AMIGOの学校 まとめ
(最終更新:2021年4月16日)
AMIGOの学校とは
学ぶのは、食べ物やお金、私たちが暮らす逗子の歴史など、知っていると暮らしがより良くなること。
本校の教科書は映画です。
授業の前にみんなで同じ映画をみて、テーマへ共通のイメージを膨らませた後に、実際に手や頭を動かし、形にしていく実践の場です。
各回異なる先生から教えてもらうのは、昔から変わらない知恵と、時代に合わせて変わっていくアイデア。
知識を吸収しながら、健やかに生き抜く方法を自問し、みんなで築きあげる学校でありたい。
そう願いを込めて「AMIGOの学校」は2020年12月に開校しました。
■これまでの授業
1・2限 理想の暮らしはあなたがつくる
映画:The Biggest little farm
先生:SHOFarm 仲野翔/晶子
大自然とともに「究極の農場」を作る8年間の夫婦の奮闘を追った奇跡のドキュメンタリー映画「The Biggest little farm」。
スクリーンに映し出された、自然の厳しさと美しさ、生態系の素晴らしさに触れた誰しもが
「わたしもいつか美しい自然の中で暮らしたい」
「自然の営みに触れて生活してみたい」
そう考えたのではないでしょうか。
「理想郷を実現することはできます」
力強く語るのは、SHOFarmの仲野翔さん・晶子さんご夫妻でした。
SHOFarmは神奈川県横須賀市にある無農薬・無化学肥料の農園。
自然豊かな環境で約100種類の野菜と果物を生産しており、健全な生態系と多様性のある、「理想のくらし」を体現したような場所です。
お二人を先生にお迎えした、全2回の授業のテーマは
「理想のくらしはあなたがつくる」。
授業では、「オーガニック」「サステナブル」といった最近耳慣れた言葉の本質を究めるために、17世紀までさかのぼり歴史を振り返りながらオーガニックの変遷を紐解いていきました。
歴史の流れを理解した上で、「自分はどうやって生きていきたいのか?」
これからの暮らしのあり方・社会との関わり方・を自問し、自分の中にある信念を見つけ出していきます。
「理想のくらし」へつながるヒントは自分の中にあり、誰かに定義されるものではない。
自分で問いを立て、答えを探し出す芯となるものの根拠として、歴史や知識を学ぶことが大切なのだと気づかされた授業でした。
3限 風の時代の「論語と算盤」
映画:21世紀の資本
先生:コモンズ投信 渋澤健/馬越裕子、CINEMA CARAVAN 志津野雷
働くことや生きること、暮らすことから切り離せない要素でありながら、上手な付き合い方を誰からも教わらずに大人になり、社会に出てから「もっと早く知りたかった」と気づく、お金の話。
映画「21世紀の資本」をみると、お金の支配力の大きさ、抜け出せない格差の負のスパイラル、膨らみ続ける資本主義の真実を突きつけられ、お金と向き合わざるを得ない現代社会に生きていることを痛感します。
これから先の経済の先行きはどうなるのか。
わたしたちは豊かな暮らしができるのだろうか。
不安な問へのヒントとなる1冊の本が、「論語と算盤」です。
経済的な豊かさと、人の生きる道、人間性の豊かさは両立させることができるのだと、わたしたちに教えてくれるのが、本著の著者である明治時代の実業家 渋沢栄一さんです。
彼の玄孫である、コモンズ投信 渋澤健さんを先生に迎え、これからのお金の使い方と、お金だけではない資本を考える授業を開きました。
新しい資本のあり方を考えるために、「お金のプロフェッショナル」だけでなく、「生き方のプロフェッショナル」写真家志津野雷も交えて、豊かな暮らしのためにお金をどう手に入れ、どう使っていくのか、掘り下げて考える授業になりました。
授業後にアップされた渋澤健さんのブログより、
「人間は豊かさを求めます。もしかすると、豊かさと成長の関係は新陳代謝かな?海と富士山の風景は変わっていませんが、そこには数えきれないほどの見えない新陳代謝があります。」
4限 プラスチックの新しい価値を考える
映画:プラスチックの海
先生:アーティスト 松澤有子/CAMWACCAプロデューサー 長峰宏治/ダイナミックラボ テンダー/CINEMA AMIGO館長 長島源
CINEMA AMIGOで動員が多かった映画「プラスチックの海」。
海の近くに住むわたしたちにとって、身近な問題である海洋廃棄プラスチックをテーマにしたドキュメンタリーです。
問題解決への思考方法や、具体的なアプローチの手段としてわたしたちが賛同した取り組みに、
すでにあるプラスチックをゴミとして燃やすのではなく、資源として有効活用するオランダ発の運動「プレシャスプラスチックプロジェクト(PPP)」があります。
逗子では、CINEMA AMIGOの館長 長島源を中心にPPPの拠点を立ち上げ、これから本格的に始動します。
授業ではこれまでの活動を振り返りながら、PPP逗子でどのようなムーブメント起こすことができるのかみんなで意見交換をしました。
さらに、次のステップへつなげるための先生として、PPPの日本での先駆者である、ダイナミックラボ代表のテンダーさんをお呼びし、世界的なムーブメントとしてのPPPの説明や正しく問題を恐れる必要性、その根拠について説いてもらいました。
授業を通して投げかけられた問い、環境破壊の一因とされる廃プラスチックは、果たして悪いものなのだろうか?
