ビジネスがやっと腹に落ちた
ビジネスって、なんなの?
わたしが長年抱えてきた疑問だ。
きっかけは就職活動の頃。
先輩に面接のアドバイスをもらったとき「ビジネス視点を持ったほうがいいね」といわれた。
ビジネスをしたことがないのに、ビジネス視点なんて持てるわけないだろ!あほか!と心のなかで舌打ちした。
先輩の助言を素直に受け入れられなかったからか、100社以上にエントリーする羽目になった。
…あほは自分のほうだったのかもしれない。
そしてあほのまま、今に至っている。
「ビジネス」には「仕事」という訳も含まれるけれど、ビジネスと仕事では、ビジネスのほうが血も涙もない冷たい印象を受ける。
お金儲けが悪だとは思わないが、でもビジネスはボランティアではない。
世のため人のためとはいっても、きれいごとに感じる。
だって結局は食べていくためだし、食べさせていくためだし、財布が潤ったらほくほくするし、いい暮らししたいじゃない?
…世のため人のためなんて建前で、本音はまず自分でしょ?と。
どうしても私利私欲の4文字がチラついた。
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今日はあるクライアントと打ち合わせがあった。
これから加速度的に成長していくんだろうなと感じる、勢いのある会社の社長だった。
今までいろんなクライアントと面談をしてきたなかで、もっとも未来をみている方だと感じた。
こういう言い方をしては失礼だけど、それこそ目先のことでいっぱいいっぱいのように感じられる方が今まで多かったから。
もちろん目先のこともだいじだから、よいとか悪いとかの話ではない。
でも会社やサービスのビジョンを語ってもらったとき、とてもわくわくしたんだ。
うわあ、それ実現できたらすごいぞ!と。
わたしもなにか役に立ちたくて、思わず熱くなった。
この気持ちが、ビジネスの種ではないだろうか。
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ビジネスにはお金がつきものだ。
でも、ビジネスの目的はお金ではないのだろうなと今日やっと腑に落ちた気がした。
お金はお礼。
たとえばライターのわたしが、仲間のデザイナーに頼まれて、彼女のプロフィール文を書いた。
デザイナーの彼女はそのお礼として、お金ではなく、わたしのプレゼン資料の表紙デザインをつくってくれることになった。
いわゆるスキルシェアだ。
ただ、いつもスキルとスキルを交換できるわけじゃない。
だから、もっとも利便性が高いであろうお金を「お礼」として使っているやりとりが、ビジネスではないか。
すっごくラフな表現だけど
「引越し手伝ってもらったからメシ奢るわ」
ぐらいの感覚が、今の自分にはしっくりくる。
自分にはできない、自分だけではできないことを、助けてもらう。
そのお礼に、お金を払う。
相手が困っていることを、自分が持っている知識や労力やスキルを使って解決する。
そのお礼に、お金をいただく。
そもそもメシも結局は、食べることだしね。
「働かざる者食うべからず」ともいうし、やはり土台は「食べるために働く」なのかもしれない。
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しかし簡単にいっても、やっぱり値付けや金額交渉の場面では頭を悩ませる。
「金払うんだからやれよ」という相手と
「予算は限られていますが、力を貸してくれたら嬉しいです」という相手だったら、提示したい金額が変わって当然だろう。だって人間だもの。
(もはや前者の場合は受けずに断ると思うけど)
いつもお世話になっている
ていねいに接してくれる
親身に考えてくれる
なんか好き
正直、こういうことも判断の要素になると思う。
だってコミュニケーション「コスト」という言葉があるぐらいよ?
ならば「気持ちよいコミュニケーションをしてくれて、ありがとう」の気持ちで上乗せ / 割引 になることだって、当然あると思う。
わたしは実際にある。
いつもお世話になっているからとの理由で、割引して引き受けたこと。
安いから嫌だとは思わないどころか、気持ちよく仕事できた。
そうしてみると、ビジネスは血も涙もないどころか実は真逆で、実に人間くさいやりとりだなあと思い直すに至る。
だからわたしの場合は、ビジネスにおいて「○○させていただけると幸いでございます候」みたいな仰々しさは、要らない。
むしろ「ちょ、メシ奢るから手伝ってくんね?」が感じられるビジネスが、わたしは好きだ。
よっしゃ。あなたのためなら喜んで。
そう二つ返事でいえるパートナーと、たくさん出会えますように。
今日も読んでくれてありがとうございます。
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