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世界の音楽 - The BRIT Awardsのその後

今週はロンドンにおります。
いくつかのレーベルや音楽出版社、マーケティング、PR会社とミーティングをしています。日本との大きな違いは、“音楽”に関連する会社の多さにあると思います。特に、音楽を専門とするマーケティング、PR会社は日本ではほとんどない一方で、海外ではその数は非常に多く、現在の音楽業界においてニーズがとても高い分野の一つと言えると思います。

| The BRIT Awardsの結果

前回の投稿で触れました、イギリスの音楽の祭典 “The BRIT Awards”ですが、結果は以下の通りとなりました。

Male Solo Artist / Stormzy
Female Solo Artist / Mabel
Best Group / Foals
Song of the Year / Lewis Capaldi - Someone You Loved
Album of The Year / Dave - Psychodrama
Best New Artist / Lewis Capaldi
International Female Solo Artist / Billie Eilish
International Male Solo Artist / Tyler the Creator
The BRIT Awards 2020

| イギリスの業界人は嘆いている

イギリスでの最大の音楽サービスはSpotifyと言われています。
Spotifyのイギリス TOP50のチャートを見ると、受賞したアーティストの楽曲が1位を取れなかったことに、現在の音楽マーケットで勝ち残っていく難しさを多くの業界人は述べています。

国内から海外に進出していくことがいかに難しいか。
海外のアーティスト達が国内に多く進出している中、勝ち残っていけるか。


イギリス人でさえも、目まぐるしく変化の早い音楽業界に頭を抱えながら、悪戦苦闘している様子です。
デジタル化が進んだことで、よりボーダレスになり、増え続ける新しいサービスに対応し続けること。タフな戦いはしばらく続きそうです。

| イギリス音楽業界におけるブレグジット問題

今回のイギリス滞在で、いろんな業界人と話をしていて話題に挙がるネタの一つが、ブレグジット問題です。
現在は移行期間中のため、具体的な問題はまだ出てきていないようですが、懸念事項として考えられるのが、EU間の移動です。
EU在住のアーティストの強みとしては、移動のしやすさ(コスト・距離)から、EU圏内でのツアーが盛んに行われてきました。

今回の離脱によって、イギリスのアーティスト達は、再びヨーロッパでのツアーの際には、ビザの発行を求められるのか。
実際にどうなるかは、まだ決まっていませんが、実際にビザが必要になった場合は手間、コストの負担が増えてきます。
特にインディーズレーベル、アーティストにとっては、大きな問題です。これから決まっていく、いくつもの法律、ルールによっては、イギリスのインディーレーベル、アーティスト達が他の国に移るのか。さらに俯瞰で考えた場合、イギリスから“カルチャー”が失われていくのか。もしくは、より独自性が高まっていくのか。

ブレグジットは、音楽業界においても気にしなくてはいけない問題の一つと言えるでしょう。

| イギリスの音楽を理解するには

世界には多くの音楽メディアがあり、特定のジャンルに絞ったとしても相当数あります。その中でもイギリスに関しては、まずはBBCとThe Guardianの2つが筆頭格ではないでしょうか。

BBC
The Guardian

BBCは、イギリスの国営放送です。イギリスの音楽業界において、外せないビジネスパートナーであり、リスナーにとっても多くのアーティスト、楽曲を紹介してくれるメディアです。
BBCについては、数多くのラジオ番組(ネットでも聴ける)や、Spotify等でのプレイリスト展開等、特に耳から得られる情報が充実しています。

The Guardianはイギリスの大手新聞の一つです。 驚くべきはWEB上の記事のみならず、実際の新聞紙面でも相当量を割いて寄稿している点です。
やはり新聞社だけあり、記事の内容は充実かつ、鋭い視点でアーティストに切り込むため、新しい発見を多く与えてくれます。

その他にも、attitudeDAZEDHUNGERといったメディアも充実の情報を日々発信しています。

イギリスに限った話ではありませんが、海外の多くのメディアは音楽に対して常に厳しい目を持っています。楽曲に対して賞賛の声だけでなく、時には辛辣な批評が書かれ、メディアに掲載されることも多々あります。

私たちAmPmもリリース毎に、こうしたレビューを集め、活動の参考にしています。当然、そこには聞きたくもないような厳しい声も非常に多いです。
このレビューも、レーベルのA&Rやメディアで働く人たちからレビューを集めるだけのサービスもいくつもあり、音楽ビジネスという観点から見ても、日本との違いを多く感じることができると思います。

今回はイギリスを中心とした話でしたが、少し視点を変えると、“世界”も違ってみえてきます。これは、アーティスト、業界で働く人のみならず、リスナーの皆さんにも同様のことが言えるかと思います。
SNSのフォローを変えるだけで、世界が違ってみえるように。

| AmPm Thinking “SOMETHING NEW”の今後

引き続き、noteで何を書いていこうかと試行錯誤中です。
あまり踏み込んだ、具体的な事例については、最初の投稿でも書いたようにすぐ古くなるので、なるべく書くのはやめようかと思っています。
アーティストや楽曲の紹介もしていきながら、今回のように少し業界について、ビジネスについても触れる投稿も交えながら、投稿頻度が落ちないように、頑張って続けていければ良いかなと思っています。(現時点では)

もうすぐ、AmPmの新曲リリースも控えていますので、そのあたりも次回は交えながら投稿できればと思います。
あと、数日ロンドンに滞在しているので、リアルな声をたくさん聞き、“変化”を体感しながら楽しみたいと思います。


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