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起業家であり、ミュージシャンな人たち

私たちは、これまで受けてきたインタビューでも公言していますが、ミュージシャン / アーティスト活動を行いながら、普段は自らの会社を所有する経営者でもあります。規模は非常に小さいですが、一応起業家です。
AmPmのマネージメントを行う会社でもありながらも、様々なミュージシャンのサポートを行ったり、音楽に関連するイベントの企画制作をしたり。また、様々な企業向けにクリエイティブ 全般の企画制作やデジタル広告を中心に運用を担当したりと、いわゆる制作会社をしています。
本業は何かと聞かれると回答に困るのですが、アーティスト活動のみならず、これらのことも現役で仕事をしています。それがAmPmです。

日本国内においては、ミュージシャン / アーティストが他のビジネスをするという事例が少ないですが、世界を見渡すと実に多くのミュージシャンが様々なビジネスをしています。
今回は、起業家でありながら、音楽活動もしているミュージシャン達を紹介したいと思います。これまで、様々なミュージック達と会ってきた中で、世界には音楽活動と並行しながら活動してる人たちが大勢いました。
音楽だけで生きていくことも、素敵なことですが、他の選択肢があること。他の可能性もあるということを伝えられたらと思います。また、ビジネスにおける学びがミュージシャンからもたくさんあるかもしれません。
世の中には、色んな働き方があり、色んな考え方があります。

| Jay-Z

起業家であり、ミュージシャンといえばまずはこの人、Jay-Zが代表格ではないでしょうか。これまでに21個のグラミー賞を獲得してきた彼は、ミュージシャンとしての成功のみならず、ビジネスの才能も持ち合わせており、後のミュージシャン達に大きな影響を与えています。まずは、Roc-A-Fella Recordsというレコードレーベルの設立をしました。その後、The Island Def Jam Music Groupに売却。自身のアパレルブランドも保有しており、こちらも約2億400万ドルで売却をし、多くの富を得ました。そして、勢い止まらず、世界最大級のライブ制作を主に行うLive Nation社と共同で、Roc Nationというレコードレーベルを設立。このRoc Nationはレーベル事業のみならず、2020年の今年にはイタリアのサッカーチーム、ACミランとパートナーシップ契約を発表する等、勢いは止まりません。2015年には、定額制音楽サービスTidalを設立。更にはベンチャーキャピタルを設立し、Uber等の有力企業への投資も実施しています。
ここでは、簡単な紹介のみですが、Jay-Zは他にも多くのビジネスを手掛けており、彼に関連するたくさんの逸話は検索するとたくさん出てくるはずです。幼少期には、生活保護を受けるなど恵まれない環境下で育ったJay-Zですが、その後の多岐に渡る活躍は、多くのアクションと努力によるものだと思います。マインド、先見性等学ぶべきことが多くあるミュージシャンであり、起業家です。

| Jennifer Lopez

女優であり、映画プロデューサーであり、ミュージシャンでもあるこの方もビジネスの才覚を持ち合わせた代表格と言えるでしょう。
1999年リリース「If You Had My Love」がBillboard Hot 100で5週連続1位を獲得。彼女はこれまでにアルバム8枚、コンピレーションアルバムを2枚、63曲ものシングル曲をリリースし、世界中で8,000万枚以上のシングルを売り、4,000万枚以上のアルバムを売り上げミュージシャンとして偉大な結果を残している。また並行して、女優活動においても多く映画に出演しており、名実共にスーパースターの一人と言える。
ビジネス面においても、自身の名前を冠したファッションブランド等を複数存在し、洋服のみならず、水着、香水、メガネ、ジュエリー、ランジェリー等多岐に渡る。また、自身の製作会社Nuyorican Puroductionsを設立し、映画やTVシリーズ番組の制作を行っている。設立に伴っては、「自分のような女性、女性のための役が少なかったから」と会社を設立した理由を述べているが実際に形にし、結果を出すところがJennifer Lopezの凄いところ。同社が手掛けた作品には、2019年に大きな興業成績を出したHustlersや人気TVシリーズThe Fosters等がある。
私生活においても、何かを話題の多い方ではありますが、早くから多くの成功を収めているにも関わらず今もなお、新たな挑戦を続ける姿勢は私たちもたくさん学ぶところがあるでしょう。

| David Bowie

クリエイティブ とビジネスという側面では、イギリスを代表するロックスターDavid Bowieも、音楽のみらず、ビジネスにおいても革新的かつ偉大な功績を残した一人と言えるでしょう。ミュージシャンとしては、常に革新的かつ、時代を先取る作品を発表し、音楽業界に多くの影響を与えてました。
ビジネス面においても、その革新性や先見性は長けており、特に権利、金融、デジタル領域においてもビジネスの才覚を発揮しています。
スマートフォン登場するはるか昔、ようやくPHSから携帯電話の普及が増え始めた1998年にインターネットサービスプロバイダー(ISP)「BowieNet」を設立。同プロバイダーに加入することで、「@davidbowie.com」のメールアドレス、限定の動画、楽曲へのアクセス、本人と会話ができるチャットルーム等の使用権を提供していました。同サービスは2006年まで提供されており、本人の健康上の理由によりサービスが終了しました。
1998年という時代を考えると、ミュージシャンがこのような場を提供することがいかに早く、革新的であったことはご理解いただけるでしょう。
また、David Bowieは権利、金融に関しても才能を発揮します。自らの楽曲の著作権並びに、原盤印税を担保に債券を発行し、5,500万ドルの資金を調達します。これは、ミュージシャン自らの著作権を証券化する初めての試みでした。「ボウイ債 (Bowie Bonds)」と呼ばれたこの債券は、米格付け会社ムーディーズにより投資適格級A3に格付けされ、利回り7.9%という高い利回りを実現。この手法は、後にJames Brown、Marvin Gaye、Iron Maidenといった著名なアーティスト達もボウイ債と同様のアプローチで資金調達しています。このボウイ債は、どんなアセットでも証券化してしまうという金融ビジネスにおいて先駆けであり、大きな影響を与えています。
まさにイノベーターと呼ぶに相応しい、偉大なミュージシャンDavid Bowieですが、この裏には常に多くの学びを行なっていたと推測されます。時代を読み、知識を裏付けしながら形にする。David Bowieからは、革新性、イノベーティブとは何か。改めて学ぶことができるかと思います。

| Bono (U2)

