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2020年2月サラワク帰省まとめ後編 自然の話

帰省の話最終回、後編です。

中編はこちらから↓。

今回後編では主にボルネオの自然・生き物との関わり、そしてその中で暮らすということについて私が見たり聞いたり考えたことです。

自然①カブトムシの話

これ実は以前から思っていて、ずっとシェアしたかったんです。

日本人としてはびっくり仰天、Kenyahの人たちにとって、カブトムシ・クワガタムシといった虫は害虫と同類の扱いなんですよね。

具体的にはカミキリムシと同じ名前で呼ばれてます。

(分類的にカミキリムシと同じ名前なのか、よく見ずに雰囲気で判断しているのか不明です。「カミキリムシ」の英語がわからないし、「Beetle(カブトムシ)」の英語が通じなかったためそのあたりの細かいことが聞けず…)

夜間に家の明かりに誘われ部屋に入り、電気周りをブンブン飛び回ります。

集落の家屋も出づくり小屋も共通なんですが、Kenyahの人達の家って壁や天井、床、ドアが全然密閉されていないんです。だから明かりがあればどこからか必ず虫類が部屋に入ってきます。

これがさらに日本のサイズに比べて2倍の大きさのものが飛んでくるので、羽音も並みではありません。

正体がわかるまで「この黒いムシはなんだ、ハチかセミかカブト類か」、とりあえず目で追いながらちょっと警戒しつつ、どこかに止まるのを待ち何か確認します。

(過去柱に止まった後確認したらそれが10㎝くらいのセミだったこともあり。セミのサイズとして大きすぎて驚き)

でもこのカブトムシ系は体が大きいので室内に入るとほぼ自力で脱出できないんですよね。室内あっちこっちブンブン飛んでぶつかって落ちてを繰り返すうちに、うっとおしく思った住民にぶったたかれます。

私たちがゴキブリを叩くのと同じ勢いで。(直視できません。

そして動きが弱まったところをつかまえ、そのまま暖炉へ捨てられます…

カブトムシにはどうしても虫の王様としての印象があります。なのでもし万が一見つけると、「どんな見た目?」「貴重な種かも?」とかワクワクしてしまいます。

「日本だと高額で売られてたりするよ!」「珍しい種類かも」「日本より超デカいの!」って何度か言ったんですけどね

「へー、こんなもんが?へー、バンッッ!!」で終了なので…儚い。

かつて大学にクワガタマニアの同級生がいました。

その人はボルネオはがカブト・クワガタの世界ではアツい地域で、貴重な種が沢山いるからいつかは行ってみたいとそれこそ目を輝かせて話していました。

村でカブトかクワガタと出会い、退治されるのを見るたび彼の顔が頭をよぎるのでした。

自然②見たもの見逃したもの 見たもの編

一部Twitterでシェアしたものと重なります。山の中の暮らしは、いつどこで何にエンカウントするかわからない。今回1週間のうちに遭遇したもの、他の人が見たけど私は見逃してしまったものと少々ご紹介。

サソリ

生きていて大き目サイズを生で見たのは初めて。

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黒ではなくて緑色のサソリでびっくり。ちょっと調べてみた感じ、「チャグロサソリ」というやつでしょうか。12~13㎝ほどのサイズでした。

甲羅がツヤツヤしてて綺麗…!

サソリってこんな外見で日中、しかも家の周りに結構ヒョコっと出てくるからびっくりです。そしてやっぱ生きている状態だとひよってしまって全然近くで写真が撮れません。

もちろんこのサソリは私が写真を撮った後すぐに殺されて焚火に放られていました。。

Bangat

猿の仲間(だと思います)。大体3匹~複数で行動している。灰色っぽくて小型。英語名並びに日本語名不明。時々とって食べます。森の生き物の中では割とよくみかける動物ランク上位。今回は車で山の道路を走っていた時、わらわらと目の前を横切っていきました。

Payau(マレー語Rusa)

