初めて、作家さんと話しながらハンドメイド作品を買った日
インスタで見かけてふと目に留まった、作家さんのハンドメイド作品。
瀬戸望さんが手がける「ソワ」という、立ち上がったばかりのブランドでした。
自然のものだけを使って様々な色に染めた糸や布を使った、優しく美しい色合いの作品が揃っています。
インスタの投稿は、写真が美しいことはもちろんですが、そこに添えられた言葉も素敵。「装心具」と言っている通り、つける人の心にそっと寄り添ってくれるようなアクセサリーであることが少し見ただけで伝わってきました。
インスタを発見したのは、ちょうど新ブランドのお披露目展示会をやると告知されていた頃でした。実物を見ながら、作家さんにも会えるかもしれないまたとないチャンス。距離も遠くないし、行ってみたいと思いました。
行ってみたい。けど・・・。
私は、作家さんがその場にいる展示会など、記憶にある限り一度も行ったことがありません。
店員さんが話しかけてきて接客されるのも、初めから買う気があるならいいのですが、そうでなければすごく苦手・・・。
作り手から実際にお話を聞き、自分のお気に入りを選ぶことへの憧れはあるのですが、落ち着いて見られないんじゃないかという不安もありました。それに、こだわって丁寧に作られた品なので、流れで適当に買えるようなお値段ではありません。
でもやっぱり、本物を見てみたい・・・!
結局見たい気持ちが勝った私は、ひとり決心(?)をし、展示会が開かれている渋谷ヒカリエの8階に向かったのでした。
展示会で「出会い」を楽しむ
初めて入った渋谷ヒカリエの8階は、ガラス張りの小さなギャラリーがたくさんあるような空間。各ギャラリーは扉はないものの個室状態で、少しハードルは高い・・・けど、思い切って入ってみる。
中には瀬戸さんと共創の嶋谷さんがいらっしゃって、すごく優しい感じで話しかけてくれました。
作品のポイントや、こちらが質問したことなども、丁寧に解説していただきました。作品を売りたいがゆえの接客ではなく、作品を愛しているからこそ知ってもらいたいという感じで、押し付け感を全く感じさせない。こういう場に慣れていない私でも安心感を持って話を聞くことができました。
小さな展示スペースを何周もぐるぐるしているうちに、ガラスの入れ物に入った、小さなお花のオブジェが気になってきました。
一つ一つが微妙に色も形も違い、一つ一つに違う言葉が添えられています。読めそうで読みづらい字がまた素敵。
お花と言葉との出会いを果たしたいという感じでしょうか。他にはない、自分の運命の一輪を見つけたいと思いました。
そこから、さらにスペースを何周も回ったり、しゃがんで文字を読んでみたり。途中、店頭に並んでいないお花も見せていただいたり(ありがとうございました)。迷いに迷いましたが、最終的には直感的な印象で決めました。
かわいい雰囲気のお花に"mikata itsumo"という言葉がついています。(家で撮影)
家でこれを見ていたら、星の王子さまに出てくるバラを思い出しました。
見た目はよく似ているけど、星の王子さまのバラみたいに気位は高くなく、手がかかるわけでもなくて、そっと側にいてくれそう。笑
作り手の世界を知るのって楽しい
以前、別の作家さんのアクセサリーをネットで買った時にも思ったのですが、作家モノって、本体だけが商品ではなく、入れ物も全て含めて一つの商品なんだと思いました。
箱やショッパーに至るまで、全てがブランドの世界観を表している。作品への愛が伝わってきます。包んでもらい、持ち帰り、家でそれを開封する瞬間も含めて楽しいのです。
コンセプトをしっかり表現されている作家さんは、オンラインショップやSNSでも作品の世界観をしっかり表現されているのだと思います(いろいろなお店を見たわけではないので想像ですが)。実際、ソワをインスタで見かけただけでもその世界観は十分伝わってきました。
でも、作り手の顔を見て実際に話を聞くことで、どんな人がこの作品を作っているのかが分かりました。そうすると、手に入れたものに対してより愛着がわく気がします。
自分とは違うけど共鳴できる、作り手の感性や思いを受け取って、自分の一部にしていく感覚。
作品そのものはもちろんのこと、包装のこだわりや、作家さんとの交流も含めて一つの作品のように楽しむ。
ハンドメイド作品をまるごと楽しむことの素晴らしさに気づいてしまった、そんな日でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?