アイルランドを代表するロックバンド、U2のフロントマンであるBonoはミュージシャンとしての活動のみならず、起業家として、慈善活動家としても長きに渡り活躍している。起業家としては、1992年にダブリンの2つ星ホテル、Clarenceを購入し、全面改装を行うなどし、同ホテルを5つ星ホテルに引き上げました。2000年代初頭には、知的財産に特化したプライベートエクイティ会社Elevation Partnersを設立。同社はfacebook、Forbes、yelp等に対して10億ドル以上の投資も行っています。
また、2005年には、ファッション レーベル「EDUN」を設立。同ブランドはサスティナブルブランドの先駆けといわれており、特に貧困に苦しむアフリカ大陸との取り組みを積極的に行っている。これは直接的な支援を行うだけでは、貧困問題が根本解決しないという課題に向き合い、アフリカ大陸で製造を行うことで、現地の雇用を生み、商業的発展を目指している。
こうした、起業家の側面だけでなく慈善活動家としても世界に大きな影響を与えているが、ミュージシャン、起業家、慈善活動家として活動する裏には、貧困等の世界における課題解決をする上で、必然だと語っている。

「慈善活動家はビジネスの世界を悪魔のように言う傾向があるけど、そんなことをするよりビジネスの世界もエンターテイメントの世界も巻き込むくらいでなければね。」

ミュージシャンとして原資を作り、起業家として資本を大きくし、雇用を生む。そして、慈善活動家として課題解決に向けた支援活動を行う。
(税金対策も抜かりなく、U2の版権管理会社を出身のアイルランドではなく、税率の低いオランダで移動し、節税を行っている。)
何のために、ビジネスをするのか。何のために、お金を稼ぐのか。
道徳的、人道的側面で、Bonoから学ぶものは多い。

| 起業家であり、ミュージシャンは他にもたくさん!

・Ed Sheeran
飲食店経営、不動産投資

・Justin Timberlake
レコードレーベル、ファッションブランド、飲食店経営、投資家

・Dr. Dre
レコードレーベル、Beats Electronics創始者

・Madonna
起業家(エンタメ会社等複数)、投資家

・Beyoncé
ファッションブランド、慈善活動家、投資家

・Gene Simmons (KISS)
ライセンスビジネス

・Dexter Holland (Offspring)
ホットソース販売

・Marky Ramone (Ramones)
パスタソース販売

・Gwen Stefani
ファッションブランド

・Alicia Keys
制作会社設立 (KrucialKeys Enterprises)

・Pharrell Williams
ファッションブランドスキンケアブランド

・Kanye West
ファッションブランド、投資家

・Benji & Joel Madden (Good Charlotte)
ファッションブランド

・David Guetta
投資家

・Diplo
投資家

・Tiesto
投資家

・Steve Aoki
イベント会社、レコードレーベル、投資家

・Marshmello
投資家

今回は比較的規模の大きな事例を中心にご紹介しました。もちろん、記載したアーティスト達以外にも多数存在します。また規模の大小に関わらず、投資あるいは慈善活動といった領域は日本とは比較にならないくらい多くの事例があり、これはミュージシャンという立場に関わらず学ぶべきことでしょう。
実際に、ご紹介したアーティスト達は音楽活動だけでも多くの成功を手にしています。デビューした時代も違いますし、生い立ちから遡ると様々です。
自らと比較し、「売れているミュージシャンだから」「時代が違うから」と捉えるのではなく、どのような思考を持っていたのかというのが重要だと思います。音楽でも、ビジネスでも共に成功しているのは、根本にある確固たる思考と実現するまでのバイタリティーがあったからこそ多くの成功を手にしているのでしょう。

簡単な紹介ではありましたが、ご紹介したアーティスト達の逸話は他にも多くありますし、紹介できなかったアーティスト達のビジネス話も多くありますので、是非調べてみてください。
このようなビジネス的アプローチから、ミュージシャンを見るとその音楽性、歌詞の世界観等、より理解が深まるでしょうし、「そういうことだったのか」という気付きが増え、楽しみ方が広がると思います。
また、革新性、先見性といった部分は音楽に関わる人以外も、学ぶべき要素は多数あるでしょう。

ミュージシャンとして、音楽を広げる手段としてビジネスを学ぶのも良いでしょうし、音楽以外の可能性を広がるかもしれません。
ミュージシャンになったから、音楽以外やってはいけないということでもないでしょう。

こうした先駆者達の事例から多くを学びがあるかと思います。
さて、私たちAmPmも何をやろうか。改めて私たちはどんな思想を持って活動を行っているのか。日々学び、糧にしなくてはいけませんね。

*AmPmのラジオ番組、AmPm Talking "THE RADIO"はじめました。
こちらもどうぞ宜しくお願いします。


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