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やりたいことをがんばりたい

映画館で映画を観るのが好きで、近所の映画館の上映予定を日頃からちょこちょこチェックしている。

ホラーやスプラッターものは苦手なので気になる映画が該当しないか入念に確認する。
しかしストーリーはといえば簡単に作品紹介を読む程度で、わりと直感的に観たいと思ったものを観にいく。

このところぜったいに映画館で観ようと決めていた映画が『ルックバック』だ。
本日無事に鑑賞できた。

原作者の藤本タツキさんがチェンソーマンを描いた方だとも知らず、チェンソーマンもどんな漫画だか知らない。

『ルックバック』をひとことで表すなら、小学校4年生の少女が友だちとひたすら漫画を描いていく物語だ。

最近の映画にしては珍しく、上映時間はたった1時間。
だけど、2時間の映画を観たような充実感があった。

わたし個人的には、途中「ああ、そうなっちゃいますか…」との展開をやや残念に感じたものの、それを差し引いても上映開始10分でもはやうるっときたし、現段階で2024年のNO.1映画といっても過言ではない。

「あれ?どういうこと?」と思うシーンもあって、それはパンフレットを買って読めば紐解けるのかもしれない。
しかしわたしは迷った挙げ句パンフレットを買わなかった。

そういう「正解」っぽいものを観てしまうよりも、「ルックバック」の意味を自分で解釈したいから。

∽∽∽

ネタバレは公式サイトに書かれている程度にとどめて感想を述べよう。

主人公の藤野は小学校の学年新聞で4コマ漫画を連載している。
クラスメイトからも絶賛されて、だいぶ図に乗っている。

ところが、ある回から4コマ漫画2枠のうちの1枠を、隣のクラスの京本が担当することになる。
京本は不登校生だが、自宅で漫画を描いているのだという。

さあ学年新聞が配布される。
はじめて京本の4コマ漫画を目にした藤野は、画力の差に打ちひしがれる。
そして、授業中も、放課後も、帰宅してからも、ひたすら描画に没頭する。

本を買って基礎から作画を学び、描いて描いて描きつづける。

∽∽∽

没頭するって、尊い。
なにかに没頭している人に、横槍を入れてはいけない。

心配と迷惑は紙一重だ。
親でも、友だちでも、「心配だから」とあれこれ口出ししたくなる気持ちも分かるが、あなたの心配は単なるエゴかもしれない。

「ほら、言わんこっちゃない」と思わず口をついて出るような失敗をしようが、痛い目をみようが、本人にとってすべて必要な経験だ。

そこで諦めてしまうのもまた人生だし、傷ついても再起するのもまた人生だし、方向転換するのもまた本人の人生だから。

せっかく「やりたい!」との強い衝動に突き動かされて没頭している人に対して、横からの茶々入れはタブーだと思うのだ。

逆にいえば、やりたいこと・やってみたいことがあるのなら、誰になんと言われようと満足いくまで、やめてもいいやと思えるまで、やったほうがいい。

よそさまの「心配」になど耳を貸さなくていい。
そんなことでブレーキをかけてはもったいない。
(ケガとか病気とか、そういった重大なリスクなら気をつけたほうがいいけど)

突っ走った結果、派手に散ろうが、燃え尽きようが、思いっきり何かにぶつかり、打ち込んだ経験は何物にも代えがたい財産だと思う。

やってみなければ、失敗してみなければ、得られないことがたくさんある。

「ルックバック」は「振り返る」という意味。
だから、打ち込んで終わりじゃないの。
振り返って、解釈をして、自分のものにしていくところまで、ぜんぶ物語だから。


本作は「やりたいことがない」という人にはちょっとしんどい映画になってしまうかもしれない。
でも、なんかちょっとでも火種がある人にはぜひ観てほしい。
猛烈にやりたいことでなくても、「ちょっと興味があるな」レベルでもかまわない。

きっと背中を押してもらえると思う。



今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたが最近やってみたいことは、なんですか?

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