鹿。20~30代のヤングボーイズ3人が仕留めて帰ってきました。3人別々の家庭なので、肉や内臓は3等分されました。

針なしバチの巣

予想外の出会い。いつか養蜂とかしてみたいなと夢見ているハチのひとつです。村と関わりを持って5年目、初めて巣を発見。思いもかけぬ、集落のある人の家の軒下に置かれたパイプに巣が作られていました。

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私は人生で一瞬二ホンミツバチの養蜂に関わったことがあるんですが、ニホンミツバチと同じように玄関の出入り口まで出てきて飛び立つ、帰巣した時にパイプの端に着陸してから中にトコトコ入っていくあたりが可愛いかった。

家の持ち主は「知らんうちにできとった」と言っていましたが、パイプは結構ずっしり、2㎏くらいになっていた。次行った時は蜜をとったかどうか聞きたい。

オオミツバチ?の巣

前回の渡航時に、どの木に巣を作るのか把握した今回は探し放題です。村へ向かう道中たくさん見つかりました。しかしかなり高いところに巣を作るため、その巣がまだ使われているのか抜け殻なのかが全然見えない(遠すぎて)。これまで考えもしなかったんですが、これは双眼鏡を持参した方がいいかもしれない。1年に1回でも村を訪れて観察し続ければ、分封や巣の引っ越しのタイミングがわかるかもしれない。

日本語文献では、私が今知ってる限りサラワクのオオミツバチの採蜜に関して触れているのはこの本だけです(本全体ではなくうち1章に記載があります)。

この本の中にはかなり身近な地名が出てくるのですが、私が訪れている村の人に採蜜経験者はいません。惜しい。

今のところ「XXのところの娘婿(イバン)が友人と採ってる」というのが一番身近な情報です。その人、以前人づてにとれた蜂蜜を分けてくれました。

この人に次会う機会があったら採蜜方法を聞いてみたいと思います。

気になるオオミツバチの蜂蜜のお味

若干の酸味がありつつ、熱帯林らしい華やかでトロピカルな味(先入観?)です。ニホンミツバチの蜂蜜の形容として使用する「フルーティー」さとは少し違って、内側に芯というかコシがあるような、力強い香りの濃さがありました。蜜そのものの濃度はそこまでありませんでした。サラサラしていたので、採蜜後の加工方法も気になります。

自然③見たもの見逃したもの 見逃したもの編

イノシシ@川

車で移動中。荷台に乗った人たちから「え!イノシシ!」と声がかかりました。慌ててドライバーは車を停め、荷台に乗せていた犬達は駆け下りていきました。しかし初動が遅れてしまったせいか、イノシシは逃げてしまった。私はイノシシのいたこの↓清流側に座っていたにも関わらず、見逃し。生き物との出会いは本当に一瞬…。

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いのしし家族@道路

狩りに行った時にみた。車の荷台に犬を乗せて道路をゆっくり走りながらの狩りでした。上り坂になっているところを上がっている時、前方坂を上がりきったところに、いました!白っぽい個体でわらわらと。

数が多かったのでまず間違いなく家族です。車内に座っていた私と、荷台に乗っていた男の子が気づき。運転手に声かけたんですが、運転手は「止まって!」かと思って車を止めてしまいます。慌てて再出発したけれど、イノシシ家族はサッと草陰(谷側)へ。

おそらく風向きが悪く、犬は全然においを捉えられなかったんだと思われます。家族がいた現場へ行くと、辺りは足跡だらけ、犬は荷台から飛び降りてイノシシ追って谷を下っていきました。

