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親が子供のオタク趣味を容認することについて考える

 今話題のドラマ「トクサツガガガ」、OLで特撮オタクの主人公で母から子供の頃からその趣味を否定され、直近の放送でも「ずっとロクでもないことしていくつもり?」と主人公を罵倒するシーンがありました。その反面、脇役で登場する玩具店で働く女子向けアニメオタクの男性は母親がその趣味を容認していました。
 私も野球好き(オタク)ですが、その趣味を始めたのは小学生からです。近鉄バファローズファンから始まり他の11球団もチェックするようになった結果、野球中継やラジオ放送を聴くだけでなく、新聞のスポーツ面に載ってるセ・パリーグの順位・ゲーム差・勝率、選手の成績(打率・本塁打・勝ち負け数・セーブ数など)を日々チェックし通学する有様で、野球名鑑も当然暗記していました(選手の愛車まで‥)。当然親もそのヤバい姿を見る訳ですが、ドラマで登場したどちらの親(否定・容認)に該当したかと言うと後者でした。しかも、スポーツ新聞の購読をしてくれただけでなく、チケット(東京ドーム、神宮、マリンスタジアムなど)の無料券を入手できるルートを確保し定期的に野球観戦に連れて行ってくれたり、近鉄のカレンダーが欲しいと頼むと千葉から一番近くで売っていた近鉄百貨店吉祥寺店(現:閉店)まで買いに行ってくれたり‥と容認どころか全面的なバックアップがありました。
 ちなみに私の母親はマナー・礼儀・生活態度など生活面に関し非常に厳しい人で、門限を数分遅れれば家から追い出される始末。小学校のクラスでも「○○(私)の親は厳しい人」と知られた存在でした。それなので子供ながら「何故あれだけ野球のことをサポートをしてくれるのだろうか?」と不思議でなりませんでした。
 あれからウン十年経ち私も当時の親と同じ年になりましたが、その疑問について最近になって母親に訊いてみるとこんな答えが返ってきました。

1.別に野球が好きでも人に迷惑を掛けることや悪いことではなかったから
2.私にはその趣味を否定する理由も無かったから
3.本人が好きなら続けさせても構わなかったから色々と応援した

 今思えば嬉しい話です。色々と厳しい人でしたが、このように理解や寛容性があったことが。多分子供の頃に野球という趣味を取り上げられていたら今の私は無く、違う人生を歩んでいたかもしれません。学生・社会人となっても野球は私にとって生きる糧の1つであったからです。落ち込んだり挫折したときに野球によりどれだけ励まされたことか。「ひょっとしたら生きていなかったかも」と思うときもあります。
 私にも娘がいますが、私のように何か趣味にハマって熱中したら母親と同様、応援してあげたいな・・と親がしてくれたように娘へ還元したいです。

 写真は1993年に神宮球場で撮影したヤクルトの杉浦亨選手。92年日本シリーズ第一戦目で代打サヨナラ満塁本塁打を放ったことで有名ですが、この年がラストイヤーで代打で登場したシーンです。この時も親が入手したチケットで家族全員で観戦していました。
 今では貴重な写真ですが、これも親のサポートが無ければ撮れなかったので親に感謝です。

野球関連の事柄を書きます NPB:千葉ロッテ、BCL:埼玉武蔵ヒートベアーズファンです