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おいしいものと恋のはなし

おいしいものと恋のはなし/田辺聖子

▫️あらすじ
別れた恋人と食べるアツアツ の葱やき、結婚する気のない男との一泊旅行で買った駅弁、恋の悩みを打ち明ける女友だちとつつく焼肉、浮気夫のために作るビフテキ……男女の仲に欠かせない「おいしい料理」と「恋」は表裏一体。すれ違いつつも寄り添おうとする男と女たちの、せつなくてかわいくて、ちょっとビターな9つの恋の物語。

▫️感想
一言で表すと、大人な男女の様々な恋愛の場面を切り取った短編集。ただ他の恋愛短編集と異なる点は、「こってこての関西弁」と「料理が物語のカギになる」という二点だろう。恋人との別れの場面や浮気告白の修羅場のシーンでも会話が関西弁なんでリズムがあり、なんだか明るい。決して暗い気持ちにならずに軽やかに読み進めることができる。そしてタイトルにもあるように、一編一編に“おいしいもの”が登場する。しかし決してグルメがメインなわけではない。生活の中に料理があるようにとても自然に描かれているため、”グルメ小説”ではなくあくまでも”恋愛小説”としてこの物語を楽しんでほしい。

▫️こんな人におすすめ
・恋愛小説を読みたい人
・恋の悩みがあり、スッキリしたい人
・せつない感情に浸りたい人

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