5分~10分様子を見ていましたが、イノシシに追いつかなかったのか追い込めなかったのか、谷へ降りて行って犬は1匹ずつ戻ってきて結局捕まえられず。残念。


いつか別noteでまとめたいと思いますが、犬を連れて行う狩り、かなりエキサイティングです。

イノシシ発見、追跡中、包囲と状態によって犬の鳴き声が違うんです(それぞれの鳴き声に違う名前がついています)。

私は正直まだ聞き分けができません。

犬の鳴き声から状況を想像したり、走っている位置を把握する。犬が自分の方へイノシシをおびき寄せるか、それとも取り囲んで山の中で仕留めるか。

興奮と緊張感で手も足もガクガク震えます

余談。今回、意図せず狩りになった回もありました。ちょっと遠いところの小屋に住んでいる人の家におしゃべりに行くだけだったのに、数匹の犬がどうしてもまとわりつくので「じゃあ荷台に乗せるだけ乗せるか!」と出発。

移動開始10分で彼らは荷台から飛び降り山へ猛ダッシュ。

激しく吠えながら、山の中のかなり道路に近い場所で右へ行ったり左へいったり、反対側の山へ抜けたり戻ったり。いつイノシシがこちらに飛び出してくるかわからず最高にドキドキしました…。狩りの時って自分が生きてる、神経を研ぎ澄ましている感じがあり私はとても好きです。

ホーンビル

これまた車で移動中。ドライバーが窓の外を見てハッとした表情になりました。何かあった?と聞くと、窓の外を何度も振り返りながら「ホーンビルがいた」と。

ホーンビル、サラワクのアイコンにもなっている鳥ですね。カラフルなくちばしを持っており特徴的な鳴き方をします。基本人里には近づかないので、たまーに鳴き声がするのを聞いたりかなり上空を飛ぶのをみたことはあります。

それが、道路わきの木に止まっていたというので驚きです。生きている個体で自然の中で、その距離で見ることなど滅多にありません。車が通りすぎると同時に飛び立ってしまったそうなので、ドライバーの人も一瞬しか見られなかったとのこと。今回の見逃しで一番残念でした。

Pau

バッタです↓


前回の収穫期では、稲に集まるこのバッタを沢山食べました(写真の通り)。慣れるまでどうしても気味が悪いのですが、一度知らん顔して食べてしまえば本当に何もないんですよね。エビの素揚げみたいにただただ香ばしくサクサクしていて美味しい。

それが今回全然見かけず、食卓に上がることも一度もありませんでした。

このバッタを捕まえるのは夜間です。前回は畑が家の前後にあったので気軽に行けたのかとも思いました。

しかし今回滞在後「そういえばあのバッタ今回一度も見なかったね」と言ったところ、「今年は(あのバッタ)あんまり出てない。何年かに一度大発生するんだよね」とのこと。

今年アフリカでバッタが大量発生していましたが、ボルネオの山奥では今年は当たり年ではなかったようです。実際に自分で夜に畑まで行って確認したわけではないのでどこまで本当かは不明ですが、興味深いです。


番外編・聞き逃し

ある時半日だけ農作業小屋から村の集落部分(母屋が集まった場所)へ帰る機会がありました。その時、これまでの人生で見た中でおそらく一番大きいサイズのイノシシをみました。

腕の良いハンターの家です。

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頭部だけで40㎝プラスはありました。ボディは既に捌かれていたので見当たりませんでしたが、この頭部とかきだした内臓類(バケツ1杯分!)の量を見てかなりの大物だったこととがうかがえます。

どこでどう捕まえたのかぜひにもお話聞きたかったんですが、そこの旦那さんがちょうど娘さん連れて川に行水に行っちゃったとのことで、お話聞けず。タイミングが合わずに残念でした。

自然④生き物の数の話

専門家ではないのに「日本より生き物の数がおお~い!」と知ったようなことをいうのは気が引けます。多分私が見えていないだけで、日本にだって沢山の昆虫がいます。

なのであくまで一個人の体感の話として聞いてください。そもそも日本の街中とサラワクの山の中では自然に晒されている割合、生活の中で自然に関わる割合が全く異なります。

そこまで虫の名前や自然に詳しくない20代としてサラワクで暮らしていて、とにかく目に入ってくる虫の種類が多いとつくづく感じます。

一番身近な「アリ」とか「ハチ」とか言っても次々見たこともないやつが出てくる。実際に分類学上は異なるけど見た目が似ている、なんて種類を合わせたら気が遠くなるほどになるでしょう。

