見出し画像

素人Webディレクターが素人Webインフラ担当になったときのおはなし

突然降ってきたWebサーバー管理者というおしごと

ある日、サイボウズがお客様に提供しているクラウドサービス(kintone・Garoonなど)の運用・改善を担っているSREチームの担当者からMTGが入った。
当時、サイボウズでは社内にHP更新チームがいました。各製品のプロモ担当であるオーナーが制作会社に発注し納品されたデータを、自社Webサーバにアップしたり、日々のちょっとした更新業務を担うチームです。そして、そのWebサーバたちは社内システム全般を見てくれている情シスや、SREが面倒を見てくれていました。

MTGの内容は・・・

  • 情シスが管理してくれていたWebサーバが老朽化していること、さらには、Webサイトの更新用の履歴管理システムの保守期限が切れるので、新たなサーバ&履歴管理システムを導入する必要がある。

  • SREはお客様に提供している環境(弊社の本サービス)の運用管理を優先するため、Webサーバーの対応は二の次になってしまう。これを機にWeb専用のマネージドサーバを利用した方が、サイト公開や設定変更などもスピーディーに対応できるようになるのでは?

という打診でした。

私は育休前に、マーケティングに伴うWebサイトやカタログ、ノベルティ全般の制作を担うチームにいたこともあり、育休復帰後はWebチームにジョインしました。でも実は学生時代にHTML(cssもない時代)を独学でかじったぐらいのど素人。主にプロジェクトマネジメント能力を頼りに、なんちゃってWebディレクターとして奔走する日々を過ごしていました。

そしてこのサーバ引っ越しプロジェクト、どうやら私がWebチームにジョインする前から言われていたことだったりしてもう断る術はなさそう・・・となると、あとは覚悟を決めるだけ。覚悟決めたついでになぜかプロジェクトのメイン担当として手をあげちゃったんですね。(なんでだろ。情シスもSREもみんないい人だから、なんとかなるって思ったような・・・)というわけで、移行先を探し始めました。

真っ先に候補に挙がったのは、サイボウズ製品のマニュアルサイトですでに使用実績のあるマネージドサービス(Netlify)。すでに社内で利用していたチームにヒアリングしつつも、要件の1つに「いずれ動的なサービス(CMSやPHP)を自社環境でも運用できるようにしておく」が上がったため断念。

結局自由度が高く、Web上に情報も多く、提供サービス自体が落ちた時に「あそこが落ちちゃったならしょうがない」と思えそうということから、Amazon Web Service(AWS)に決めました。

「いばらの道を選んだね」

これは、もともとサーバーを管理してくれていたSREチームのメンバーに言われた言葉。彼としては、自由度が高い分、要件定義や構築に知見が必要なAWSを選ぶとは思ってもいなかったようです。当時は上も下も右も左もなんっにもわかってない状況だったので、私にはいばらの道すら見えていませんでした。

AWSを選んだはいいけど何から手を付けたらいいかわからない中、すでに開発部でAWSとお取引があったので、営業の方に何社かパートナー(AWS環境の構築や運用保守、コンサルティングをしてくれる会社)を教えてもらいました。

AWSの環境構築はもちろんなのだけど、日々の運用(リダイレクト設定やBasic認証など、ちょっとしたサーバーの設定変更)にも対応してくれるところを探す必要がありました。そこでクラスメソッドさんとJIG-SAWさんに出会いました。

その先、Webサーバー移行プロジェクトをどう進めていったのか、実はあまり覚えていないぐらい必死でした。

  • 要件ヒアリングの際は情シスの部長に同席してもらったり(言葉の半分ぐらい理解できない)

  • SRE、情シスからもらった設定ファイルをや実データのやり取りをしたり

  • クラスメソッドさんからの質問に対して、情シスやSREで今までどうしていたかを確認しながらほぼ伝書鳩になったり

  • SubversionからGithub.comでの管理への移行をしたり。

詳細を100%は把握できていないけど、SREにも情シスにもクラスメソッドにもJIG-SAWにも質問しまくって概要だけは何とか理解し、暗中模索・無我夢中・支離滅裂な感じで引っ越しが完了。(その節は、というか今でもお世話になっています・・・)

なんと、完了までノートラブル、Webサイトを落としたりすることなく無事引っ越すことができました。いばらの道を選んだとコメントくれた彼も驚いてました。うれしかったなぁ・・・。

※クラスメソッドの事例記事では移行周りの話、かっこよくまとめていただいてます。

運用はスタートしてからが本番

2018年1月に冒頭のMTGが入ってから1年と少しが経過した2019年2月に、何とか引越しは完了しました。それから3年ほど。そこまで大きなトラブルに見舞われることなく安定して運用できています。
とはいえ、Webサイトは24/365つながって当然ともいえますので、そこを守りつつ、これからのnoteでは、どんな改善やチャレンジをしていったのかボチボチ書いてみたいと思います。

何の因果かWebサイトの管理者になっちゃったという方のお役に少しでも立てれば。

※今回の写真は「ゼロツー ナシカンダール トーキョー」@大手町

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?