ぐらしあすの「静寂に包まれた古い籠」

まるで音のない世界にいるよう

コンクリートで作られた古い籠

これまでいったい何世帯が

この籠でその歴史を刻んできたのだろうか

すぐそばの小高い山も夜は眠る

テレビは単なる置物に過ぎない

電源コードはコンセントには近づけない

ドアを開けると階段の街灯も眠っている

命の交換を忘れられている

闇の中の階段を転ばないように5歩降りる

地面に降りて、もう一段ないか確認する

籠の中のかすかな音は

鼻から吸った空気が

酸素を取り込み鼻から抜けていく

リズミカルなもの、意識を向けないと

それにさえ気づかない

唾液を飲むのにも気づかない

PCのキーボードの音が

籠の中で一番響く

籠の中では人の声は全くない

幸いなのかさみしさを助長しているのか

箱は1人住むには広すぎる

エアコンのないこの籠

今両足が冷えている

気密性なんてあってないようなもの

今冷蔵庫のモーターの音がし始めた

孤独と静寂

好まないようで好んでいる自分に気づく

早いリズムの脈拍が聞えないのは救い

まさにアンビバレント


ディプレッションまっさかり。ぐらしあすの「こころの声」を中心に、自分が体験したことや、時折感じる何のエビデンスもない、主観の記事も徒然に書いていきたいとおもいます。よろしくおねがいします。