更には分類的に何の虫の仲間なのか全然わからないモノたちと出会うので、生き物に対する関心が爆上がりです。


(以下自己満で載せます!が)一部記録メモから抜粋…

アリ

・1㎝くらい、赤系で足が細く、頭・胸・腹が丸っこい形のSemut api。噛まれると一瞬チクっとしてその後かゆくなる。生活排水などに集まる。

・8㎜くらい、黒くてスリムボディなルミダン。頭・胸に比べ腹が細長い。水辺によくいる。攻撃性高し。噛まれると思わず飛び上がってしまうほど、ハチにさされたようなするどい痛みがある。その後しばらくジンジンする。


・3.5㎝くらい(ゴキブリくらいの)サイズがあってお尻が赤いやつ(今のところアリの中で一番大きい)。意外と穏健派。

・砂糖や虫の死骸に敏感に集まる3㎜くらいの赤いやつ(午前中とか、夜間集まった羽虫の死骸に群がっている。掃除屋としてはかなり優秀でほぼ死骸は跡形もなく消える。)

・8㎜くらい、黒い、足の第一関節?の部分が長くボディが他のアリに比べ地面から浮かんでいる。上から見た時平たく横につぶれているように見える。(触覚も長くてパッと見クモっぽい。)

・5㎜くらい、赤系で頭・胸・腹がプチプチした円形の軍隊アリ。森の中で5㎝くらいの幅になって行進していたのを見た。アリの中では可愛い見た目だったが、軍隊(集合体)としての圧が強かった。今のところ森の中でしか見ない。

ハチ

・横から見るとひらがなの「つ」並みに腰を曲げてホバリングする黒いやつ。壁とか空中にぶら下がってるものにすぐ土の巣を作って卵を産み付ける。コンセントのような穴をふさがずにいると、もれなく土で埋められる。巣は直径1㎝ほどで黄土色。1つの巣に1つの卵を産み付ける。数日放置するだけで10数個も巣を作ったり、中で幼虫が成長していたりする(卵から生まれるまでのスピードが早い)。攻撃性は低い?これまで刺されたことなし。

・黒くてシャープなスズメバチ系の体形。3㎝くらいか。羽の先が濃い橙色をしている。家屋の梁に作られた巣(どのハチのものかはわからない)から子だし(ハチが幼虫を巣から引きずり出して巣の外へ放ること)をしていて驚いた。自分の巣だったのか、他の種類のハチの巣だったのかはわからず。ハンモックで昼寝してたら何かがぽつぽつ落ちてきてるな?と思い、起きて見たらTシャツの上に黄色と緑の幼虫がいっぱい転がっていてビビった。顔の上に落ちなくてよかった。

・人間の汗にすぐ寄ってくる割にすぐ刺すやつ。1.3㎜くらい、黒色。腹に1本白い線?が入っている。腹が綺麗なしずく型で刺されたら痛そう。実際痛い。チクっとして刺されてから数分は痛いが、すぐ忘れられる。蚊とかハリナシバチだと思ってよく見ずに背中とか腕とかをかいて刺されるパターン。

・名前ど忘れ、アで始まるカタカナ2文字の黄色いハチ。夜行性、全長3㎝ほど。飛んでいる姿は足部分が飛び出しており、アシナガバチのよう。刺されるととてつもなく痛い。Kenyahの人達が全力で警戒する数少ない虫。家に入ってくると早めに殺す。

・オオミツバチ。ミツバチの中では一番よく見る。2.5~3㎝。ミツバチが大きくなったような感じだが、腹部分が長い。生活排水やトイレなどの水回り、人の尿に集まる*。

・ハリナシバチ(3㎜~5㎜くらいの小型と、7㎜くらいの大型がいる。大型はたまにしか見ないが、小型はどこにいてもすぐ汗に寄ってくる。)

