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Webサイトの更新をアウトソーシングしたときのおはなし

「帳尻合わせはいつも私たちの仕事😢」のHP更新チーム

前回の記事でも記載しましたが、サイボウズでは社内にHP(ホームページ)更新チームがいました。各製品のプロモ担当であるオーナーが制作会社に発注し納品されたデータを、自社Webサーバにアップしたり、日々のちょっとした更新業務を担うチームです。

大きなリニューアルやLP(ランディングページ)の制作などはプロジェクトごとに外部の制作会社に依頼していたので、HP更新チームの役割は以下でした。

 ・納品されたデータの調整やWebサーバへのアップ
 ・日々の細かい更新業務
 ・更新と絡んだリダイレクト依頼を情シスやSREに出して調整すること
 ・社内の独自システム(例えばkintoneやサイボウズ Officeのお試しフォーム)の前面のWebページなど制作会社に仕組みを共有するのが難しいものの変更 などなど

ここで発生するのが、公開日時の帳尻合わせ。この帳尻合わせが意外にも大変なのです。

広告がらみのLPだったり、製品リリースのタイミングと合わせた製品サイトリニューアルなどは、お尻が決まっています。でも制作会社からの納品データに不具合があると、担当者はパニックに…。「助けて!ドラ〇もん」じゃなくて、「助けて!更新チーム」となるわけです。
 
となると、求められるのはWebに関する高いスキルよりも、とりあえず出せるWebサイトにするために最低限の修正をする力技だったりするわけで…。せっかくJavaScriptが書けるなんて方がいても、たまにしかその能力を発揮できず、今後のキャリアプランも描けないため卒業していってしまいました。

さらに、有期雇用の方にお願いしている限り避けられないことではあるのですが、サイボウズのサイト群の全容を知り、依頼者とのコミュニケーションも慣れてきたころに契約期間が切れてしまい、次の方をまた0から育てねばならないことにも疲労がたまってきていました。
 
また、当時のHP更新チームのリーダーは在社歴が長く、他部署とも交流のある方だったので、年末年始の窓口休暇のお知らせなど、製品や部署をまたがった依頼の取りまとめから、滞りなく作業を実施してくれていました。

依頼者側からは良い面なのですが、逆から見るとかなり属人化でありマニュアル化しにくい部分。また、更新担当者が元データの管理もしてくれていたため、共有漏れがあると元データがなくなってしまったりとブラックボックス化していた面もありました。

Wの悲劇ならぬWの転機

そんな折、それまで長きにわたりHP更新チームのリーダーを務めてくれていた方が、とうとう退職することに。そして同じタイミングでWebサーバーをAWSにお引っ越しすることに!

これは ピンチ? いやチャンスにしなければ。

それまでは社内(のネットワーク)にいないとアクセスできなかったテスト環境や履歴管理システムも、AWS&Githubに移行するのでどこからでもアクセスできる。ならばこのタイミングでWebサイトの更新をアウトソーシングしてみては! と思い立ちました。

サーバー引っ越しというただでさえ重いミッションと共に、さらに全くあてのないアウトソーシングもぶっこんじゃうって後から振り返ったら相当いばらの道を選んじゃいました。知らないってのはある意味強いですね。
 
そうと決めたら、まずはこの分野の調査からです。といっても「Web 運用 会社」などのワードで検索するところから。(なんという初心者っぷり)

するといろんなサービスがあるんですね。個別に人を派遣してくれるところから丸投げできる(制作から運用まで代行してくれる)会社、普通の制作会社などなど……。
 
切り替える以上、現状の問題はクリアしてないといけません。

 ・人の入れ替わりで都度発生する教育・説明コストの削減
 ・Webサイト更新業務のブラックボックス化の解消

上記を踏まえたうえで、費用対効果ももちろんクリアしないといけません。

そんな中、Webサイト更新専門会社のJ-COOLさんを見つけました。なんと、ドメイン単位での契約で依頼し放題だというのです。

Webサイトの更新なので、人が手を動かしてなんぼ、つまり人件費がほとんどなので、安かろう=悪かろうという気持ちでいました。こんなに安いのは怪しい!と思いつつ東京支社まで押しかけて、実際のお仕事現場や実績を伺いました。名だたる企業の実績がありつつも、東京オフィスは一軒家というアットホームな雰囲気。逆にそんな近しいところで働いているからこそ、不明点は声を掛け合って解決しているようでした。

