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ときめく神社旅のすゝめ

このあいだ、旅先でなんとも心ときめく一冊の本に出会った。
その名も『旅する一の宮』だ。

足を運んだ神社で販売されていて、思わず手に取った。
ISBNコードがついていないため書店には並んでいないと思われる。

日本全国にあるすべての一の宮101社が紹介されていて、1社ごとに見開き1ページ、神社の写真と周辺の観光情報つきで掲載されている。

一の宮とはなにかといえば、格式のもっとも高い神社のことだ。
誰かが定めたものではなく、自然と序列が生じたらしい。
原則は1国1社だが、時の流れによる変遷もあり現在は45道府県・101社とのことだ。


わたしにとって神社とは、癒しと潤いを与えてくれる場所である。

とはいえ、わたしが神社に興味を持ったきっかけはミーハーだが「御朱印ブーム」だ。
2000年代に「パワースポット」が注目を集めるようになり、そこから派生して2013年頃から御朱印が流行りはじめたといわれている。

手元の御朱印帳をめくってみると、わたしがいただいた記念すべき最初の御朱印は2017年2月である。
この場を借りて関係者の方々に謝りたい。最初はスタンプラリーの感覚でした。すみません。


でもね、あるとき神社の魅力に気づいたんです。
2021年のこと。
仲間内で、近所の神社に初詣に訪れた。

電車で2駅、自転車で行けるほど近所であったのに、暮らしはじめて2年経ってやっと訪れた神社だった。

一の宮ではないし小さな神社なのだけれど、そこだけ異なる時間の流れをしているような、ゆったりと温かい空気で満ちていた。
1月の寒い時期でももっと長くこの空気のなかに身を置いていたいと思った。まさに心が洗われ、潤っていく感覚だ。

その後も電車に乗る用があればつい、目的地に向かう途中で下車して足を運んだ。


神社って背筋がしゃんとする厳かさと、緑ゆたかで心がほぐれる穏やかさが同居している場所だと思う。
どんな街なかにある神社でも、なぜだか境内は空気が澄んでいる。
そして狛犬もね、神社によって表情が全然違うの。


「ああ、いい神社だったなあ」としみじみ思える神社に出会えると、もうその旅自体が良い旅だったと思えるぐらいには神社にときめいている。

千葉県の安房神社はさわやかな海風が吹いていたし、
徳島県の大麻比古(おおあさひこ)神社はゆるやかに時が流れていた。
新潟県・佐渡ヶ島の度津神社は神秘的な静謐さが印象的だった。

ああ、思い出すだけでも清らかで安らぐ。


…あいかわらず旅に出ることはおろか出かけることすらおっくうだ。
でも『旅する一の宮』や御朱印帳を眺めていると、すこしずつ心が華やいでくるのを感じる。


また休みをとって神社に行こう。
御朱印帳と『旅する一の宮』を携えて。



今日も読んでくれてありがとうございます。
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