・ニホンミツバチ・セイヨウミツバチ(だと思う)。生活排水やトイレなどの水回り、そして人の尿に集まる。

*説明しよう!夜間にトイレを使わず、家の外で野ションをすることがある(男性特に)。翌朝になるとションした場所にこれらのミツバチがわんさか集まって地面で必死に仕事している。おそらく村のスタンダード飲み物が甘い3in1コーヒーだから、尿が甘いのか香料に引き寄せられているのだと思う。初めの頃は「なんでこんな何もないところにミツバチ集まってんの?」と不思議に思ったが、よくよく観察していて気付いた。自分でも夜間道路の端にションしてみたら次の日ハチが集まっていたので確定。

などなど。

ボルネオの山の中で暮らしている間は自然との距離が本当に近いです。

狩りの為に山に入ったり、畑に行ったり、川で洗濯・行水したり。生活をする家屋もスカスカなので、いつでも室内で虫にコンニチハする環境。あとは単純にサイズが大きかったりするので思わず声をあげてしまいます。

この辺りはきりがない気がして1種ごとに写真など残していないんですが、そのうち…少しずつ記録に収めようかと思っています。

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見間違いかと思うサイズのナナフシの写真。最初はこの子達、木の枝持って遊んでると思いました。


シャワー場所とトイレ場所の話

これまで何度も繰り返してきましたが、この1週間生活していたのは、畑のそばに建てられた出づくり小屋です。小屋といっても少しずつ拡張されていて、普通に家になってきていますが。

私が寝泊まりした家にはトイレ風呂・洗面・水道がありません。なぜならまだその場所が建てられていないからです。よって普段は近くの小川(飲食に使っている川の下流にあたる)が風呂兼トイレ兼洗濯場兼洗面所です。

これがなかなか気持ち良いので紹介。

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ここが風呂場兼洗濯場。

隣の家はこの川のさらに上流からパイプで生活用水を家に引いています。

この水が更に下流に流れていったところがトイレです。写真では見えなくなっている中央奥の草陰にしゃがむ。

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メリット

・外トイレは慣れると解放感があって気持ちがよい

・隣の家のトイレを借りに行く手間が省ける。

トイレ内をブンブン飛ぶハチや突然侵入してくるハチに気を取られない(水場なのでトイレ内はハチがよくくる。そしてこれが煩わしい。)

・小川に浸かりながら事にあたるので、周囲の草や虫や水中の生き物を眺めながら用を足せる

・ティッシュ使わないから環境にやさしい

・生理の時は毎回丸っと血を水洗いできて清々しい(意外と重要)

デメリット

・小川は車の通り道の横に沿っているので、万が一人が来たら丸見え(素早く事に当たる)

夜は怖い(月が出ていないと暗い。水の音が大きくて怖い。ライトを使うと蛇が寄ってくることがある)

雨の時に用が足しにくい(傘さしながらしゃがみ込むのが大変。大雨だと水量が増えるので使えない。)


隣の家にトイレができるまでは、隣の家の人達も皆この小川を使用していました。実にMAX大人8人が、起床後コーヒーを飲みながら代わる代わる用を足しに行きます。

大体6時頃に起床しますが、安心して事に当たる為にも人が畑仕事を始める7時半ごろまでには済ませないといけません

互いに空気を読み、自分の腹具合を探り、常に室内の人数と姿が見えない人を数え、さりげなく小川へ向かったかどうかを確認する…。

先客がいると知らずにトイレへ行こうとする人がいる場合、さりげなく「今XXが行ってるよ」と教えてあげる。

慣れるまではこのタイミングが難しいし気恥ずかしいんですが、何も言わずとも皆が「今は誰がトイレに行ってる」かを把握していておかしかったです。

洗剤の使用について

正直に言うと、村の人皆垂れ流ししています。

半島でも街中でごみやタバコのポイ捨てしてるのと同じで、プラスチックだろうが家電だろうが機械油だろうが、なんでも山にポイ。川にポイ。洗剤も普通に使ってガンガン垂れ流し

