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私が【はたち】を迎えた際、空の上にいた話

今日は成人の日。テレビやネット上での報道を見て、今年の成人式はこれまでとは違うことを感じながら、見ていました。

今日20歳を迎えた方々は、この状況下、複雑な思いを持っていることだろうと思います。ですが、ある青年はインタビューに「対応力のある大人になっていきたい」と話していてて、こんな状況下でもなんて前向きだろう、と勇気を分けてもらったような気持ちになりました。

そして、成人の日を迎えたという様々な情報を今日見ている中で、ふと、自分が20歳を迎えた時のことを、久しぶりに思い出しました。

自分の誕生日の時の話です。2009年の4月。


日本時刻の20歳になったその瞬間、私はちょうどイタリアからの日本に向けての飛行機に乗っていた中でした。

その当時からは、母は子宮頸癌を患っていたこともありましたので、母の仕事のサポートや、また母の病気を受け、子宮頸癌のワクチン摂取を受けることにし、その関係もあって日本に数ヶ月に一度、およそ2週間ほどだけ、行き来をしておりました。

ちょうど4月はそのような事情が重なった時で、飛行機のタイミングは相談をしたのですが、どうしても自分の誕生日と被ってしまうタイミングしかなく。

内心「一生に一度しかない自分の誕生日なんだけどな...」とは思っていましたが、なにぶん母の体調のこともありましたし、他に選択肢もないかと思い、特に文句を言うこともなく、その日日本へ帰ることにしました。

イタリア時間の4月11日午後5時、機内で計算をした覚えがあります。「あ、ちょうど日本時間的には12日の0時迎えたな。20歳になったんや。」と。なんとなく切ないようなモヤっとしたような。でもまず日本に無事帰ることが先決だな、と気持ちを切り替え、関西空港についたのが、誕生日の朝8時。

留学初めの頃は、空港まで送り迎えをしてもらってはいましたが、この時期くらいから、バスを使い、電車を使い、残りは歩いて自力で帰るようにそういえばしていました。スーツケースは決して軽いものではありませんでしたが、母に「自分で帰れるから大丈夫だよ」と、ある時から迎えを断るようになった記憶があります。

昼ごろ、自宅に帰り着いた途端、母が「これから出かけないといけない用事があって、あみついてきてくれる?」とのことで。まぁ仕方ないか、と思い、荷物を置いてそのまますぐについていきました。

その時どんなふうに過ごしたかは詳細は覚えていないのですが...ただ、1日中母に付き合って行動をしていた、ことだけは覚えています。

そして、気づけばその日の終わり頃まで、時間が過ぎてしまいました。

13日の0時を迎える少し前、パソコンに向かっている母に、それまで押し殺していた感情を、つい口から出してしまいました。

「20歳になった今日は、私にとって人生一回しかないのに、お母さんが忙しいのももちろんわかるし、(病気などで)いろいろ大変なのもわかるけど、けど、あんまりだよ...!」

泣きじゃくりながら母に訴えました。

そんな私を見て、それまでは普通に明るくいてた母も、涙をこぼしだし、お互いにギュッとハグをしながら、ワンワンと二人して泣きました。

そのまま私の20歳の誕生日は終わっていきました。


ただ、今となっては、あの20歳の誕生日での出来事は、私のその後の人生、30代を迎えるまでの怒涛の展開の連続だった日々の、ある意味幕開けにしか過ぎなかったのかもしれません。ここ数年思い出す機会もなかったのですが、今はそう思えるようになったことに今日、偶然気付きました。

そのことを思い出せたのは、今日成人の日を迎えた人たちのニュースを見ていたから、というのもありました。

特別な1日なのに思い描いていたような日を過ごせない悔しさ、切なさ、複雑な心境を抱えている20歳のみなさん。そりゃそうだろう、と思います。現在の様々な事情に振り回されている、私よりもっともっと若い世代の方々を見てて、なんとも言えない気持ちによくなります。

ただ、思うんです。自分の話で申し訳ないですが、

私はあの20歳を迎えた時の誕生日を、今となっては、むしろ特別な記憶として持っています。母と一緒に1日を過ごせたというだけでも、本当に大切な記憶です。駄々をこね、泣いている私に母も一緒に泣き、という夜中を過ごした、なんてことは、今後もう2度とない。

あの時はつらい、悔しい、いろんな気持ちが逡巡したことも、いつかきっと、必ずその人にとって良い方へと向かっていくと思うんです。

そしてもう一つ。体験してきた中で気づかされたこと。

それは、自分の人生、まず思い通りに事は運ばないということ。

思い描いたように動くことができない、ないことが当たり前。どんなことが起こるのか、予想ができないのは、今の私たちが置かれている状況も同じだと思います。

だからこそ、突発的なことが起きても臨機応変に「対応する力」が問われるのかなと。

私が20歳を迎えた以降、まさにそんな日々の連続でした。誰も予想できなかったことしか起きなかったと言えそうなくらいの10年を過ごしてきたように思います。

母のことも、父のことも、姉のことも。身の回り全てに起きたことが、そうです。

その時は、辛いかもしれないし、悔しいかもしれないし、どこにその怒りを持っていけばいいかもわからないかもしれないけれど、いつか必ず、それらの体験がその人自身をより深くさせる何かにつながる、私のこれまでの10年を振り返って、そのように思うんです。

今となっては、飛行機内で20歳になったあの瞬間も、いい思い出です。そんなことを、成人式を迎えた、という方達のお話に触れて、今日は思い返し、その思ったことをnoteに書き留めることにしました。


最後になりますが、今日、成人式を迎えたみなさん、本当におめでとうございます。どうかこんなご時世ではありますが、めげずにがんばって行って欲しいなと、、、ここでこっそり呟いておきます。



ちなみに振袖姿の記念写真を撮ったのは23歳の時。遅くはなってしまったんですが、やはり、写真は撮っておいてよかったなと思っています^^

その写真は、ちょっと前に投稿した記事に載せてありますので、よかったら探してみてくださいね。

シリーズはまた明日、投稿予定ですので、お待ちくださいね。

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