光刺す時
分厚いガスが覆っている。そのガスの暗闇の中には豊かな水が。水の深みに星が沈んでいる。その惑星に命はまだ存在していなかった。そして声がした。命の始まりを意味する声が。
「光よ,輝け!」
大気は整えられ暗闇に光が差し込んだ。広大な大海原に初めて光が差し込んだ。時は動き出した。その時は切り取られ記録された。
“すると光が輝いた。”
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ロウソクに灯る光は揺らめきながら燃えてゆく。人の命はロウソクに灯された光のようだ。だれが火を灯したのか。
「私たちに似た者として人を造ろう。」
“神は地面の土で人を形作り,その鼻に息を吹き込んで命を与えた。すると生きた人になった。”
こうして命という光が人の中で燃えはじめた。
“この方は初めに神と共にいた。 全てのものはこの方を通して存在するようになり,彼を通さずに存在するようになったものは一つもない。 彼によって存在するようになったものは命であり,命は人類の光だった”
神から人の設計図を渡された天使。その働きによって人類は存在し、光を見るようになった。
“初めに,言葉と呼ばれる方がいた。言葉は神と共にいて,言葉は神のようだった。”
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“どんな人にも光を与える真の光は,世に来ようとしていた。”
この天使は真の光として地に生まれてきた。
“こうして,言葉は人間となって私たちの間に住み,私たちは彼の栄光,独り子が父から受けた栄光を目にした。彼には神の恵みと真理が満ちていた。 ”
地上に真の光が降り注いだ。
“イエスは再び語った。「私は世の光です。私の後に従う人は決して闇の中を歩むことがなく,命を与える光を持つようになります」”
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カナという地での結婚式に参加したイエスは母親からワインの調達を頼まれた。イエスはこう答えた。
「それは私たちが心配することですか。私の時はまだ来ていません」
その後ガリラヤからエルサレムの祭りに向かうことになった。イエスはユダヤ人たちが自分を殺そうとしていることに気づいていた。イエスは兄弟たちにこう述べた。
「あなたたちは祭りに行きなさい。私はまだ行きません。私の時はまだ来ていないからです」
夜が来ようとしていた。
「私たちは昼のうちに,私を遣わした方の望むことを行わなければなりません。誰も働くことができない夜が来ようとしています。私は世にいる間,世の光です」
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ギリシャ人がイエスに接触しようと弟子の1人に引き合わせを依頼した。イエスはこう答えた。
「人の子が栄光を受ける時が来ました。はっきり言っておきます。1粒の小麦は地面に落ちて死なない限り,ただ1粒のままです。しかし,死ぬなら,多くの実を結びます。」
時代が変わろうとしていた。
「光はもうしばらく皆さんの間にあります。光があるうちに歩きなさい。闇に征服されないためです。闇の中を歩く人は,自分がどこへ行くのかを知りません。光があるうちに光に信仰を抱きなさい。光の子となるためです」
日が暮れるまで残りわずかとなった。イエスは神に祈って言った。
「父よ,時は来ました。あなたの子に栄光をお与えください。子によってあなたが栄光をお受けになるためです。あなたは全人類に対する権威を子にお与えになりました。子が,自分に託された人全てに永遠の命を与えるためです。」
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永遠の命。真の光。最初の人間アダムが失った光。希望の光。
西暦33年ペンテコステの祭りの日
“突然,激しい風が吹き付けるような音が天からして,彼らが座っていた家全体に響き渡った。 そして,炎のような舌が幾つも現れ,散っていって一人一人の上に1つずつとどまり, 皆が聖なる力に満たされ,さまざまな言語で話し始めた。”
光は配られた。夜の間も光を灯せるように。
「私はあなたを国々の光に任命した。あなたは地の果てにまで救いをもたらすのである」
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夜は深まり、朝は近づいている。
“私たちにとって預言の言葉はいっそう確かなものとなりました。預言の言葉は,暗い所で輝くランプのように皆さんの心の中を照らします。夜が明けて明星が昇るまで,皆さんがそれに注意を払っているのは良いことです。”
明けの星はすでに昇っている。
「私イエスは天使を遣わし,各地の会衆のためにこれらのことについてあなたたちに伝えました。私はダビデの根また子孫であり,輝く明けの星です」
時は予定された出来事とともに刻まれてきた。
“これは,あなた方のために与えられるわたしの体を表わしています。わたしの記念としてこれを行ないつづけなさい”
1つのウイルスのワクチンや治療薬ですらおぼつかない人間の非力さ。
全ての病に終止符を打つ特効薬となって下さったイエスの贖いの偉業。
真の光が差し込む朝が来ようとしている。
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