人様の生活にとやかく口出しすることは控えようと思っているので、私は何も言いません。けれども罪悪感はあります。

今回はなるべく洗剤の使用は控えたいと思い、洗剤や石鹸の使用を可能な限り控えてみた。

だって風呂場である水たまりにめっちゃ魚とかアメンボとかよくわからん生き物がいるんですよ。その下流にもなんかいろいろいる(先述の通り、トイレの時にしゃがみこんでる時に見える)ので、上流で洗剤流すのが心苦しい。

でも村の人はあっけらかんと「ここの魚はちょっと洗剤使ったからって死なないよ、ハハハ」とか言ってたりする。

さすがに何も使わずに1週間過ごすことはできないので、必要だと感じた時だけシャンプー、石鹸、衣類用洗剤を使いましたが、大丈夫そうな時は可能な限り水だけで対応しました。

洗濯は乾かした時ににおいが取れないんじゃないかということを心配しましたが、意外と大丈夫なものですね。日光のあたるところで1日で乾かしたら、下着からTシャツまで無臭の状態がキープできました。

日本だと、昔ながらの洗剤としてムクロジの実というものがありますよね。果皮を乾燥させ、粉にすると石鹸になるやつです。あとはセスキ炭酸ソーダを利用すると、食用の油がスムーズに落とせますね。

今回ようやく5年目にして、「郷に入れば~」の生活様式に従うだけではなく、少しずつでも自然に負担のない洗剤の利用方法を探したい、そして次の渡航に向けて戦略を練っていきたいと思ったのでした。

余談。マレーシア内で自然に優しいローカルブランド、まだあまり目にしない気がします。輸入ものならお高めのスーパーなんかでも見かけるんですけどね。

日本で売られているものを参考にして自分で使ってみて、簡単で良さそうであればお土産として持って行って現地で使ってもらえないかな…と夢みたりしました。ただ、自分が一方的に渡すだけでは一過性のものになってしまうし完全に受動的です。

自然を考慮してほしいという気もありますが、上から、外からの意見批判は現地の生活をないがしろにしているようで共存へ進むのは難しそうだと考えています。彼らの生活で一目おかれるよう、うまく「安い、楽、高品質」をアピールして自然に優しい製品を普及させたいですね。

更に余談、ムクロジの実を加工して粉石鹸とか売られてないのかな?と思って調べたところ、ムクロジの実本体が「ウォッシュナッツ」「ソープナッツ」という名前で販売されおり驚きました。

実を布地の小袋に入れ、そのまま洗濯機へ入れて洗っていてかなり楽そうです。柔軟剤の作用もあるらしく、数回は同じ実を使えたりできるようでこれはもしかすると良いのかも。

早速日本にいる家族に、家の周りかどこかにムクロジが生えていないか聞いてみています。もし身の回りで手に入らなそうであれば、次日本に帰国した時に取り寄せて家で試してみたいと思います。


まとめ

今回初めて村での滞在をきちんと文章記録にしてみました。

共有したい話の共有ができたことはとてもスッキリしました。この話を読んでどこかに共感していただけたり、笑ってもらえれば本望です。

後は、経験した事象を改めて脳内で考えて言語化してみることが脳みそを使っている感じがして気持ちが良いです。笑

そして一度こうして立ち止まって考えたことは、いつかの未来の気づきに繋がっている気がします。


最後まで読んでいただきありがとうございました。また次のnoteでお会いしましょう。


以下サービスショットです。

狩りに行った時。車の荷台から顔を突き出し、イノシシのにおいを探る犬のふんばった後ろ姿(一生懸命で可愛い)。

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同様に、もつれあいながら必死に顔を出してにおいを探ろうとする犬(入り乱れていて可愛い。

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においをとらえて森へ駆け出す犬。

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トップ画像:川で捕まえた魚、でした。


私のnoteで何か発見があったり、考えるきっかけになったり、純粋におもしろいと思ったり。投げ銭せずにはいられなくなった時、よければどうぞ!