並行して見つけた他社の見積もりをもらったら1人/月で派遣で数百万なんてところもあり、正直適正価格がよくわからなくなりました。でもまぁ、まずやってみようということでJ-COOLさんにお願いすることにしました。

始めた当初は様々なトラブルがありました。

そりゃそーでしょうよ、と思います。何年も社内の事情を加味して、依頼者が気づかぬところもフォロー調整してくれてた担当者から、いきなり何も知らない外部のパートナーになるわけです。説明コストもかかりますし、ブラックボックス化していたところも露見していきます。都度J-COOLの皆さんとすり合わせしたり、Webサイトの更新に関するTipsやマニュアルをkintoneのアプリにまとめるようにしたりと、調整を続けてきました。

そしてあれから数年経ち、J-COOLの皆さんは、今ではなくてはならない存在になりました。 

もちろん、依頼する側は細かな説明が必要なのでコストはかかっているかもしれません。でも、ある意味誰でも更新ができる状況を保てるようになってきたというのは、非常に大きな収穫だと私は考えています。

Webサイトの更新をアウトソーシングするということについて

私が日々意識していることをつらつらと挙げてみます。

Webサイトの更新専門の会社
J-COOLさんはあくまでWeb更新会社さんで、制作会社さんではありません。新規ページの作成もお願いできますが、ゼロからがっつりデザインを変更する場合は制作会社さんにお願いするように促しています。既存ページのデザインを踏襲して制作してもらう際も、細かい指示やデザインガイドラインを共有してもらうようお願いしています。更新専門の会社だからこそ、素早く柔軟な対応をしていただいています。

自身のWebを一番把握しているのはサイトのオーナー(依頼者)であるというのを明確に
J-COOLさんには、サイボウズのサイト群の更新を、複数の担当者さんで担っていただいてます。依頼が入った際に手が空いている方が担当してくださいますので、ドメインごとに担当が決まっているわけではありません。そのため、依頼者には作業内容をわかりやすく説明をしてもらうようお願いしてます。オーナーからすると、自身のサイトを中心に見ているのでついつい言葉を省略してしまいがちなので、不明なところは我々からもコメントを入れるようにしています。元データの管理も、アウトソーシングしてからは各オーナーにお願いしています。
 
Webサイトの更新に関するTipsを依頼者も更新者も見えるところにまとめておく
サイトのガイドラインやサイボウズ独自のWeb環境説明をkintoneにまとめ、アップデートしています。

公開手前の人が疲弊しないようにする
アップデート情報や広告連動したLPの公開などには、やっぱりお尻はあります。となるとJ-COOLさんにしわ寄せが発生しがちですが、必要最低限に収まるようにお願いしてます。納品データに不備があれば制作会社に戻してもらう。クリティカルなモノでなければ公開後に修正するなど、そういった意識も社内で浸透しつつあるように感じます。


さいごに

クライアント

業者

という上下関係ではなく、J-COOLさんはあくまで「Webサイトの更新」という専門分野を担ってくれるパートナーであり、立場としては並列であるということを、言葉でも態度でもお伝えしています。これはたぶんWebチーム⇔J-COOLだけでなく、サイボウズの中の人がお付き合いしているあらゆる会社さんに対して思っていることです。
  
今ではほとんどの依頼が、私たちを介さず依頼者(オーナー)とJ-COOLの担当者で完結しています。新たに入社される方でもスムーズな依頼と更新ができるよう、日々橋渡し役を担っています。

もし、社内で日々のWebサイト更新を担っていらっしゃるところがあれば、Webサイトの更新会社に依頼をするという選択肢もあるかもしれません。検討してみてください!


おまけ 

HP更新のタスクはkintoneを使ってやり取りしています。
こちらのアプリの中身や運用上の工夫についても、おいおい書いていけたらなーと思っています。

kintoneのHP更新依頼アプリ

※写真はSAPPADU READY@吉祥寺 


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