便利さゆえに、大量に生産したわたしたちは、使い終わり不必要となったプラスチックを「ゴミ」と呼んでいる。
その状況を変えるためには、プラスチックを悪者にするのではなく、新しい価値を考える視点を見つける姿勢が大切なのではないか。
そんな思想を持ったPPP逗子の今度の取り組みに注目です。
PPP逗子の活動がわかるアカウントはこちら
5限 味噌づくりワークショップ
先生:鎌倉・オイチイチ店主 瀬木いくよ/Amigo Kitchen 小嶋あゆみ
ミニシアターCINEMA AMIGOのオープン時から恒例行事となっている味噌づくりは、今回で11回目。
初めてのオンライン開催で、味噌づくりに慣れた2人の先生は少し緊張しながら、新鮮な気持ちで臨む料理教室となりました。
味噌のつくり方だけでなく、2人の料理家による味噌の活用アイデアや味噌汁や発酵食品の奥深さ、料理の歴史や暮らしの知恵といった、日々の料理のささやかな楽しみになるようなワンポイントを織り交ぜた授業となりました。
ワークショップを通して、オンラインならではの楽しい発見がありました。
●新しい人との繋がり
遠方の方や子供と一緒に参加された方など、現地開催だと足を運びにくい層の方が参加してくださったので、今までになかった人同士の交流の機会が生まれました。
●料理の技術習得に役立った
オンラインでは会場がそれぞれの自宅になります。
最初から最後まで自分の手を動かし、全工程を経験することができるので、技術面での学びを深めることができたようです。
みんなで役割分担しながら一つの料理を完成させる、現地開催のワークショップにはない魅力なのではないでしょうか。
6限 多拠点生活とローカリティが織りなす、風の時代の暮らし方
先生:ADDress 佐別当隆志/高木昌宏/AMIGO HOUSE 大倉暁/CINEMA AMIGO 長島源
映画:100日間のシンプルライフ
全ての家財道具を倉庫に預け、裸一貫で所持品ゼロの状態から、1日1つずつ必要なモノを取り戻していく、2人の男性の究極のシンプルライフを描いた映画「100日間のシンプルライフ」。
映画の登場人物のように、身軽な生活を実践できるサービスがあります。
登録拠点であればどこでも住み放題になる、サブスクリプション型の多拠点居住のシェアサービス、ADDress。
AMIGOの学校6限でお招きした、ADDressの佐別当さんと高本昌宏さんは、
風の時代の暮らしへ様々なヒントをわたしたちに残してくださいました。
日本各地にあるADDressの拠点のように、いろいろなエリアを選んで暮らす「風の人」がいれば、AMIGOチームのように地に根付いて暮らす「土の人」もいる。
「土の人」が歴史を積み重ね・文化を育んでいる土地に、別の場所から情報を持って「風の人」が訪れ、両者が交わりスパークした文化が、地層として積み重なり、土壌が豊になってゆく。
偶発的な出会いを意図的に生むことは、CINEMA AMIGO/AMIGO HOUSEが
これまでもやってきたことです。
わたしたちの活動はこのまま進んでいってよいのだという確信ができました。
7限 キャサリンさんのマーマレードづくり
先生:長島キャサリン
映画:人生フルーツ
CINEMA AMIGOの庭にある、夏みかんの木。
毎年春になると、館長の母・キャサリンさんは夏みかんを使ってマーマレードをつくります。
ワークショップには2種類の味わいがありました。
①マーマレードの本場、イギリス生まれのキャサリンさんが日本の風土に合わせてアレンジしたオリジナルレシピを学ぶこと。
②キャサリンさんが語る、人生の豊かなストーリーに触れられること。
合わせて選んだ映画「人生フルーツ」は、キャサリンさん夫婦に重なるつばた夫婦の物語。
授業のために、再上映を決定した、人気作品です。
2つの異なる家庭の暮らしは、共通して「生活の豊さ」があります。
庭で果樹を育て、使い勝手のいい台所で保存食をつくり、木の家で暮らす...。
手作りする時間から得られる、心豊な体験を映画もキャサリンさんも教えてくれました。
■これからの授業
【4/24開催】8限 教えて!陰陽洞!家族で学ぶ基本調味料
塩や砂糖などの「基本調味料」、毎日料理に使っているけれど、知っているようで知らないことがたくさんあるのではないでしょうか?
「白砂糖って体に悪いって本当?」
「いろんな種類の塩があるけど、どれが私にあっているのか…」
食と健康について、さまざまな情報が飛び交う中、「安全な食品を選んで買いたい」けれど、知識が追いつかないのが現状ではないでしょうか。
悩めるわたしたちにヒントをくれる場所は、逗子にある自然食材店「陰陽洞」です。
1977年に逗子で創業してから、約50年間「食の安全」と「環境にやさしいもの」を家族や地域に届け続けている陰陽洞から、福田さん夫妻をお招きし、
・知っているようで知らない基本調味料のあれこれ
・創業時から積み重ねてきた「食と健康」への思い
世界や陰陽洞の歴史を振り返りながらお伺いします。
【今回の映画】
「あまくない砂糖の話」
成人が平均で1日にティースプーン40杯もの砂糖を摂取していると言われるオーストラリアを舞台に、60日間砂糖を食べ続けたら人間はどうなるのか、ひとりの男性による人体実験のドキュメンタリーです。
お二人の長年の経験から紡がれるお話と映画で、日々の食卓の安全を見つめ直すヒントに出会える授業です。
毎日の心と体の健康のために、一緒にごはんを食べる大切な人のために、基本調味料から健康を見直してみませんか?
家族全員が、食と健康について興味を持ち、自分の意思で食品を選ぶことの大切さに気づくきっかけになると幸いです。
皆様のご参加、お待ちしています!
▼こ予約はこちら▼
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