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「はたらく幸せ」を求める

パーソル研究所の「HITO vol.16 はたらく人の幸福学~組織と個人の思いのベクトルを合致させる新たな概念の追求~」より。

https://rc.persol-group.co.jp/research/hito/hito16.html

企業が個人の主観である「幸せ」に言及するのか?という問いはあるかと思うが、人事担当者として思うことは、同じ「会社ではたらく時間」を過ごすなら、少しでもポジティブになってほしい。個人の幸せ・働きがいの先には、会社の成長があると思っているし、それを狙って制度を設計したいとも思う。気になるデータについて触れていく。

・年齢別データ

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                     (引用:HITO vol.16より)
 私は今28歳。どうりでちょっと最近色々思うのか~!ではなく、20代の不幸せ実感度が高いのは、後述するが、仕事ぶりを周りと比較しがちであることが大きいという。このフェーズのうちに競争心を払拭したいと活発に手足を動かすことが、30代以降のはたらく幸せに寄与するのかもしれない。今はバネをためる時期なのだと理解するだけでも、心持ちが違う。

 また、60代以降で仕事を続けている人は、「自己抑圧」が少なく、不幸せ実感が低い。肩の力が抜け、気負いなく仕事に向き合えているのかもしれない。

・ 残業時間別データ

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                      (引用:HITO vol.16より)
残業時間別でみると、残業時間が増加するごとに、不幸せ実感が高まる。ただ、30~40時間未満のあたりで揺り戻しがある。これは次のデータでみてみると、                                      

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                      (引用:HITO vol.16より)

残業40時間程度までは、「役割認識」や「自己裁量」、「自己成長」が高まることから、はたらく幸せ実感を高めていた。残業時間が多くなることが定常化することは良いとは言えないが、「役割認識」や「自己裁量」、「自己成長」といった因子をどう高めるか、という点に工夫をすると良いことがわかる。

・ 周囲との比較

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                    (引用:HITO vol.16より)

 また、周囲との比較をしているかどうかが、はたらく不幸せ実感を高めている。これは体感的にもわかるが、自身のやりたいことに集中することや、自己肯定感の高さが、大切であることを改めて思った。

・業績、組織パフォーマンス

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                     (引用:HITO vol.16より)

 最後に、売上高増加率との相関。はたらく幸せ実感が高いほど、売上高の前年比が増加している。業績を上げるためには、時には我慢してでも頑張る、といった窮屈な話ではなく、もっとはたらく人の心地よいところを追い求めてもよいのではないか、と思った。「はたらく幸せを感じることが大切だ」と思う人ほど、幸せを感じているという。人生100年時代、劇的に変えずとも、幸せを追い求めて、すこしでも「はたらく幸せ」を実感できるよう、心持ちから変えていきたいと思う。

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