実話に基づいた内容であるということを知っている限り、胸を痛めずにはいられないのだけれど、それでも、主人公たち黒人女性が自ら権利を主張し、その実力で周囲の人々に認められていく過程は、ただただ美しかった。

そんな彼女たちの雄姿に魅せられて、帰宅後コートも脱がずにTVの前で突っ立って画面を眺めていた。


当事者でないわたしにできることは、決して多くはないのかもしれないけれど、同じ過ちを繰り返さないように、とただ祈ることしかできないのだろうか。いや、きっと、そんなことはないはずで。

大それたことをやり遂げようという使命感というよりも、目の前の小さな一歩を積み重ねていきたい、というわたし個人の意志。


人々は昔から「境目」を守るために戦ってきた、というようなことを以前noteにも書いたのだけれど、戦う人々の根底には【わかり合えない】という気持ちがあるように思えて。

バイアスがかかっている場合やじぶんの大切な人が傷つけられた場合、(宗教というわけではなくて)思想の偏りも、大衆的なものから個人的なものまで、様々な情報や感情が関与して【わかり合えない】がつくられている。

今も戦いが起こっていること、人を殺めるというということは決して許される行為ではないけれど、目の前の残虐な行為を裁くだけでは根本的な解決に至らない。行為ではなくその内側にあるものを、当事者ではない私たちだからこそ、客観的に見つめることができるのだろうか。

熱が入って、ちょっと話が大きくなってきちゃったな。


なにが言いたいかというと、社会に【認められる】ということはマズローも示した通り人間の根本的な欲求なので、そこを満たすことができれば、もう少し私たちはたのしく生きられるのではないだろうか、ということ。

なにも、相手の考えや行動すべてに【賛成】しなければいけないというわけではない。まずは、目の前のだれかを【理解しようとする】ことが大切なんじゃないかって。

その手法はやっぱり、ほぼ日の糸井さんがおっしゃっているように【ともだち】になることなんじゃないかな。じぶんから話してみないとわからないことってたくさんあるし、同じ日本人でもコミュニケーション不足から齟齬が起こってしまうわけがから、言葉のちがう外国の方ならもっと誤解が生じやすいわけじゃないですか。

一方通行では【相互理解】が成立しているとは言えないのだけれど、まずは【 I understand you 】の姿勢からはじめていきたい。

でも、過ごしてきた文化や背景の【ちがい】から、お互いの主張が平行線をたどることはいくらでもあったし、「 Are you Chinese ? 中国人だったら・・・だったけど、Annaは日本人だったんだね!」みたいなことを言われたこともあった。そいういうのは、すごく居心地がわるかった、ということだけは覚えていて。

一方で、イギリスにいた頃「同じ人間なんだから、もうそういうのくだらないよね」って言い合えるような【ともだち】がたくさんできたことは、わたしにとってかけがえのない財産だと思う。彼ら・彼女らが、それぞれの国でどのように暮らしているのかがわかってくると、私たちは同じ人間なんだと思えるよね。



だからわたしは、じぶんと相手の【ちがい】を【わかりたい】し、【わかり合いたい】。国籍、年齢、性別、いろんな境目をまぜていきながら、そんな未来をつくっていきたいね。

まだまだ道のりは通いけれど、小さな一歩をどんどん積み重ねていこう。

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