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思い出の曲ー「威風堂々 Pomp and Circumstance Military Marches」アメリカの学校の卒業式の定番曲

エルガーのこの曲を聴くたびに、いつも「うっ」と込み上げて来るものがある。特に、始まりの華々しい前奏が終わって、なだらかなメロディーに切り替わる瞬間、出そうになる涙をこらえて聞いている。

American School In Japan の高校の卒業式の入場行進はこの曲で始まる。黒いガウンと帽子をまとった生徒の行列の中に我が子を見つけた時は、なんだか誇らしい気持ちになった。そしてこの曲をピットで演奏していたのは、妹たちであった。

よく今日まで頑張った。そして、私もよく頑張ったと自分を誉めたい気分になった。(詳細は、拙文「若き日の思い出(その3、4)」に詳しいので読んで頂ければ幸いです)「お母さんが、絶対卒業させてあげる」と心に誓ったことが、成就した日だからだ。

娘たちがアメリカの大学に進み、卒業した時もやっぱり入場行進曲はこの曲だった。この曲のいわく因縁は、アメリカという国には皮肉でもあるが、私にとっては、娘たちの成長と共に欠かせない曲である。

 (注)大英帝国の植民地がますます拡張しますようにと言う歌詞がつけられているが、これは後年、つけられたものであるようだ。英国の第二の国家とも称されている。一方、アメリカの大学には、卒業式の曲として広く行き渡っている。

娘たちの成長過程の節目節目に何度も聴いてきた曲である。親の手元を離れ、どんどん自立して、たくましくなっていく娘たち。

新しい世界に飛び立つ娘たちを手放したくないような名残惜しさと、この先幸せな人生を歩んで欲しいという願いが入り混じった複雑な思いで、いつもこの曲を聴く。私にとっては惜別の曲であると共に、気持ちを奮い立たせてくれる曲でもある。娘たちの小さかった頃からこの日までを思いながら、ずーっと聴いていたい曲である。


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