水たまりで息をする/高瀬隼子
▫️あらすじ
「風呂に入らない」。ある夜、夫がそう告げた。問うと、水が臭くて体につくと痒くなるという。何日経っても風呂に入らない彼は、ペットボトルの水で体を濯ぐことも拒み、やがて雨が降るたび外に出て雨に打たれに行くようになる。結婚して10年、この先も穏やかな生活が続くと思っていた衣津実は、夫と自分を隔てる亀裂に気づき__。誰しもが感じ得る、今を生きる息苦しさを掬い取った意欲作。
▫️感想
ある日を境に夫が風呂に入らなくなり、順調に進んでいたはずの夫婦生活の歯車が歪み始める。